私の好きなカバーソング(100)「Stardust」ライオネル・ハンプトン、サマラ・ジョイ、ジョシュア・レッドマン、ルイ・アームストロング
このカバーソングの記事も100回を数えたので、今回はスタンダード中のスタンダード、大定番曲で、自分がジャズにのめり込むきっかけになった作品の紹介です。1927年に米国の作曲家であり歌手・バンドリーダーであるホーギー・カーマイケルさんが作曲してます。
学生の頃、音楽好きの先輩の家に遊びに行ったとき「古いジャズだけど、まずは聴いてみ」と言われ、アナログLPレコードのこの曲を聴きました。ジャズビブラフォン奏者のライオネル・ハンプトンさん(1908-2002)率いるオールスターズの1947年のライブ録音です。
短いイントロのあと、アルトサックスのウィリー・スミスのための効いたソロ、それに続く各メンバーのユーモアを混えたソロのリレー、ラストは「早く俺にも弾かせろ!」とばかりに食い気味に始まる血気逸るバンドリーダー、ライオネル・ハンプトンの入魂のバイブソロ。歓喜する聴衆の反応も素敵で15分があっという間に過ぎたのでした。
77年前の録音とは思えない臨場感で、エンターテインメントとしてのジャズの面白さ・愉しさを教えてもらい、一気にジャズが好きになりました。
古い名演の次は若いサマラ・ジョイ(1999-)さんです。2021年デビューの米国の新進気鋭の実力派ジャズ歌手で、”天が授けたベルベット・ボイスで圧倒的な表現力を持つ”と評されてます。
1929年にこの曲に歌詞がつけられ、以後幾多の歌手によって歌い継がれてます。歌詞は去ってしまった恋人を星空の下で想い感傷に耽るお話で、自分の心の中ではあの星くずのメロディーが繰り返される、僕たちが愛し合った記憶が繰り返されている、というものです(過去に何度も星空の下でラブシーンを繰り広げたのでしょう)。
米国のジャズ・サックス奏者ジョシュアレッドマンさん(1969-)のアルバム「Walking Shadows」(2013)からです。レッドマンさんがスタンダード曲を演奏するときはいつもイントロのソロがかっこよすぎです。さすがは現在最高峰の王道テナー奏者です。
サラヴォーンから美空ひばり、平井堅さんまで多くのシンガーによるカバーがありますが、最後はいつも元気をくれるルイアームストロングさんの1931年の作品です。