私の好きなカバーソング(67)「Fleurette Africaine(African Flower、アフリカの花)」デューク・エリントン、ミシェル・ペトルチアーニ、ノラ・ジョーンズ
この曲はフランス出身のジャズピアニスト、ミシェルペトルチアーニの演奏で知りました。デュークエリントンの曲を集めたピアノソロアルバム「Promenade with Duke」(1993)です。
ペトルチアーニはあの小さな体のどこにパワーがあるのか不思議になるほどピアノの前に座ると力強くなります。先天性骨形成不全症で短躯、骨折を繰り返し伝記映画では演奏中に指を骨折したことも何度もあったようですが身体的ハンディキャップを感じさせない力強く美しい演奏です。このアルバムには「One Night in The Hotel」というペトルチアーニ作の同じテイストの曲もあります。
なおエリントン生誕100年の1999年ペトルチアーニは36歳で早逝しました。
オリジナルは米国のジャズピアニスト・作曲家・バンドリーダーの巨星デュークエリントン(1899-1974、スティービーワンダーの「Sir Duke」のデューク)のアルバム「マネー・ジャングル」(1963)収録です。曲の頭から巨匠チャーリー・ミンガスのベースが炸裂します。曲タイトル「Fleurette Africaine」はフランス語です。アルバム制作の頃はアフリカの国々の独立運動が盛んで多くの血が流されたようです。宗主国フランスからの独立が多く、あえて仏語タイトルにしたという説があります。
ノラジョーンズは2016年のアルバム「Day Breaks」でカバー。
ノラはピアノを弾きボーカルに歌詞はなくボイス(鼻歌?、ハミング?)に終始、それに絡みつき絶妙に寄り添うソプラノサックスはウェインショーター(1933-2023)です。陳腐な表現しかできませんが名人芸の極致です。