【10/27更新】ホロライブメンバーはどれくらいビルボードチャートにランクインしているのか
さくらみこ『flower rhapsody』、宝鐘マリン『Ahoy!! キミたちみんなパイレーツ♡』と、ホロライブメンバーによるアルバムリリースが続いており、それに伴って各種音楽チャートへのランクイン情報もメンバー本人やホロライブ公式アカウントから発表されている。
⋱ 🌸Billboard 4位ランクイン🌸 ⋰
— さくらみこ🌸10/26 ソロライブ開催🎉 (@sakuramiko35) October 2, 2024
さくらみこ 1st Album
『flower rhapsody』
Billboard 今週のアルバムチャート4位🎉
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🎧チャートイン情報🎧#鷹嶺ルイ@takanelui の1stアルバム『Liberty』が
— ホロライブプロダクション【公式】 (@hololivetv) October 17, 2024
オリコン週間 アルバムランキングて🥇5位🥇を獲得✨
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日本の主要な音楽チャートはオリコンチャートとビルボードチャートであり、どちらのランクイン情報もホロライブメンバーやそのファンに喜びとともに受け止められている。一般的な知名度としては今もオリコンチャートが強いだろうが、集計方法の違いから、実際に聴かれている楽曲を知る上ではビルボードチャートを重視する傾向がある。オリコンチャートはストリーミング再生回数に対するCD売上の比重が大きいため、熱狂的なファン集団が大量にCDを購入することでランクを高くすることがビルボードチャートよりも容易だとされる。
オリコンはこの数年間、アイドルグループの「ファンダム」によって実質“ハックされる”状況が続いているといっていいだろう。ファンダムというのは熱狂的ファン集団のこと。「推しがチャートで1位を取ること」もファンによる推し活の目的の1つだ。
オリコンの合算ランキングには、ダウンロード数やサブスクでの再生回数も含まれているが、「CD売上=1枚1ポイント」に対し「ストリーミング再生回数=300回で1ポイント」。比重が高くないためにこうした差異が生まれている。
ビルボードチャートは楽曲の「所有」と「接触」の双方を把握することで、実際の社会への浸透度を計ることを目的としている。たとえば総合チャートの「Hot 100」は「CDセールス」「ラジオ・エアプレイ」「デジタル・ダウンロード」「ストリーミング」「動画再生」「カラオケ」という6種類のデータを集計し総合している。
こうした事情から、ビルボードチャートをより信頼する人が増えており、近年ではNHK紅白歌合戦の出場者の決定においても考慮されているのではないか、あるいはある程度まで同じような発想で出場者が選定されているのではないかと言われている。
そんな中、近年のNHKの「紅白歌合戦」も興味深い動きを見せている。紅白といえば、幅広い世代からの満足を求められているコンテンツの代表格だ。ビルボード・ジャパンに通じる姿勢で配信市場にもしっかり向き合って、若い世代のアーティストを選定し始めているように思われる。
ホロライブはアイドル事務所であり、全国流通のアルバムをリリースする際には各種店舗で異なる予約特典を用意するのが慣例になっている。そのため、同じCDを複数購入するファンも少なからずいると考えられる。他方でホロライブはYouTubeを主な拠点としており、10代~20代のファンも増加しているため、ファンの多くはCDを買わずにダウンロードやストリーミング、あるいはYouTubeで楽曲を聴いているのではないかとも考えられる。いずれにせよ、実際にどれくらいホロライブの音楽が聴かれているかを知る上では、ビルボードチャートを参照するのがいいだろう。
そこで、ひとまずビルボードの主要なチャートである「Hot 100」「Hot Albums」「Artist 100」に絞って、ランクインしたことのあるメンバーの最高位とチャートイン回数をまとめてみた。それぞれどのようなチャートなのかは公式サイトに記載されているが、簡単に言えば総合ソングチャート、総合アルバムチャート、アーティストランキングである。
