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【コラム】魅惑の二束三文 全パラメーターつまみ付き フロアタイプのマルチエフェクター天国(マシンライブ視点)
ギターやベース用のエフェクターってみんな大好きですよね。
私も好きで複数台持っています。
(モジュラーシンセやグルーヴボックスは良いんですが、単体のエフェクターはまた違った魅力がありますね)
よくハードオフやブックオフスーパーバザーにフロアタイプのマルチエフェクターという洗濯板みたいな機材が積まれてたりしています。
このフロアタイプのマルチエフェクターというのは、ギタリストやベーシストが足元で操作するエフェクターの機能を何台分かまとめて一台にまとめたものです。
足で操作しやすいように、洗濯板やまな板みたいなスタイルにツマミやボタンがついたスタイルになっています。
フロアタイプのマルチエフェクターは古い機種は数千円からとかなり割安です。
マルチエフェクターは最新のデジタル回路が使われることが多く、日進月歩で進化するため、古いやつは価値がなくなってしまうんですね。
この辺りの機材で、実は全てのパラメーターのツマミがついているエフェクターが何機種かあります。
ツマミが大量についているような機種は単純にコンパクトエフェクターをくっつけたような機種が多く、まんま全てのパラメータのツマミが存在しています。
そのため、操作性は非常に良く楽しい機材です。
また、数十年前に聞き覚えのある音が出ます。
ディレイタイムを短くしてフィードバック上げるとフランジャーみたいになって楽しいですしね。
この記事ではそのようなマルチエフェクターを取り上げたいと思います。
但し、私はギタリストやベーシストではないので、あくまでもシンセと同時に使えるか、というマシンライブ的な視点での記事になっていますのでご容赦くださいませ。
特にアシッドベース用として使うとか。
ある意味メーカーが想定してない使い方かもしれませんね。
この記事で取り上げるマルチエフェクターとは
この記事で取り上げる機種の定義としては以下のようなマルチエフェクターを対象としました。
歪み系や空間系、その他のエフェクターが同時に使える
全てのエフェクターパラメーターがつまみになっている(特にディレイタイムやフィードバックがつまみになっている)
ページ送りや階層がなくツマミで直感的に音作り可能
時代は1980年代から現在まで
フロアタイプのマルチエフェクター(ラックマウント機でもツマミで操作可能な機種がたまにあるかもしれませんが、今回記事では除外しています)
今回の記事で取り上げるようなエフェクターは操作性が素晴らしく、密かに人気が上がりつつあるのか、古い機種でも一部は高い値段で取引されている気もします。
とはいえ、シンセサイザーやリズムマシンほど値段が上がっていません。
あと、初期のマルチエフェクターはアナログ回路で大部分が構成されている機種も多く、詳しい人なら分解やメンテも楽かもしれません。
この記事書いて人気が上がったり、、、しないか、、
今回の記事では取り上げてないような古い機種も、実はかなり楽しい機種が色々ありそうです。(いくらなんでも数千円は安すぎるという楽しい機種が多いのでないかなと)
ギターに繋げるだけでなく、実はシンセにも使える気がしており、最近はベース用の音色にかけていたりします。ドラムマシンなんかにもにもかけても良いかもですね。
mc-707の場合、SEND RETURNとして外部エフェクターを使うことも可能なため、外部エフェクターとしてつかうのも良いかもですね。
モジュラーシンセにかけても良いかもしれません。
この、ボタンで切り替えることなく、全てのパラメーターがつまみでついてるのって実は素晴らしいことじゃないでしょうか。
特に、ディレイや空間系のツマミが直接触れると色々なことができます。
残念ながらステレオイン、ステレオアウトの機種はないようです。
今回記事を書くので調べてみたのですが、ツマミでエフェクターの全パラメーターにアクセスできるマルチエフェクターって実はかなり少ないのですよね。
所有している機種もあり、こちらの記事でまとめてみました。
BOSS
いわずと知れた、Rolandのエフェクターブランドです。
BOSS BE-5(所有)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/162888547/picture_pc_b94b26aa6bba5fe85572a356c0ca80e7.jpg?width=1200)
私も所有していて、大好きなマルチエフェクターです。1989年ごろに発売されたようですが、今から35年ほど前の機材になりますね。この機種のいいところは、なんといっても非常に軽く1kg以下です。
