私の好きなカバーソング(84)「Once Upon A Summertime」ケニー・ドリュー、ミシェル・ルグラン、アストラッド・ジルベルト、モニカ・ゼタールンド&ビル・エバンス、マイルス・デイビス
夏にちなんだ曲、もうひとついきます。偉大なフランス人ピアニスト・作曲家のミシェル・ルグランさん(1932-2019)の名曲です。私はルグランさんの作る季節を感じさせ美しい中にも翳りのあるメロディーがお気に入りで、以前にも(38)「You Must Believe in Spring」を紹介しました。映画「おもいでの夏」の有名な主題歌「 The Summer Knows」もルグランさんの作品ですね。
「Once Upon A Summertime」は1954年に書かれたシャンソンで、仏語の原題は「リラの花」だそうです。ある女性が昔日の彼氏との夏の日の想い出を未練たっぷりに追憶する内容です。私の居る北海道ではリラは5月に咲きます。フランスとずれがあるのでしょうか。
この曲を知ったのはケニードリューさんのピアノトリオです。1987年に日本で発売された「ドリーム」というアルバムでした。曲調がケニードリューさんのお洒落で流麗だけど骨のあるトリオ演奏に見事にハマっています。
ルグランさん本人がピアノを弾くバージョンもあります。
1965年のアストラッド・ジルベルトさん版です。この方の歌を聴いてると少し体感気温が下がる気がします。
ビル・エバンスさんのピアノトリオにスウェーデンの歌手・女優であるモニカ・ゼタールンドさんのボーカルが加わった1964年の作品です。もちろんピアノが絶品ですが、モニカさんの声がかわいいですね。
ラストは帝王マイルスさんです。前回(83)「Summer night」でも紹介した1963年リリースの「Quiet Nights」で取り上げてます。