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2023年新春マグロ解体見学&初競り/Tuna auction and Its cutting tour@鮪仲卸大谷商店:東京都中央卸売足立市場

2023/01/05 訪問

新年初の魚介馬鹿一代レポートです。今年もどうぞよろしくお願いいたします<(_ _)>

さて、東京に存在するいくつかの魚介類を扱う中央卸売市場では、毎年1月の5日は年中行事としてマグロの初競りが行われます。

この日『豊洲市場』では青森県大間の本マグロ(212キロ)が3604万円で落札されました。

このニュースは早朝の速報からその後の昼の解体、寿司屋で提供されるまで日本中の主要メディアに(新聞、テレビ、ラジオ、インターネット)大々的に取り上げられたので、魚介類に興味のない人でも大いに一般的なニュースとして知る事となったのではないかと思われます(まあ毎年の事ですが😅)。

そんな中、私はあえて『足立市場』へ行きました。この日『豊洲』と『大間のマグロ』2つのワードが1日中世間を賑わせていたその陰で、主要メディアに決して放送される事のない今から約440年前の天正年間(織田信長が石山本願寺を屈服させた時代)からの歴史を持つ、東京都で唯一水産物専門の中央卸売市場でマグロ解体&初競りの独占レポートですw

東京都中央卸売市場『足立市場』朝4:30

そもそも『足立市場』ってどこ?と思ってる方も多いのではと思いますので先ずはGoogleマップで下記をクリックして位置をご確認下さいませ↓

最寄り駅は『京成千住大橋(徒歩約5分)』ですが北千住駅からも約10分で行け、場内は一般の方も普通に利用できる食堂もあります

この日は取材にご協力頂いた場内のマグロ仲卸3代目大谷商店の大将から、朝5時からマグロの解体やりますと連絡があり、前日は北千住駅近くのネカフェで仮眠し徒歩で来ました。しかし緊張でほとんど寝れませんでしたw

ではまだ暗い早朝の千住の魚河岸構内へ入って行きましょう。

移転前の築地市場の昭和チックな風情が感じられる中、仲卸業者さん達の活気ある新年の挨拶が至る所で聞こえてきます
マグロ仲卸3代目大谷商店さんに到着。

5時に大将が現れご挨拶をした後、ふと、あれ?ここ昔来た事あるような?そんな記憶が過り、よく考えたら…

赤丸はわたし😄2019年頃

コロナ禍前の2019年頃、ボランティアで訪日外国人旅行者を足立市場へ案内した時の写真(画像提供3代目大谷商店大将より)

そうだったんです!以前ボランティア活動の一環として来てました!この頃の私の活動の様子は下記動画を是非ご覧下さい😄↓

さて、そうこうしている内に50キロ超えの本マグロが台車に乗って運ばれてきました!

やはり目の前で見るとホント迫力あります!私自身この大きさを見るのは初です!

解体される前に色々な角度で観察しましたが、この状態はマグロ出荷時に下処理が完了された物と分かります。では下処理で何がされていたか簡単に説明します。

頭に穴が空いています

マグロを美味しく食べる為には鮮度を保たなければなりません。漁獲後(釣り、延縄、畜養場から揚げる等)は活きている魚を必ず締めます。とにかくマグロは暴れます。そうなると魚体の体温が上がり『身焼け(自分の体温で身肉が白くなり刺身で食えなくなる現象)』を起こします。その動きを止める為に脳天にピックを刺し、その穴からワイヤーを背骨上の神経に何度も通し即死させます。これを神経締めと言います。

画像は『フックエム』さんより
https://www.biggame-lures.com/item/TF/IT-TF-HOOKEM-SKJ.htm

↑こんなイメージです。こうする事で死後硬直を遅らし鮮度を維持できます。

肛門から腹ビレ手前までの切り込みが確認できます

神経締めの後は素早く血抜きを行いエラや内蔵を取り除きますが上記写真の切れ込みの幅を見る限り、おそらく肛門に繋がっている腸の根元を切り、エラごと内蔵を引き出したのではないかなと個人的に推測します。

ちなみにエラと内蔵を取り出された状態のマグロを業界用語で『GG(ジージー)』と呼びます。何それ?と思われる方がほとんどだと思いますが、わかりやすく言うと英語でエラはGillギル、内臓はGutガット、動詞として使われるとエラと内臓を取ると言う意味になり、Gilled and Guttedの頭文字を取り、“GG”(エラと内蔵を除去した)となります。

このように、市場へ出荷される大型のまぐろは漁獲後このような処理がなされているのです。

では、次に高校時代のアルバイトから現在に至るまでマグロ一筋40年の人生を捧げてきた3代目大谷商店の大将の捌きを見せて頂きます😄

日本刀のような長さの包丁!大将がサムライのようなオーラを纏った感があります😄

ちなみに、60キロ位の魚体になると通常2~3人で解体するそうですが、大将は100キロ位なら一人で捌けるそうです!