音もアシッドベースやセミモジュラーにかけたりするとなかなかえげつない音になります(シンセによっては出力の関係かもう少しゲインが必要かもしれません)
私が持ってるのは、かなり古い機材ですが音の劣化もほとんど見られず、ノイズも少ないです。たまたま元気な筐体に当たっているのかもしれません。
当時のBOSSコンパクトと同様の回路が軽くて薄い筐体に詰め込まれているらしく、かなり高性能です。
左から
CHORUS > NOISE SUPRESSOR > DIGITAL DELAY > OVERDRIVE DISTORTION > COMPRESSOR
と機能がまとめられており、スイッチでオンオフできて全パラメーターのツマミが出ていると言う実に使いやすい機材です。(順番は違うようです)
でも、元がギター用のせいか、前述のようにシンセに使うとそのままだとレベルが少し弱いかもしれません。
下記ブログで詳しく紹介されています。
接続順はパネル通りじゃなかったのね。
1989年1月発売の機材ということで、30年以上前の機材みたいですが、家にある筐体は普通にめちゃくちゃ良い音がします。ガリとかノイズもあまり感じません。
最近気のせいか少し相場が高くなり始めている気がします。
コンデンサとかも劣化してる可能性があるので、交換とかした方が良いのかもですね。
下記にリペアブログがありました。
当方はアシッドベースとかに使うので歪みの質が発売当初から変わっていてもあんま気にしないのですが、なかなか奥が深そうです。(そもそも、本来はギター用のため多分アシッドベースに使ったりとかは想定していないはず)
BOSS BE-5M
前述のBE-5のsend returnを細かく設定できる機種のようです。少しマイナーでしょうか。見かけることが少ないですね。
BOSS BE-5B (所有)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/162888555/picture_pc_7105c3d8024b15eff676969d960af4db.jpg?width=1200)
BE-5のベース用です。
モジュレーション系がワンブロックにまとまっていて、イコライザーがついています。(ベースはイコライザーで細かく音作りをするという風潮がある?あった?のでしょうか)
これもまた分厚い独特な音がしますね。
うちにあるのはやはり古いのでガリが多少ありますが、この種のガリってある程度は使っていくうちに減っていく気がします。
でも流石に古いので
BOSS ME-50 ME-70 ME-80 ME-90 GT-6 GT-8
90年代-現在に至るまで、BOSSは多数のツマミ付きモデルを発売していました。初期のBEシリーズみたいに各エフェクターのツマミが出てる機種はMEシリーズのようです。
筐体が鉄板になり、ボリュームペダルもついて立派になったのですがデカくて重いです。ものによっては結構安く入手できますが、他にも色々な機材を持ち込むマシンライブには重量的にあまり向いていないかもしれませんね。
初期のME-5、8、30あたりはツマミが付いてなくてボタンポチポチするという当時のデジタルシンセ方式が採用されていて、今は人気がないかもしれません。ME-Xはエフェクターケースみたいなもので、空間系のみ搭載して、BOSSのコンパクトエフェクターを3台搭載してルーティングできる機種です。ただ、この機種はツマミがありません。
なお、ツマミはあるのですが、ページめくりやボタンでエフェクターを切り替えていく機種はGTシリーズになるようです。
GTシリーズだとGT-8とGT-6だけが、この記事で取り上げるようなツマミがついてる機種になります。
ただ、頑丈な分、他の機材と併用するにはちょっと重すぎるかもしれません。
(重さ4kg以上あります)
ARIA(荒井貿易)
古くからある日本のメーカーですが、独特の安いエフェクターを出していました。現在はギターメーカーとして有名なようです。そこそこ廉価で高性能な中国製エフェクターのNUXを輸入しているみたいです。
ARIA APE-3 APE-2 (所有)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/162888574/picture_pc_e69a9f19e726424fb292914e8282f6dd.jpg?width=1200)
APE-3はベース用、APE-2はギター用のようです。
APE-2を所有していますが、非常に気に入っています。
このシリーズの最大の魅力は80年代感が爆発してるデザインだと思います。
APE-2はデジタルディレイ、コーラス、オーバードライブ、ターボ(っていう汚い歪みw)がついてます。
