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私の好きなカバーソング(110)「Little Girl Blue」ジョン・ルイス、ニーナ・シモン、ジャニス・ジョプリン、キース・ジャレット、ナンシー・ウィルソン

この曲はMJQ(モダンジャズカルテット)のピアニスト、ジョン・ルイスさん(1920-2001)の1959年のソロアルバムで知りました。ジョン・ルイスは以前バッハの曲のカバーで紹介したことがあります。余白が多い演奏が上品で雅び、侘び寂びも感じさせ、私の大スキなピアニストのひとりです。
この曲は1935年のミュージカルの挿入歌で、作曲リチャード・ロジャース、作詞ロレンツ・ハートという多くの名曲を生み出した黄金コンビの作品です。

ニーナ・シモンさん(1933-2003)は米国のシンガー・ピアニストですが公民権活動家で市民運動家でもあったようです。1959年のアルバムで取り上げました。独特の声と歌い方、ピアノは一度耳にしたら忘れません。中毒性あります。
歌詞は中年の女性が、希望を失い落ち込んでる様子で雨の中小さな指を折りなにか数えている少女に語りかけるようでいて、女性が話しているのは過去の自分のようです。
 ”このlittle girl blueを慰め励ます やさしいblue boyを誰か連れてきておくれ”
と最後の方で願望が顔を出します。

ジャニス・ジョプリンさん(1943-70)、リアルタイムでは聴いてなくてWikipediaによると”1960年代後半のアメリカにおけるカウンターカルチャー時代を象徴する破滅型の女性ロック・シンガー”です。
1969年のアルバム「コズミック・ブルースを歌う」で取り上げました。声の迫力がすごいです。ジャニスさんはこの翌年ヘロインの過剰摂取で亡くなってます。
ところで日本の2人組ロックユニット、グリムスパンキーのボーカル松尾レミさんはジャニスジョプリンを彷彿させますね。歌声もビジュアルもファンです。つい最近新盤が出ましたが、とてもイイです。

キース・ジャレットのスタンダーズトリオは1990年のアルバム「Tribute」で取り上げました。ブルーな女の子を慰め寄り添うようなとても優しい演奏です。キースはこの曲をジャズ歌手のナンシー・ウィルソンさんにトリビュートしました。

その米国のジャズ歌手ナンシー・ウィルソンさん(1937-2018)版です。ナンシーさん、声が豊かだけど可愛らしくてイイですね。キースはナンシーさんの歌うこの曲を愛聴したのでしょう。


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