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ホロライブメンバーはアルバムを出すとソロライブをするのか? 過去の事例から

3周年記念配信において、博衣こよりの1stアルバム発売が発表された。

多くのホロライブメンバーと同様に、博衣こよりはソロライブを目標の一つに掲げているため、今回のアルバムをソロライブに向けた重要な一歩として祝うファンも多数見受けられた。
しかし同時に、このアルバム発売がソロライブの「確定演出」だと受け取っているファンは多くないだろう。アルバムリリースは3/16となっているが、その頃に改めてソロライブ開催決定の発表がなされる可能性は低いと思われる。むしろ、3/15にYouTube上で開催されるであろう生誕記念ライブでアルバム収録曲のパフォーマンスが行われる可能性の方が高い。
そのように予測するのは、これまでのホロライブメンバーによるアルバムリリースの形とソロライブの関係を踏まえてのことである。メモを兼ねて整理しておきたい。
なお、以下ではメジャーレーベルに所属しているメンバー(ときのそら、AZKi、森カリオペ)については取り上げない。ソロライブ開催に至る力学が異なると思われるからである。また、ユニットでのライブ(3期生や5期生によるもの)も扱わない。

ホロライブメンバーのソロライブ

このごろ立て続けに開催されているホロライブメンバーによるソロライブの基本型は、2021年10月の星街すいせい1stソロライブによって確立されたと言える。その型とは、「全国流通フルアルバムをリリースした上で有観客ライブ(=リアル会場あり)を開催する」というものである。

この後行われたソロライブは、ほとんどがこの形式に沿っている。具体的には、猫又おかゆ、星街すいせい(2ndライブ)、常闇トワ、角巻わため(2ndライブ)、さくらみこ、宝鐘マリン、白上フブキのソロライブがこの形式で行われている。
有観客ライブの中でこの形式に沿っていないのは三例しかない。一つは兎田ぺこらのソロライブであり、アルバムはリリースされたものの、全国流通ではなくホロライブプロダクション公式ショップで発売された。

もう一つは湊あくあのソロライブである。このときはアルバムリリース自体がなく、ライブ後にEPがリリースされた。

いずれのライブも、上に挙げた星街らのソロライブに比べるとカバー曲が複数含まれており、オリジナル曲だけでは足りなかったことを伺わせる(別に悪いことではない)。
前者は卯年にかけて一年にわたって行われた「全人類兎化計画」のまとめとして行われたものであり、後者の湊あくあはオンラインではあるが2020年に有料ソロライブをすでに行っていた人気メンバーである。そうした事情もあってこれらのライブは例外的な形で行われたと考えられる。
もう一つの例外は、角巻わための1stソロライブである。これはチャンネル登録者数100万人超えによって事務所から与えられる権利をソロライブに使った特殊なものであったが、角巻はすでにアルバムを(全国流通ではないが)リリースしており、ライブ後にも2枚目のアルバムをリリースすることになる。現在はおそらく金盾のチケットでソロライブを開催することはできないので、タイミングと熱意によって可能になったものと位置づけるべきだろう。
また、先日始まった星街すいせいのライブツアーは当初アルバム発売を伴っておらず、例外かと思われたが、さいたまスーパーアリーナ公演時に3rdアルバム発売がアナウンスされた。配信での本人の説明を踏まえると、日本武道館公演が最初に決まっており、その後にツアーが追加されたようなので、これも基本型に3公演が足されたものだと捉えることができる。
要するに、ホロライブメンバーがソロライブを行う際には基本的に全国流通アルバムのリリースも伴うのである。アルバムを全国で発売しても採算が取れる程度に音楽面で人気のあるメンバーであればソロライブを開催しても会場が埋まり、さらに配信チケットやグッズの売上を加えれば利益が出るということだろう。

アルバムのリリース方法

兎田ぺこらとは逆の例もある。つまり、全国流通アルバムを発売したもののソロライブは開催しなかったパターンである。天音かなたのアルバムがこれにあたる。

天音かなたは音楽面での人気で言えばおそらくソロライブが可能だったが、何らかの事情でアルバム発売のみになったのではないかと思われるが、根拠のない推測にすぎない。
もう一つの例はユニットになってしまうが、ReGLOSSのアルバムである。こちらは全国発売に先立って収録曲が3Dライブで披露された。

ReGLOSSについてはDEV_IS所属という特殊性があるので、他に特別な理由を探す必要はないだろう。
さて、ホロライブメンバーは必ずしも全国流通でアルバムをリリースするわけではない。兎田ぺこらと同様に、ホロライブプロダクション公式ショップでフィジカル(CD)を販売し、デジタルリリースも併せて行うという形式が存在する。大神ミオ、鷹嶺ルイ、小鳥遊キアラ、ハコス・ベールズなどの例があり、博衣こよりのアルバムもこれにあたるだろう。
この形式を取った場合は基本的にソロライブを伴わない(例外は兎田ぺこらのみ)。ただ、だからといってソロライブが遠のいたということにはおそらくならない。角巻わためは公式ショップでアルバムを出した後に全国流通アルバムをリリースして2ndソロライブを行っているし、常闇トワやさくらみこも全国流通アルバムをリリースする前に公式ショップでEPを発売している。もちろん売上に関する評価は受けるのだろうが、ソロライブに向かって一歩進むことにはなるだろう(何歩必要なのかは分からないにしても)。博衣こよりのアルバムが『FIRST STEP』と題されているのには、そのような意味もあるのだろう。


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