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山の神様の刺身?!/Sashimi for Mountain God@神奈川真鶴町 貴船神社真ん前 『丸入水産』(地魚料理店)
2023/05/04訪問
昔から日本には、各地域に根付く漁業と神様にまつわる信仰、言い伝えや神話など色々とたくさんあります。
この日は関東初の外洋養殖岩牡蠣『鶴宝』の取材で真鶴町へ訪れましたが、上記の事を含め、非常に興味深く面白い場所も見つける事ができましたのでレポートさせて頂きます。
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先ず古い歴史として真鶴半島は源頼朝と所縁があり、今から約840年前の治承4年(1180年)頼朝が再起をかけて安房(現在の千葉県鋸南町竜島)へ船出をした地としても知られてます
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そして半島先端にある『魚つき保安林』と呼ばれる原生林エリアは真鶴の魚介類を美味しく味わう意味でも、実際に現場へ入り、色々感じ学べる場所です。
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↑上記マップによるハイキングコースだと駅から片道5キロで回れるようです。さっそく『魚つき保安林』へ向かってみます。
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ちなみに真鶴半島は箱根火山の影響により湾に突き出た土地。海岸は高さ20m程の岸壁が続き、江戸時代からの手付かずそのままの場所も多く残ります。 そしてこのエリアは松を中心に巨木類が豊富です。
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公衆トイレなのに今までの人生の中で1番素敵でした!窓外に広がる海の素晴らしい景色が見られるなんて他にあるのでしょうか?😄ここで素晴らしい景観をアテに缶ビール飲みたくなりましたw。
さて魚つき保安林に入りましょう!
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このエリアは今から約350年前の寛文12年(1672年 第4代徳川家綱が将軍の時代)度重なる大火に対応するため、幕府の材木資材確保政策により、小田原藩が領内各村に松苗15万本を割り当て真鶴半島にも植林された事が始まりです。
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その後明治37年(1904年 日露戦争勃発の年)には、魚を守り育てる森林と認められ『魚つき保安林』に指定。昭和27年に真鶴町へ移管されるまで、御留山(幕藩領主の管理下にあった森林)から御料山(皇室所有の森林)へと、長らく国が管理してきた場所でした。
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そして昭和29年(1954年 日本の漁船第5福竜丸がアメリカの水爆実験で被災 & 水爆で目覚めたゴジラ第一作が放映された年)に、この魚つき保安林は県立真鶴半島自然公園に指定され、更に平成18年(2006年 荒川静香イナバウアー流行の年)に『未来に残したい漁業漁村の歴史文化財百選』に選ばれました。
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魚を守り育てる『魚つき保安林』とは、森林を通って滲み出たミネラル豊富な地下水に、海辺に影を落とす生い茂った巨木林、枯れ葉や虫がプランクトンを生み、それを求め多様な魚が集まり豊かな漁場がつくられると考えられているからです。地元では『お林』さまとも呼ばれているそうです。
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鳥居をくぐりほこらを見た瞬間、マンガ日本昔ばなしの『山の神とオコゼ』を思い出し、この場所の神秘的な雰囲気に畏怖の念を感じました。これは間違いなく神様いらっしゃるなと…。
※オコゼと山の神様にまつわるエピソードは以前書きましたので下記をご参照下さいませ↓
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この魚つき保安林の山の神様に関しては、地元漁協者の信じられないような実話を下記ネットで発見しました。
要約すると…“破損したほこらを放置してた時、不漁により赤字が続いた。そんなある日、山の神様のほこらを直すべきとの声が上がり、地元有志の寄付で何とか新しく建て替えた。しかし赤字続きの漁協は組合員の給料がいよいよ払えなくなり、融資を募ろうとしたその日の朝、定置網にキハダマグロが入りその売り上げ金額で融資を募る必要がなくなった” との事!
