
【モジュラーシンセ】Intellijel Desings steppy とendorfin.es queen of pentacles Patching Panda PARTICLESでドラムを組む話(備忘録)
モジュラーシンセでドラムを鳴らす方法も無限にあるようです。
当方は普通のリズムマシン+@的に遊べるこの3台のモジュールで一旦ドラムを組んでみました。
せっかくなので、この3台のモジュールの操作解説をしたいと思います。
比較的普通?のリズムマシンに近い組み方に近く、モジュラーでグルボ的に遊びたい人向けでしょうか。(音の割り方も西洋音楽に準じた4の倍数割りとかの音楽になりますね モジュラーを極める人はその辺りを逸脱する人も多いようです)
この組み合わせですが、正直なかなか面白いです。
intellijel desings steppy GATEシーケンサー
endorfin.es queen of pentacles アナログハイブリッドドラム音源
patching panda particle GATE分割 リシーケンサー(という言い方があるらしい)

Intellijel designs steppy
モジュラーシンセのシーケンサーには、音程などを出すcvgateシーケンサーと、ドラムなどのリズム音に使うGATEシーケンサーの2種類があります。
Intellijel design のsteppyというGATEシーケンサーの出撃頻度が高く、改めて自分で手業を覚える意味でも記事にしておきます。細かいことはclockfaceさんのページに大体書かれているので、使い勝手と覚えごとをなんとなくレビューしたいと思います。
私が所有してるのはintellijelケース用の1u28hpバージョンですが、通常のユーロラック8hpサイズのものもあり、機能は変わらないようです。
4ch それぞれ64stepで打ち込めます。
各トラックごとの長さを簡単に指定できるので、ポリリズムは結構簡単に作れますね。
簡単な使い方
16個のstepボタンで、音を出したい位置をぽちぽち押していきます。所謂808方式とかtr方式というやつです。
select mode
各トラックごとの設定を行います。
トラックの切り替えとかはselectボタンでselectモードに入って行います。
その場合は各stepの上に書かれている黒白抜き文字の機能が割り当てられます。
多分ほかのシーケンサーに慣れてる人ならなんとなく機能が把握できるのでないでしょうか。
左上4つのボタンはトラックの切り替え
右上4つのボタンははトラックのstepページ切り替え
左下4つのボタンは各トラックのミュート
右下4つのボタンは再生モードの切り替えやreset(最初のstepに戻す)やクリアーです。
この中だとloopyモード(無限大マークのついてるやつ)をonにすると、指定したところを押すとループします。ただし、このモードだけ特殊で、selectモードでループを解除しないと、ずっとループ演奏モードが繰り返されるのでご注意ください。(説明しても難しい)
(この辺りから説明書見ないと把握できなくなってきます)
edit mode
赤いボタンを押すとeditモードに入るとこができます。
パターン全体の設定をします。
その場合は上の8つのボタンでかけ度合いを設定します。

パターンの長さを指定する場合
各トラックのstepが編集できる状態で最後のstepを長押しすると設定できます。緑に光ってるところが鳴る予定のstep 黄色に光るところが機能していないstepです。
これも説明書見ないと把握できなくなってきます。
step edit mode
playモードで赤いeditボタンを長押しすることにより、各stepごとの細かいeditができるようになります。
editボタンと、選択可能なeditができるstepボタンが赤く点滅してるのでわかりやすいです、が、説明書みないと絶対に気が付かない機能ですね。
下記のratchetなど、editしたい項目を選択すると、選択したedit項目が黄色く光ります。
ratchet mode
上記のeditモードに入った状態で、割り算マークのボタンを押すと各stepごとの繰り返し回数を指定できるratchetモードに入ります。
(割り算マークが黄色く光ってる状態)
が、、このモードはものすごくわかりずらいです。触ってるうちになんとなく弄れるようになってきましたが、、、
上段のstepをいじってる場合には下段の8つのstepボタンで、ratchet数。
逆に下段のstepをいじってる場合には上段のstepボタンでratchetの数を編集します。
ぶっちゃけ、どこのstepを編集しようとしてるのかよくわからず、どこのstepを選択してるのかもよくわからなくなってきます、というか説明し難いですww
なんとなく弄れるようにはなりましたが、この辺りのstepボタン遷移は非常に難しいと思っていた方が良さそうです。
液晶なしに、16個のボタンと2つのeditボタンだけでこれだけの機能を盛り込むのはかなり難しいですね。
パネルに説明も細かく記載されていないので。
tap record
selectを押しながら、editを押すと、各トラックをクリックから入力したBPMに合わせて入力できます。
赤と黄色のLEDが同時に点滅してるとこのモードです、というのはまたなんとも言い難いuiですね。これも説明書読まないと気が付かないですね。