ビルボードの各メンバーのページに各チャートの最高位とチャートイン回数が記載されているので、その数値を用いた(例:星街すいせいのページ)。上記3チャートのいずれかにチャートインしたことのあるメンバーのみ記載した。メンバーはホロライブ公式サイトの順番で記載した。ホロライブメンバーとしてチャートインしたか否かを基準とし、現在のステータスは考慮していない。また、メンバー個人ではない形態での作品も含めている。
ホロライブメンバーのビルボードHot100, Artist 100, Hot Albumsチャートイン記録
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いくつか補足する。
まずHot 100については、星街すいせい「ビビデバ」が30回、同「TEMPLATE」が1回、hololive IDOL PROJECT「百花繚乱花吹雪」(白上フブキ、百鬼あやめ、大神ミオ)が1回チャートインしている。YouTube上ではきわめて多くの再生回数を記録している楽曲でもチャートインしていないことから、Hot 100にチャートインすることが最も高いハードルであることが分かる。現在のところは「ビビデバ」が特異的なヒットとなっているが、星街すいせいをはじめとして、今後もHot 100入りは大きな目標となるだろう。
参考までに言うと、MAISONdes「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ feat. 花譜, ツミキ」は最高位21位、チャートイン回数29回。しぐれうい「粛聖!! ロリ神レクイエム☆」は最高位25位、チャートイン回数4回。P丸様。「シル・ヴ・プレジデント」は最高位55位、チャートイン回数29回だった(いずれも2024/10/23現在)。この他、にじさんじライバーの楽曲もチャートインした例がある。
Artist 100へのチャートインは、アルバム発売時のものが大半である。例外は星街すいせいが「ビビデバ」の人気によりかなりの回数チャートインしていることと、湊あくあが卒業のタイミングで複数のオリジナル曲をリリースしたことによりチャートインしたこと、宝鐘マリンがおそらく「美少女無罪♡パイレーツ」の人気により2023年9月にチャートインしていることである。星街すいせいは2024年上半期のArtist 100にも78位でチャートインしている(記事)。
Hot Albumsへのチャートインは上記3チャートのうち最もハードルが低く、アルバムをリリースしたほとんどのメンバーがチャートインしている。ホロライブのアルバムは(1)全国流通でCD販売+デジタルリリース、(2)公式ショップでのCD販売+デジタルリリース、(3)デジタルリリースのみという3つの販売方法があり、この差異がビルボード上の順位にも影響していると考えられる(1から3の順に上位にチャートインしやすい)。メジャーレーベルに所属しているメンバー(ときのそら、AZKi、森カリオペ)はまた別である。
星街すいせいは1stアルバム(2021年10月リリース)が42回、2ndアルバム(2023年2月リリース)が27回チャートインしている。後者の『Specter』は年間チャートである「Hot Albums Year End」にもチャートインしている(59位)。
森カリオペは2021年リリースの「Your Mori.」が5回チャートインしているほか、5枚のアルバムがすべて複数回チャートインしている。
hololive IDOL PROJECTからは多数のメンバーが参加したアルバム『Bouquet』が4位にチャートインしており、同じく多くのメンバーが参加しているholo*27の『holo*27 Originals Vol.1』も4位にランクインしている。なお、宝鐘マリンのアルバムは発売したばかりでまだビルボードチャートに入っていないが、少なくとも初週のHot Albumsには確実にチャートインすると予想される。追記:宝鐘マリンのアルバムは10/23に4位にチャートインした。
ビルボードにはほかにもさまざまなチャートがあり、特に「Download Songs」では上の表に名前のないメンバーも多数チャートインしている。ホロライブメンバーは周年ライブや生誕ライブのタイミングでオリジナル曲をデジタルのみでリリースすることが多く、近年ではそれらのほとんどがチャートインしている。非常に多いので今回はまとめられなかったが、興味のある方はチェックしてみてほしい。また、「Download Albums」の順位は「Hot Albums」より高く出ることが多く、ホロライブリスナーがCDよりもダウンロードを選好していることを伺わせる。