オコゼ/Devil stinger@東京都中央卸売市場-足立市場内とくだ屋
2020/12 訪問
この日珍しい魚がメニューに出てたので入りました(^o^)
スズキ系スズキカサゴ亜目オニオコゼ科オニオコゼ属、漢字で書くと「虎魚」活魚は超高級魚で死んだ魚も高値で取引されます。旨い魚としてフグに匹敵すると評価されてます。
高級魚として評判の魚ですが、オコゼは背びれに12〜13本、腹びれ、尻びれに5本の毒トゲを持っていて、それに刺されると激痛を伴い病院搬送必至です。
ネット上で実際に刺された人の事例を色々見ましたが命を奪われるほどではないようです。しかしながら2010年8月5日沖縄名護市の58歳ダイビングインストラクターが刺されて死亡した様子。これに対しオニオコゼの棘刺事故の一例で九州の沖永良部徳洲会病院では、毒そのものでは無く、職業柄、過去に刺されたことがあり、それに伴うアナフィラキシーショックによる死亡の可能性が高い。としてます。
いずれにしても捌く料理人さん達は大変です(>_<)
さてそんな魚オコゼを食べてみましょう
顔が超ブサイクです(>_<)。頭に〆た時に出来たキリのような穴があります。
身肉は白でとてもキレイです(#^.^#)
うん!旨い(^o^)。クセや生臭さは一切ありません。月並みな表現ですが上品な白身と言った感じです。
ところでこのオコゼと言う魚、日本各地に広範に分布する「山の神様信仰」に深く関わりがあります。各地で信仰、神事、昔話が異なりますが、その中の1つのストーリーを簡潔にまとめるとこんな感じです(#^.^#)↓
“むかし昔、ある山の村に田んぼを見守る山の神(女の神様。でもブサイク)がいたそうぢゃ。ある日山の神様はずっこけて小川にハマッてしまい、そこで初めて川面に映る自分の顔を見たんぢゃ。己の顔があまりにもブサイクでショックを受けた山の神様は山の祠に引きこもってしまったのぢゃ。
山の神様が見守らなくなった為、田んぼの稲、山の木々は枯れ村人の生活が困窮してきたんぢゃ。困った村人は何とか山の神様を慰めようと知恵を絞り「そうぢゃ!あれだ!」とある物を持って祠へ行ったのぢゃ。
村人が持って来たそれを見た山の神様は大爆笑「ゲヘヘへ!(#^O^#)♥あたすよりブサイクだ!おい村人!この魚はなんぢゃ?」
「はい!オコゼでごぢゃるよ!ゲヘヘへ!(#^O^#)♥」
こうしてすっかり機嫌を直した山の神様の力で田んぼや山の木々は青々と甦り、村には豊作が訪れたんぢゃとさ、めでたしめでたし。“
と言った感じです(^o^)
上記、三重県尾鷲の神事は2~300年の伝統があり、マンガ日本昔話にもオコゼと山の神で動画がありました。
この他色々、オコゼを伴う神事や伝承がありますが、山の神様はどうやらオコゼが好きみたいですね。ある地方では山へ狩猟で入るマタギが懐にオコゼの干物を入れ、山の神様に「獲物を獲らせてくれれば懐のオコゼを見せてあげてもよくてよ(#^.^#)」と言う念をかけ狩猟する伝承があるそうです。
山の神がオコゼを好まれる理由にはこんな説もあるようです。以下引用↓
「オコゼは「顔は一番醜い魚だが、腹の中はどんな魚よりもきれいである」( オコゼの内臓は非常に美味しい)したがって、山の神が顔のきれいな者よりも邪心のない腹(心)のきれいな人を好かれるということは、邪心は災禍を招き、正心は難を逃れるの道理を教えているものであろうと。」
山の神様を立ち直らせ、お気に入りにされたオコゼ確かに美味しく頂きました!(#^.^#)