良いところ
性能の割にはコンパクト
難しいことしなければ、意外と簡単に気楽に使えて便利
intellijel 1uサイズがあり、非常にコンパクト
ボタンだけの割には比較的uiが整理されている(複雑な機能使わなければ)
イマイチなところ
uiに難解な機能がかなりある
この種のモジュールによくありがちな、長押し機能や同時押しはやっぱりよくわからない
たまに挙動がよくわからない(loopyモードと、step editモードから入るratchetモードは非常にわかりずらい)
赤と黄色のLEDの点灯パターンや点滅パターンのみで、自分がいるモードを把握するのはやっぱり難しい気がする
endorfin.es queen of pentacles

TR-909インスパイアというモジュラーシンセ用 マルチドラム音源です。
普通に会話すると長いので、endorfinの女王様とか略す時も多いです。
BD SD clapがアナログ、他はサンプル音源を4系統搭載していて、サンプルは差し替えることができます。
シーケンサーは入っておらず、音源のみです。モジュラーシンセで、単体のバスドラモジュールとかはよくありますが、リズムが多数入って入っているのは珍しいですね。
真ん中の大きなつまみは効きの良いアナログフィルターです。
スペインバルセロナのモジュラーシンセメーカー、endorfin.esから発売されました。
ここのメーカーは独特な個性があり、パラメータを飛行機用語にしたり、デザインを飛行機から取る癖があります。あと、高級ブランドっぽいですが、意外と高くないですね。使い勝手が独特なところがありますが、私は好きです、が、ちょっと難しいこともあるかも。
最近のモジュールはパラメータやデザインも普通のものになりつつあるみたいです。
確か姉妹機でCR-78ベースのモジュラーシンセリズム音源もありますね。
下記が姉妹機のBLCK_NOIRです。よく見るとデザイン結構違いますね。
endorfin.esは日本だと流通量がそこそこで、中古で見かける時には見かけますが最近は少ない気がします。
日本国内の新品はメディアインテグレーションでしか購入できません。
操作の解説
たいていパネルそのままの比較的わかりやすい音源です、が、サンプル周りとエフェクト周りだけわかりずらいので解説していきます。
サンプル周り
s1-s4の上にあるボタンですが、s1-s4つまみの操作とサンプルバンクを切り替えます。
s1-s4つまみの操作ですが、上記のボタンを押すと青と赤が切り替わります。青がdecayで赤がピッチだそうです。
2秒長押しでサンプルバンクを1か8まで切り替えます。
5秒長押しでmicrosdからのデーター呼び出しです。
エフェクト周り
typeとtapでエフェクトタイプの切り替え。
cabin pressureつまみでwetと、dryの切り替え。
typeキーを連打して、エフェクトの切り替え。
(下記の光り方参照、ってわからん)

その他のコツ
SDとCLAPをビットクラッシュさせるspoilerパラメーターつまみがあるが、これは使いすぎると広域が削れまくって音が出なくなるのであまりかけない方が無難かもしれません。
私は11時くらいでかけるのが好きです。
上述のつまみによるサンプル操作(s1-s4のつまみ)はなかなかシンプルで楽しいです。
中央のでかいエンコーダーによるフィルターカットオフノブですが、0時がかかっていない状態、左側がローパスで右側がハイパスフィルターになるようです。
良いところ
音が汚れてて良い
慣れてくると一生物になりそうなポテンシャルがある
エフェクターが超豊富で、つまみでパラメーターが呼び出せる
値段と大きさの割に実は非常に高機能 意外とサンプル周りやエフェクター周りの操作性が良い(ボタン呼び出しはめんどいですが)
アナログフィルターがよい
パラアウトつき
モジュラーシンセで珍しいマルチドラム音源
(ないわけでないですが少ないですね)内蔵ディレイやリバーブが非常に良く、実はダブにかなり向いてる気がする
イマイチなところ
パラアウトを使わないと音のバランス取りが難しい
心なしか音はそんなに太くはない気がする どちらかというとモジュラーシンセのミキサーとか音響周りのせいで、外部の良いミキサーにパラアウトで直接繋ぐといいかもしれない(未検証)
挙動がよくわからない時がある
このメーカーは茶色がマイナス12vのレインボーケーブルで事故りそう
エフェクターとサンプル音源周りのボタン操作が難解
909リイシューで、なかなかいい線いってるけど909とはまた違う
SDやCLAPのtuneや、auxの入力などの重要なつまみが、小さいつまみで操作性悪い
midiもついてると人によっては重宝するかも GATEシーケンサーは持ってない人は持ってないので
Patching Panda PARTICLES
イギリスのThonkなどで売っているガレージメーカーのPatching Panda製のモジュールです。見た目だけであまり調べず、batumiみたいにclockジェネレーターになるのかな、と思って組み立てキット買ってしまったら全然違うモジュールでした。
GATE(このモジュールの場合はTRIG)から入力された4つのGATEを、clockに準じて加工するというモジュールです。
スライダーで音を分割させて連打させたり面白いですね。
当初、clockだけに入力すればGATEを4つに分配してくれるのかな、と思ってたのですが、4つのTRIG入力にも、GATE信号を入力しないと仕事してくれないモジュールです。
(最初壊れてるのかなと思った)