80年代半ばごろの日本車というか、日本車の影響を受けたアメリカ車というか、、とにかくデザインが最高に素晴らしいです。ミクロマンの基地とか超合金っぽさもあります。
赤字のTURBOとか、今の機材に絶対書かれないですよね。
APE-3はベース用のようです。
APE-2をvolca nubassに組み合わせて、先日現場で使いましたが、またえげつなく歪んでくれて最高に楽しかったです。
アナログコーラスがめちゃくちゃいい音出してます。物凄く太いです。歪みは高域を中心に歪みまくります。当初ガリがありましたが、触っているうちに消えました。
面白いのは、BOSSや他社のマルチと違って、こちらのエフェクターはスライドスイッチで各エフェクターのonoffしたパターンを作り、下のボタンでエフェクターの構成を切り替える作りになっています。BOSS社や他社のマルチは下のボタンスイッチで各エフェクターをonoffしていく構造になっています。
そのため、下のボタンひとつでディレイ+コーラス、とかディレイ+オーバードライブという組み合わせを選ぶことができます。
APE-2とvolca nubassを繋げて遊ぶと、ほんとトリップできますね。
このスイッチでエフェクトパターンを切り替えられるのはかなりヤバいです。
リバーブとループしたりをスイッチ1発で切り替えたりできます。
ARIA APE-1
ARIAのマルチエフェクターの最初期の機種です。
ACアダプターではなく、100v電源に繋ぎます。
この機種は1万円台と結構値段が高いですね。どうも調べるとアナログディレイが入っているらしく人気があります。
ARIA APE-6 APE-5 APE-4
APE-3、APE-2のあとに発売された機種のようです。
デザインがイマイチになってしまい、プログラム機能も削減されてしまいました。
APE-5はベース用で、残りの2つはギター用でしょうか。
APE-4、APE-5は最終段がコンプで、APE-6はパライコみたいです。
MAXON
TUBE SCREAMER などが有名な日本のエフェクターブランド MAXON(日伸音波製作所)
会社のウェブサイトが渋いですね、、、FAQに各社の電源情報とか相性情報が掲載されていて超有用かもしれません。
今回調べてて初めて気がついたのですが、80年代半ば?からフロアタイプのマルチエフェクターを複数機種生産していたみたいです。なお、UE-401というのもあるのですが、これはラックマウント式であります。
BOSSやARIAより比較的高価に取引されているようです。
MAXON PUE5
MAXONから80年代に発売されていたフロアマルチです。
なかなか良い音がするらしく今でも人気があるみたいで、BOSS製品より高く取引されてるみたいです。内部回路もアナログ回路だらけのようです。わ
MAXON PUE5B
ensoniqのFIZMOみたいなど紫です。プリンスっぽくて良いですが、、、ベース用ということで、BOSSと同じようにイコライザーがついています。
MAXON PUE5 TUBE
MAXONといえば真空管をシミュレートしたTUBE SCREAMERが人気ですが、なんと本物の真空管を搭載したマルチもあるようです。たまにメルカリやヤフオクに出ますが、数がかなり少ないのか、既に水面下で人気があるのかすぐ売れてしまうようです。
MAXON PUE3G
なんかこれすごいデザインですね。
80年代の地方百貨店の化粧品コーナーみたいなデザインです。
シンセサイザーは当時のデザイントレンドはあまり出てこない気がするんですが、エフェクターはなぜ強く、それもBOSSやYAMAHA以外のメーカーに当時のデザイントレンドが濃厚な気がします。
MAXON DUE300(DUE3)
80年台感が爆発しているデザインです。
1番左側がsuper metalとなってますが、昔は今よりもヘヴィメタとか流行っていたんでしょうか。
型番はDUE3とDUE300、どちらが正解かよくわかりません。
当時のモデルでよくあったように輸出用と国内向けで型番変えたりしていたのでしょうか。
MAXON UE300
MAXONのフロアマルチの最初期のものです。TUBE SCREAMERとCOMPRESSER、ステレオコーラスが入っています。全部アナログエフェクターなのと、ヴィンテージエフェクターとして人気のがあるTS-9がそのまま入ってるらしく、メルカリやヤフオクだと5万円台とかで出ています。個人的にはディレイがないのでいらないかな。
歪みを愛するギター弾きの方にはいいかもしれませんね。
その他日本製マルチエフェクター
KEN MULTI Effect5
全く聞いたことのないブランドですが、どうも下記のyoutubeによると(他にも色々なマルチを試してくれてますね!楽しい)ARIAの輸出向けブランドのようです。
