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ホロライブとDEV_ISの違いを振り返る

ホロライブ公式XアカウントからホロライブDEV_IS(以下デバイス)に関する謎の映像が投稿されるとともにアイコンとヘッダーが更新され、ファンの間ではデバイスの新人デビューであろうと予測されている。

真相は明日の正午に明らかになるのでそれを待ちたい。以下では改めて狭義の「ホロライブ」、つまり広義のホロライブからENとIDとデバイスを除いたメンバーたち(0期生〜holoX)と、ホロライブデバイスの違いについて、デバイスの最初のグループであるReGLOSSのアルバム発売(これも今日のことである)までの歩みからはっきりしてきたことをメモしておきたい。

ユニット中心の活動

デバイスのテーマについて、カバーは公式noteでこう述べている。

hololive DEV_ISは従来のVTuber活動に加え、何か一つの内容に特化した新たな"挑戦"をユニット単位で行い、皆様と共に"成長"していくことをテーマにしたグループとなっています。
ユニットごとでの挑戦を行うことで、視聴者の皆様と共に成長を体験していく、そういったグループです。
そのため、従来よりもユニットでの活動を重視した取り組みを行っていきます。

しばしば「挑戦と成長」に注目されているのを目にするのだが、狭義のホロライブと比べて最も大きく違うのはユニットでの活動を重視している点である。
たとえば以下のような活動が挙げられる。

  • デビュー時からユニットでのオリジナル曲が発表される

  • ユニットでのカバー曲が高い頻度でデバイス公式チャンネルに投稿される

  • ユニットでの公式番組が毎月配信される

  • ユニットでのラジオ番組が存在する

  • 3Dお披露目が個別ではなくユニット単位で行われる

  • ユニットとしてのオリジナルアルバムが発売される

こうした活動は狭義のホロライブには見られなかったものであり、デバイスという枠組みでカバーがやろうとしていることだと言える。
もちろん正確に言えば、狭義のホロライブにも期生単位でのオリジナル曲は少なからず存在するが、その多くはライブのような特別な機会に作られたものであり、ReGLOSSのオリジナル曲のように活動の中心に位置するものではない。特にデビューとともにユニットのオリジナル曲が発表されるのは狭義のホロライブでは前例のないことだった(ただしENではAdventとJusticeの例がある)。

同じコンポーザーがすべてのオリジナル曲を担当する

ReGLOSSのオリジナルアルバムの際立った特徴は、同じコンポーザー(OHTORA)がすべての作詞作曲を担当していることである。

ホロライブメンバーも多くのオリジナルアルバムを発表しているが、さまざまなコンポーザーが楽曲提供する(そしてその豪華さが話題になる)のが常であり、一人のメンバーに対して一人のコンポーザーが楽曲を提供することはない。
holo*27やhololive×HoneyWorksのように単一のコンポーザーが多数のメンバーが参加するアルバムの楽曲を丸ごと担当することはあるが、これはFesという特別な機会のためになされるものである。
Midnight Grand OrchestraではTAKU INOUEがすべての作曲を担当しているが、どちらかと言うと星街すいせいが歌唱担当として参加している形であり、星街すいせい主体の活動ではない。
ReGLOSSのアルバムは同一のコンポーザーによる楽曲を束ねたことで統一感を出すことに成功している。プロデューサーの存在がしばしば取り沙汰されるが、一人のコンポーザーがアルバム全体を担当していることも大きな特徴だろう。

新しいファン層(非・男性オタク)をターゲットにしている

ここからは推測になるが、それほど的外れではないと思う。
ビジュアルに注目すると、ReGLOSSメンバーはいわゆる男性オタク(私もそうなのでこの表現に悪意はない)に受けそうな要素があまりない点、特に5人とも動物や宇宙人などではなく単なる人間である点が特徴的である。狭義のホロライブには人間だけで構成されているユニットは一つとしてなく、ファンタジー要素をもつメンバーが必ず存在する。また、死語を使えば「萌え要素」がホロライブメンバーにはえてしてふんだんに盛り込まれているのに対し、ReGLOSSのメンバーはそうした要素に乏しい。これは、デバイスが狭義のホロライブとは異なるファン層を発掘することを目指していることを示唆している。
それは具体的には女性であったり、10代・20代の若者であったり、いわゆる「オタク」ではない人々であったりするだろう。
女性については火威青の存在で十分に説明できると思うが、轟はじめのダンスも女性への強いアピールになっているだろう。デバイス公式チャンネルで投稿されているカバー曲には、いわゆる男性オタクがあまり聴いていないような楽曲が少なからず含まれている。

また3Dお披露目でダンスが大きな話題となった轟はじめのソロパートで使われた「BANDAGE」も、男性オタクには馴染みのないものだっただろう。

3Dお披露目以降大量に投稿されている轟はじめのショート動画にも同じ傾向が見られる。

新しいファン層を狙ったこうした方向性は、男性オタク向けというイメージがきわめて強いホロライブ(実態は少しずつ変わってきていると思うが)に対するデバイスの独自性を示す特徴だと考えられる。


デバイスとは何かをめぐっては、個々のメンバーに過度に注目したり、活動の実態を無視した憶測を入り交ぜたりしている意見がとても多いように思われたので、アルバム発売そして新人デビュー(?)を機にまとめてみた。

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