このモジュールですが、前述のintellijel steppyと組み合わせると実はかなり面白いです。
steppyも丁度4つgate出力できるので、これの4つの入力(trig1-4)にピッタリ収まります。
組み立て
表面実装部品が予め半田付けされてるのでそんなに難しくないです。
最後のパネルの組み込みミスって、右側のpotに入れるネジが入らなくなりましたが汗
まあ動けばいいです。
ここのメーカーのモジュールは組み立て式ですがツマミの質感も良く、なかなかシャープで好きです。また、筐体の作りや設計もちゃんとしてますね。
操作のコツ
左上のエンコーダーで、おおまかに全体の分割数を決めるみたいです。(64分にするかとか、8分にするかとか)
左上のエンコーダーを押しながら、ベースの分割数を決めるみたいですが、ここは適当に操作していてもなんとかなります。多分ここの操作で付点付き分割とかできるんじゃなかろうかなと。
右上のエンコーダーで入力を隣の列に移したり、ランダム出力できたりします。
(トラックをリアルタイムにずらすことのできるシーケンサーって珍しいですね)
このエンコーダー操作は比較的わかりやすいです。

また4本のスライダーと右上のエンコーダーで簡単にリズムを連打したりできます。この辺りは比較的簡単に操作できて楽しいです。
ですが、たまに連打できなくなったり、操作体系がやはりよくわからない時があります。その場合はfuncを押しながら、PROBやABSORDを押して、スライダーの設定を上げてあげると良さそうです。
no tripleボタンを押すと三連符にはGATEを出力しないので連打が自然になります。
funcを押しながら下の4つのボタンを押すとそれぞれのモードになります。
(GATER BYPASS PROB ABSORB)
が、説明書読んでも正直よくわかりませんw
海外のフォーラムでもこのモジュールはよく分からないと言われております。
参考 modwiggerのフォーラム
日本で全然見たことないんですが、このモジュールと比較されてるようです。
funcを3秒押すと、挙動がリセットされるらしいので、それを使いながらスライダーや各モードをグネグネすると良さそうです、と書いたのですが、これも本当にリセットされてるのかやっぱりよくわかりませんね。
ランダム出力がついているので、リズム音源に入れたり、このモジュールの他のinputに入れてあげて自己パッチングしてあげてリズムパターンの変化つけたり色々できそうです。
良いところ
diy品だがデザインと質感が良い (このメーカーはどのモジュールもシャープでいいですね)
スライダーと右上のダイヤルで直感的にリズムを制御しやすい
基板が浮世絵デザインで素敵
普通のリズムパターンをGATEに入れるだけでなく、LFOとかランダムをGATEに入れたりすると色々面白いことできそう
ランダム出力もついていて便利

イマイチなところ
細かい設定の深い操作の効き具合とかよくわからない
挙動がやはりたまに意味不明
GATEが4つなので物足りないといえば物足りない
GATEにわざわざ入れなくても、1つのclockから4つの GATEに勝手に分配してくれる機能もあっても良かった
(右上のつまみを矢印3つのに合わせたりサイコロにすると勝手に分配してくれることになってはいるが)
まとめ
あまり需要があるのかわからないのですが、こんな記事を書いてみました。
モジュラーシンセの面白いところは、色々なモジュールを組み合わせて、単体機材みたいな機能を実現できるところですね。
今回はこの3台で4gateのリズムマシン的なものを作ってみましたが、他にも色々できそうですね。