私だけの物語『ロリィタ』
それまでの私と言えば特にファッションにこだわりもなく、とはいえ大人びてみたい年頃でエビちゃんもえちゃん全盛期のCanCamやギャル雑誌を1冊だけ買ってとりあえず見ておき、肝心の服は何も買わない(買えない)至って普通の学生であった。
大好きなバンドの連載の為に買ったファッション誌「KERA」の表紙を見て派手だな、と思ったけど
(ロリータってミサミサみたいなやつか。フリルいっぱい付いててかわいいな)
当時からアニメが大好きで特徴的なデザインの服装に憧れていたのでこの服可愛いな着てみたいな。そう思うのに時間はかからなかった。
中学生のころ近所に住むゴスパンのお姉さんにNAOTOとBPNの服を着せてもらったことがある。新作カタログを眺めながらあの時の高揚感を思い出した。
とりあえず「ゴスロリ」になりたいと思って
近所にあるスーパーの二階にある服屋さん(あかのれん的なやつ)に白と黒のゴスロリみたいな服があったので買った。1000円。サテン生地でめっちゃミニスカで、ペラペラのチョーカーに鈴が付いてて、今思えばそれはガッツリ「ゴスロリのコスプレ服」である。しかし手に入れたときは、私もゴスロリになれる!と喜んで家まで走った。だから「コスプレ」と所謂「ゴスロリ」を一緒くたにしてしまう気持ちは分かる。私もそうだったのだから。
でも家で着替えて鏡を見たとき、流石に恥ずかしすぎて外には着ていけなかった。
その次に「ゴスロリ」のような服を買ったのはたまたま行った名古屋のフリーマーケット。
別珍のワンピース。
デザインでいえばローゼンメイデンの水銀燈のようなシルエット。もう手放してしまったが可愛いワンピースだった。パニエも売ってたので一緒に買った。全部で5000円しなかった気がする。友達と一緒に家で着て遊んだ。
しまむらで買った黒い服を大量の安全ピンで飾ったり、手作りのネクタイに赤い絵の具でなんか書いたり、着物を羽織にして下駄履いて街歩いたり、個人サイトで万超えのハンドメイドのロリィタ服を買ったら作りが酷くて外に着ていけないくらいのペラ服つかまされたり、化繊バリバリのウイッグをかぶってショッピングモールにいるところを叔父家族に見つかったり、とりあえずその辺一帯の行動は全てやった。黒歴史とは思ってないけど、当時から現在まで付き合いのある方達には本気で感謝の気持ちしかない。
しばらくして私はあるブランドの虜になるわけで…
そうやってだんだんロリィタ・ゴシックの本質がなんとなく見えるようになってきて、自身で思い描いたゴシック&ロリィタ像に少しずつ近づけていけてるのかな、と最近になって思い始めてきました。でも私はまだまだ好きを表現できる。まだまだ好きなように生きていけるんだ。
諦めちゃだめだ。ほんとは年齢のせいにも顔面のせいにもしたくない。黒シャツに安ピン刺してたあの頃と変わらない熱量で愛していきたい。
45歳という公式年齢をいつか非公式の実年齢が超える時、私は今現在のような服は着ていないかもしれない。
でも絶対に「ゴシック&ロリィタ」はやめない。てかやめられないのだ!!!!
私にとってゴシック&ロリィタはただのファッションではなく、スタイルなんです。
好きなものを「好き」と言えることが私のロリィタなんです。意味わからんかったらごめん。私も何言ってるか分からなくなってきてる。
カメラテストの質疑応答で
小林さんに「加納さんは青木美沙子さんみたいになりたいということですか?」と聞かれました。
愛を込めてちゃん付けで呼ばせていただきます。美沙子ちゃんは憧れです。誰も到達したことの無い道を勇ましく歩み続けている姿はロリィタとしては勿論、女性としても尊敬します。
(以前スタッフとして美沙子ちゃんにご連絡差し上げたことがあります。会社の業務的なメールでしたがとても指が震えた事を覚えています。)
そんな方と、しがない…しがなすぎる私の将来を同じ目線で見てくれた小林さんには感謝の気持ちでいっぱいです。「私の目の前超明るいがや!」と思いました。
その時は一瞬迷って「はい」と答えました。
ただ美沙子ちゃんと私は全く違う人間で、私は美沙子ちゃんには絶対なれないけど美沙子ちゃんも私にはなれない。
人間ってそういうものだから…〇〇みたい(最近ミスiDぽいとは問題とかあったよねw)になろうってのは出来ないと思う。
だから今ここで訂正したいと思います。
私は加納鎖ゐ子になりたいです。
精神ロリィタという言葉があります。
定義はないけれども、ロリィタはこうでなくてはならないというルールを持ち生活しているロリィタちゃんのことだと私は考えています。
保守的な「ロリィタ」の世界の中でもさらに厳格なタイプです。
私はそんな世界もあって然るべきと思います。
スタイルなんて人それぞれなんだで。
「別に服は服でしょ」
「かわいい服を着ている私が大好き」
「お人形になりたい」
「本当の自分でいるために」
「非日常感」
ロリィタを愛するすべての人たちが堂々と生きていける世界にしたいです。
…てなわけで、まずは私から堂々と✋
私が今、考えるロリィタ。
日常で「最高!」と言う時、脳内の変換が「鎖ゐこう」になっている事に気づいたあなた、立派な鎖ゐ子オタクです。いらっしゃっせー!