頭はノコギリで切り離されました

上記画像の状態を業界用語で『ドレス』と呼びます。『またー?何それ?』と思ってる方がほとんどだと思いますので、簡単に説明しますと、先ほど述べたGG(エラと内臓を取ったマグロ)から、頭と尾が切り落とされた状態をそう呼びます。英語の“Headless”無頭(ヘッドレス)から来ているようです。

日本刀のような包丁で解体を進める大将

無駄のない一連の流れるような動作は、正にマグロ一筋40年を物語っているかの如く。私はこの動画を作成するにあたりバックミュージックに森進一の港町ブルースを使いたい心境になりました(*^_^*)

さあ大将の技が光に光ってます!

一気に中骨を残し、左右の背と腹側が4分割されました。この状態を“Loin”ロイン(四つ割り)と呼びます。

上記画像1番左上を『ブロック』と呼びます

更に画像1番右上は、ブロックを赤身とトロの部分で切り分けてます。トロの部分は民家の屋根の瓦のような形になることから、この状態は『カワラ』と呼ばれます。そして1番右下の画像は赤身、中トロ、大トロの部位に別れた『柵(サク)』となりました!いやぁ初めてここまでの作業を見ましたがホント感動しました(*^_^*)

ちなみにこのマグロ柵は店頭に並び一般の方も普通に買うことができ、赤身は1500円、中トロ大トロは1800円だそうです!

↑今回の解体の様子はこちらをご覧下さい。マグロが運び出されるシーンから最後柵になるまでガッツリ撮ってます😊

解体が終わりひと息ついたところ。

さて、解体が5:30分頃に終わり、ちょうどその時間に行われる場内の2023年新春マグロ初競りの様子を見せて頂ける事になり、大将の後について現場へ行かせて頂きました!

マグロ競り場

おお!正にマグロの競り場!足立市場では普段営業日に朝5.30からマグロの競りが行われている事は知ってましたが、一体どこでやっているのかずっと謎でした。実はこの日も4:30に場内をくまなく廻ってましたが、まさかここで行こなわれていたとは…ホント関係者しか入れない場所です。

いきなりデカいのがいました!
千葉県勝浦沖で獲れた180キロ超えの生本マグロです!

千葉県勝浦と言えば2019年の今頃、国際武道大学で行われる剣道部の寒稽古を朝4時に見に行った記憶が甦ります(私は学生時代剣道部)。それ以外にも勝浦は魚介類を食べにちょくちょく行ってますが、まさかこんなデカい本マグロがあの海沖合いにいるなんて夢にも思いませんでした!

余談ですが、この日同じタイミングで行われた日本各地のマグロ初競りをいくつか見ていくと…

京都市下京区・市中央卸売市場第一市場で、千葉県銚子産の本マグロ133キロが最高値113万円。

名古屋市中央卸売市場で、千葉県産本マグロ235キロ約114万円↓

岐阜市中央卸売市場で、千葉県産本マグロ153キロが107万円↓

千葉県産の本マグロ結構優良なのかしら?と感じました。

さて、冷凍マグロをよく見ると…

ラベルが貼ってあります
マグロの種類、漁獲した船の国籍、漁場などが表記されてます。

漁場アセンション?そこどこ?と思って調べたら↓

南アメリカ大陸とアフリカ大陸の中間。南大西洋に浮かぶイギリス領の火山島(人口1000人以下?)

こんな所でとれたマグロが足立市場に来てるのか!と思いました。

そして競りが始まりました!

5:30分の競り開始を告げるブザーがなり、関係者が集まり、新年の挨拶の後、いよいよここ足立市場での新春マグロ初競りが行われました!

↓どんな様子だったかはこちらをご覧下さい!論より証拠です😊

↑動画を見て頂ければお分かり頂けると思いますが、セリ人の発する業界用語が私には全く分かりませんでした!(>_<)。これは次回の課題になります。かろうじて分かったのは、買う側は指で数字のサイン(キロいくらで買うか)を示してる事だけでした(>_<)

競りが終わり再び店へ
最後に大将からコーヒーを頂きました!ありがとうございます!

それにしても新年早々、本当に今回は色々と初めてのことが体験でき非常に勉強になりました。大谷商店の大将に感謝申し上げます!

ちなみにマグロ仲卸を営む大将は2022年1月に海鮮居酒屋をオープンしました。

次回はこのお店で、大将が捌いたマグロを色々と食べレポートさせて頂きます!

マグロ仲卸3代目大谷商店大将本当にありがとうございました!

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