単品のコンパクトはたまに見かけますが、このマルチエフェクターはかなりの珍品のようです。
軽くて小さいのとデザインがガンダムの連邦軍モビルスーツみたいでちょっと気になります。
IBANEZ UE-305 / IBANEZ PUE-5 TUBE
前述のMAXON機種の海外版のようです。MAXONとIBANEZは確か別の会社だったと思うのですが、80年台は関係が深かったみたいです。
YAMAHA GW50
1993年に発売されたYAMAHAのフロアマルチです。
デザインがまんま当時のYAMAHAデザインです。
そういえば当時のYAMAHAのシンセカタログの片隅に掲載されていたかもしれません。
なんと伴奏機能がついてて、ドラム音源とか入っていて、しかもmidi端子があります。90年代のQY10と同じようなPCMな音が聞けるのでしょうか。
右上が伴奏部の操作になっています。
これは結構レアみたいですね。
マルチエフェクターというか、ギタリスト向けのワークステーションを目指したものだったのかもしれません。
ただ全然売れていないのか市場でも滅多に見かけませんね。
YAMAHA PSEシリーズ
一時期、エフェクターをモジュール形式にして、好きにボードに組み替えて使うというコンセプトのPSEシリーズというのを出していたようです。
(後年line6が同じコンセプトのモデルを出していましたが、重たい上に複数台まとめる土台が出なかったのですぐ終わってしまいました)
なお、SB200という大規模なボードもあったらしく、今のモジュラーシンセみたいにルーティングを変えられるようです。
ZOOM GFX-4
エフェクターやMTR、ミキサーで有名なZOOMもマルチエフェクターをたくさん出していますが、今回の条件に当てはまりそうなエフェクターはGFX-4しかありませんでした。
なお、今回の条件には当てはまらないのですが、GFX-707という廉価版のマルチエフェクターがあります。サンプラー搭載のようで、なかなか面白そうですね。
KORG社のフロアマルチ
残念ながら今回の記事で取り上げる特徴に当てはまる機種はなかったのですが、KORG社もかつてはフロアマルチやエフェクターを多種発売していました。往年のマルチエフェクターのA5あたりは超激安で買えることもあり、なかなか評判が良いようです。
(エフェクター種類ごとに切り替えが必要ですが、つまみでいじれます)
その他海外製マルチエフェクター
私もあまり気が付かなかったのですが、海外製の現行品もいくつかあります。
確かに軽くて便利で、しかもメーカーによってはそれなりにいい音しそうです。
下記の記事が参考になります。
MOOER BLACK TRACK/RED TRUCK
優良で安価なエフェクターを出してるMOOERからも、ツマミ付きマルチエフェクターが出ています。キッチュな雑貨みたいなデザインですね。
NUX Cerberus
同じく優良な安いエフェクターが多くて最近人気なnuxからも出ています。
なかなか渋くて良さげですが終売みたいです。
TECH21 FLY RIG 5 Version2
ベース用プリアンプのSANSAMPで有名なTECH21からもツマミタイプのフロアマルチが出ています。
今はVersion2になっているのでしょうか。
DONNER Alpha Clauncher
安いエフェクターで有名で、最近シンセやリズムマシンも作り出したDONNERからも出てました。
1万円でお釣りが来るということでめちゃくちゃ安いですね。
Carl Martin Quattro
珍しい現行品?のアナログマルチエフェクターです。
デンマークのメーカー製とのことで、新品だと18万円以上と結構高いですね。この記事で取り上げたような80年代のBOSSやARIAの機種はまだ安く買えます。
VALETON VES/MESシリーズ
80年代のつまみ付きフロアマルチを現代にそのまま甦らせたようなエフェクターです。どうも中国メーカーのようです。この機種シリーズの良いところは異常に軽く、700g以下の機種も多いようです。
まとめ
時代から忘れ去られがちでマイナーなツマミ付きマルチエフェクター。
まるで中年のおじさんのように世間から忘れ去れている機種も多いです。
この記事では取り上げなかったツマミのないマルチも面白い音が出る機種たくさんありそうです。
(ZOOMのGFX-707は気になります)
変な機材を使っても楽しい音楽、面白い音楽は色々できる気がします。
電子楽器と組み合わせるのは良いですね。
今ならまだ安い80年台のエフェクターもたくさんあります。是非使ってみてください。
薄くて軽いフロアマルチなら、本棚に置いたりとか収納があまり邪魔にならないのもポイントですね。
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