くるり「感覚は道標」を聴く
先日発売されたくるりの新作アルバムを聴いた感想を,音楽に疎い人なりに書きます。
10月4日,くるりが新作「感覚は道標」を発売した。
早速,全13曲を聴いた。突然訪れた秋の涼しい空気がぴったりだった。秋の到来のタイミングを分かっていたのではないかと疑うほどに。
私はこのアルバムを心から楽しみにしていた。20年ぶりにオリジナルメンバーの3人で制作したからである。オリジナルメンバーとは,岸田さん,佐藤さん,森さんの3人のことを指す。
くるりは1998年にシングル「東京」でメジャーデビューした。私は2003年生まれだから,当時の熱量を知るわけがない。
3人で制作したアルバムは「さよならストレンジャー」,「図鑑」,「TEAM ROCK」の3作品(インディーズを含めると4作品)。この頃のアルバムはどこか独特な雰囲気があって好きだ。
くるりは,アルバム毎に異なるテーマを持たせてくる。ダンスミュージックに転じたり,かたやクラシック音楽の影響を前面に押し出してきたり。こうして長年挑戦し続けることは,本当にすごいと思う。すごいぞ,くるり。
そんな中での今作。初期の雰囲気を持たせながら,熟した感じがあった。アルバムアートも第1作を意識したのだろうか,並べてみると全員良い年の取り方をしているよなーと思う。
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感覚は道標(2023,右)
happy turn(#1),I'm really sleepy(#2)はまさに成熟した感があった。
バンドのジャム・セッションをもとに構築したという楽曲たちは,本当に3人で描いたものなんだと思わされた。森さんのドラム,好きだな。
逆に,no cherry no deal(#11)は若さを取り戻したような一面もあった。「トレインロックフェスティバル」みたいな,勢いのある曲。しかし,これも3人の曲だなと思う。
先行シングルとなっていたCalifornia coconuts(#4),In Your Life(#12)は脳内にふと思い浮かぶほどリピートした。
擦り切れるほど聴くという表現があるが,現代は擦り切れる“モノ”が主流じゃなくなったからしっくりこない。どう表せばいいんですかね?
馬鹿な脳(#8),世界はこのまま変わらない(#9)辺りは近年のくるり色が強いなと思ったり。それもまた良いなとなったり。いろいろなものを取り入れながら,進化し続けるところにくるりの魅力が詰まっている気がする。
アルバムは初回限定盤ではないが予約して買った。届くのが楽しみだ。
そして,ライブにも行きたいと考えている。狙うは12/23のZeppDiverCity(東京)公演である。最近チケット運悪いし,そろそろ当たってほしいところである。
それにしてもタイトルが「ハードに決まる!つやなし無造作ハッピージェル」ってなんやねん…。