私の好きなカバーソング(119)「Melancholia」デューク・エリントン、ウイントン・マルサリス、大西順子、ノラ・ジョーンズ
この曲を知ったのはウイントン・マルサリスさん、大西順子さんのそれぞれのアルバムです。オリジナルは曲の作者であるデュークエリントンさんの1954年の録音です。どの作品も儚げで、ちょっと哀しく美しいテーマが淡々とゆったり演奏されます。
メランコリアとは、”気分が重苦しくふさぐこと、憂うつ”の意味で、「うつ病」そのものを指すこともあります。曲を聴いて感じるのは暗さや重苦しさより、悲しさの中に見えてくる一条の仄かな光です。
米国のトランペット奏者・作曲家、ウイントンマルサリス(1961-)の1984年のアルバム「Hot House Flowers」からです。
ジャズピアニスト大西順子(1967-)のトリオアルバム「Cruisin' 」(1994)からです。ガンガン弾きまくる大西さんもすごいけど、こういうしっとり系もいいですね。
こちらがオリジナル、1954年リリースのデューク・エリントン(1899-1974)です。上品で美しく、静謐な悲しさが漂ってくるようです。
こちらはお薦めです。ノラ・ジョーンズさんのエリントンのカバーとしては「アフリカの花」という曲があって、以前に記事にしてます。ノラさんはこの「Melancholia」も気に入っていたようで、2004年の2ndアルバム「Feels like home」にエリントンさんの遺族の承諾を得て自身で詞を書き「Don't Miss You At All」というタイトルでピアノ弾き語りをしてます。
”恋人が去ってしまって寂しいけど、あなたなんか思い出さないわ”と意地を張るメランコリー気分の女性の歌です。エリントン大先生の名曲をこんな風に歌えるのはきっとノラジョーンズだけでしょう(「アフリカの花」はハミングでしたが)。