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病気とつきあう(11) 病気を機に出現した体調変化 その2

2019年暮れの寒い夜、脳出血に見舞われた。約半年入院、退院して3年以上経つ。そこから始まった心身の変化がいまの生活や行動に大きな影響を及ぼしている。3年ひと区切りで、病を得て何を感じ何を思ったか、何が変わったか、セルフドキュメントとして、少しずつ書いていくことにした。闘病記ではないが、同病の方や介護や医療に携わる方の参考に少しでもなればうれしい。
脳出血によって出てきた症状や体調の変化の紹介だ。脳出血そのものによる症状もあれば、病気療養をきっかけとした老化現象の加速による不具合もある。今回は前回(10)書かなかったさまざまな不調について。脳神経の病気にはこんな厄介もありだと知っていただければと思う。もちろんこれは私の場合であって、自分自身初体験なので一般化できない。いいことはなく残念なことばかりだ。今回も愚痴が多いのでご容赦を。


眼のかすみが悪化


検査で評価したわけではないがもともとあった眼のかすみが脳出血後はひどくなり、視力低下が進んだ気がした。これは脳出血よりも老化が主たる原因だろう。10年前までは眼鏡を変えることで一定の改善はあったが今回は眼鏡を変えても無駄だった。感覚障害のせいか目薬をさしても左眼は何も感じない。TVCMでも宣伝されてる「え◯き◯」というサプリメントをダメ元で1年以上続けているが期待したほどの効果はない。

長く続く味覚の異常


入院中の食事は(5)にも書いたが不味かった。脳出血の影響で味覚自体も鈍っていて退院後に旨いものを食べたら回復するだろうと期待を抱いていたがそんなことはなかった。特に退院後1年ほどは何を食べても不味かった。塩味や苦味が変に強調されるのだ。すこしずつ改善はしているが、心からおいしい、と思えるものがいまだない状態だ。ちょうど1年前に新型コロナに罹り、一時的に味覚・嗅覚ともゼロの状態になった。幸いにしてコロナは重症化せず回復し、コロナ前のレベルに戻ったが。

耳の聴こえも落ちる


視覚・味覚の次は聴覚だ。脳出血発症後数か月、左耳の不調があり音楽の聴こえ方が変だった。音がこもって遠くから聴こえる感じだ。主治医に聞いたが脳出血との関連はわからないといわれた。それだけなら実害はなかったが退院後症状が悪化した。テレビの音が大きいと家族から何度も言われた。話しかけられ音としては聞こえても内容が聞き取れず聞き直すことが多くなった。これも眼のかすみと同様、老化が主原因で脳出血は症状の出現や悪化を早めた要因だと思った。近いうちに補聴器の世話になりそうだ。

Brain fogと頭の奥の異物感


頭がスッキリせず霧がかかったような状態のことをBrain fogというらしい。新型コロナ感染症の症状のひとつとしてよく耳にする。そのBrain fogの時間帯が増えた。たっぷり眠れてるのに寝足りなくてまだぼんやりしている感じだろうか、明晰な時間が減り集中力が落ちた。忘れっぽくもなった。
また頭痛ではないが、頭の中、眼の奥に何かがあって占拠されてる感覚がときどきある。眼玉の中に指を突っ込んでぐりぐりとほじくり返して取り除きたい衝動にかられることがある。

涙もろくなる


困った症状というわけではないが、なぜか涙もろくなった。ネットで拾ったちょっといい話やテレビドラマをみてすぐ泣いてしまうのだ。病気前は心が揺さぶられることはあっても涙が出ることは滅多になかった。体調不良で弱気になり、感情の振れ幅が大きくなってしまったようだ。でも喜びや怒りの感じ方はかわってない気がする。年のせいで涙腺が緩くなっただけなのか。

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