中国地方を一周する(前半)
4日間かけて,中国地方をぐるっと一周旅行します。前半は山陽地方を主に回ります。
前後編に分けています。
「旅行の計画を立てる」の記事にて,中国地方を一周する旅程を組んだ。やむを得ない事情により一度延期となったが,先日広島県よりついにスタートした。
Day 1
リスケをしたために旅程が大きく変わった。もともと岡山県の方から反時計回りに巡る予定だったが,日程上の理由で時計回りに進むことになった。1日目は平和記念公園に始まり,厳島神社,錦帯橋を経由して山口県にある周南コンビナートを目指す。
お好み村
1日目は朝から雨模様であった。天気予報では昼過ぎから雨が止むとあったので,雨宿りがてら,昼飯を食べることにした。
やはり広島といえばお好み焼きである。
路面電車の線路に沿って広島駅近くにある「お好み村」に行った。ここは複数のお好み焼き店が集まっており,そこかしこから美味そうな匂いが漂ってくる。
この日はちょうど地域の小中学生が修学旅行で来ていたため,空いているところは少なかった。しかし,数席分の空きはあるもので,数店舗巡った末,「てつ」という店に辿り着いた。
店内はとても居心地が良かった。カウンターの要領で設置された鉄板では,店主が目の前でお好み焼きを作ってくれる。具材を焼きながら世間話もした。暖かい空気感の中,サイダーとともにいただくお好み焼きは絶品であった。
宮島,厳島神社
天気予報の通り,午後になると雨が止んだ。なんなら所々晴れ間がさしていた。良い景色が撮れたら良いなと期待を膨らませた。
宮島と本土との往復にはフェリーを利用した。船酔いしやすい私でも平気なほど,瀬戸内海は穏やかだった。
宮島に上陸した後,15分ほどで厳島神社の正門に到着した。しかし,潮位が高く,門の側まで歩いていくことはできなかった。
それでも尚,赤い門が瀬戸内海に一際目立っている様子は美しかった。
参拝後はゆっくりと町を見て回った。宮島の鹿は随分と人慣れしており,外国人に撫でまわされてもじっとしていた。
錦帯橋
宮島から本土に戻った後,広島県から山口県に移動した。
山口県でまず目指した場所は錦帯橋である。錦帯橋のまわりは山林が広がっており,とても静かであった。川縁から橋を見上げた先には岩国城が見えた。
錦帯橋は遠くから見るとそこそこ緩いアーチに見えるが,橋を渡ろうと近くまで寄ると案外急であることが分かる。
橋から少し離れて錦帯橋を臨む。時刻は18時を過ぎたところであり,空には綺麗な夕暮れ模様が広がろうとしていた。橋とその奥の山林が川に映って,大変美しかった。
この時,錦帯橋にテレビの撮影クルーが来ていた。話を聞くに,どうも時代劇の撮影をしていたようである。どんな物語がこの橋で展開されるのだろうか。完成が楽しみだ。
…と,上記の内容をなんと1日で廻りきった。過密にも程がある。宿泊所は22:30過ぎに到着し,気絶も同然の爆睡をした。
Day 2
1日目と対照的に,2日目は全体を通してゆったりとした旅程であった。午前に秋吉台,秋芳洞を巡り,午後には津和野へと向かった。
秋吉台,秋芳洞
起床後すぐにこの場所を目指した。流石に朝イチで秋芳洞に来る客は少なく,半ば貸切状態。様々なスポットをじっくり見て,自然の雄大さを存分に感じとることができた。
秋芳洞は想像をはるかに上回る大きさであった。数十万年の時を経て形成された巨大な空間は,まさに壮観であった。洞内の見所である鍾乳石や石筍もまた,非常に長い歴史の上で成り立っていることを考えると,感動させられるものがあった。
年中20度を下回ると言われる秋芳洞内の空気は,冷房とはまた異なる涼しさであるように思えた。”押し付けがましくない涼しさ”とでも言おうか,表現は難しいが確かに違いがあった。読者も行って確かめられたい。
秋芳洞を抜けて300m程歩くと,秋吉台に着く。かつて学校の教科書で見た,草原に岩石がいくつも転がっている風景。岩石の近くまで寄ってみると,想像よりも大きく鋭い岩石であることが分かった。
2時間ほどかけて草原を散策した。日差しがやや強かったが,時折吹く風が心地よいおかげで暑さを感じることは無かった。
まだ秋ではないが,ススキがちらほら見られた。秋の秋吉台もまた,行ってみたいものである。
津和野温泉
秋吉台,秋芳洞ではかなりの距離を歩いた。足に若干の疲労が溜まっていたので,温泉に入ってサッパリしようという話になった。
津和野は,島根県に位置する小さな町である。森鴎外の生まれ育った場所であり,森鴎外記念館および旧邸宅が存在している。温泉に行く途中に旧邸宅を見に行った。想像よりも規模の小さい家だったので好感を持った。
ここまでが旅の前半である。繰り返しになるが,1日目が本当に大変だった。休息する時間を確保することも,旅行においては大事であることを理解した。
そして,時系列は前後するが,広島県に着いたら必ず寄っておこうと決めていた,平和記念公園。朝イチで訪れたため,少々雨が降っていたが,献花台前の炎は絶えることなく燃えていた。記念碑の間からは原爆ドームが見えた。
原爆ドームも,近くまで行って見てきた。実際に見るまでは気づかなかった,歪んだ石造の柱や焦げた煉瓦の色が記憶の中に鮮明に残っている。
再びこのような惨状が起きないことを祈るばかりである。
少しばかり堅い話であったから,後述した。後編は山陰地方と,再び広島県を巡る予定である。