※こちらにそのエピソードが書かれてます↓
日本各地の漁業地には昔から伝わる大漁祈願の神事、信仰など色々あると思いますが、それにしてもこれほど分かりやすい神様の御利益は聞いたことありません!何十年後には、この事が正にマンガ日本昔話のネタになるのではないでしょうか。
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真鶴貴船神社: 平安時代中期からの歴史を持ち、国指定重要無形文化財『日本三船祭り』として名高い『貴船まつり』が毎年行われ、平成17年には天皇皇后両陛下が海上パレードを御観覧された由緒ある神社です。
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先ほどの山の神様の神社はもともと魚つき保安林の中にあったそうですが、遠くて不便なため、明治初年にこちらの境内へやってきたとのこと。
ではお店に入りましょう。この日は牡蠣と刺身が食べたいと伝えてあるだけです。
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さて、こちらのお店メニューがなく(今回たまたま無いだけ??)、上記のような紙に手書きで刺身定食(確か2000円)、おまかせ定食(確か3000円)、そしてあと1つ何か書いてあるだけでした。私はご飯や味噌汁はいらないので定食ではなく、2000円でおまかせ刺身を下さいとお願いしました。
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注文後、この時点ではおそらく地魚の5品盛りが1つの大皿でドーンと出て来るのだろうと勝手に思ってましたが…
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写真じゃ分かりませんが、ドーンと運ばれて来たのはエラを動かす身を削いだ50センチ近い活きた真鯛と、下駄の上にその刺身2切れ乗った物でした!
『えー!』と思わずビックリして驚愕の声を上げてしまったところ、周りのお客さん全員が私に注目してますw店員のおばちゃんが『この後の品もお持ちしますのでお待ちください』と言っていたのを聞いて『なるほど!とりあえずこの舟盛りをベースに下駄に乗せた他の魚の刺身が後から来るスタイルの店か!』と、この時点では勝手に思ってましたが…
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配膳のおばちゃんが『お待たせしました』~と次に持ってきたのが…
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一体何なんだ!このお店は!わざわざ2切れの刺身を出すために、私みたいな一人客に身を削いだ活魚を添えるのか!?…と思いながらも、美味しく頂いております。この後は何が来るのかワクワクしてきました!
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それぞれ新鮮で旨い!しかし、あ~なんだ、やっぱり最初だけの活魚パフォーマンスかと、この時点では勝手に思ってましたが…
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これなんですよ!活魚をこんな風に提供されたら、魚介馬鹿は隠された美味を見つけ食うのです!これが醍醐味なんです!これが出来る店はなかなかありません!肝はそのままで食った後、ヒラメの身肉に乗せてザ・ヒラメのマリアージュも楽しみ、最後にエンガワをいつも以上に噛み締め、活魚の食感と味わいを楽しみました!実に旨い!
これでこの注文したおまかせ刺身の全てが終わりだなと、この時点では勝手に思ってましたが…
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この魚で本当に全てが提供されました!最後まで本当の意味で新鮮でうまかったのですが、あまりにも奇抜な流れで刺身が提供されたので、念のためお会計の時に店の人に聞いたら、いつもこのスタイルで魚介類を提供しているとの事でした。
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私は魚介馬鹿なのでとにかく魚が好きです(特に刺身)。今まで色々な飲食店で魚介類食ってきましたが、刺身6品をこんな風に出してくる店はありません!私一人なのに、まるで神様に献上するが如く、怒濤の活魚が次から次へと…これが真鶴半島、魚つき保安林と山の神様に守られ育った魚介類なんだなと。
もう凄いとしか言いようがありません。全て美味しく頂く事ができました。
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⬆️今回魚介類を頂いたのはこちらです。こんなスタイルのお店ですので人気があります。ゼッテー予約しないとダメです。丸入水産さんごちそうさまでした<(_ _)>
しかしながら、真鶴にはまだまだ私の知らない魚介類が頂ける素敵な場所があるはず。今後も何か新しい発見があればレポートさせて頂きます(*^_^*)