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【レイジングループ】レビュー&感想

ゲームレビュー

いわゆる人狼ゲームである「汝は人狼なりや」を題材にしたテキストアドベンチャー。人狼ゲームを小さな村のさらに隔離された集落で執り行われる「黄泉忌みの宴」という文化で表現していく。主人公は死に戻りを繰り返しながら、黄泉忌みの宴を通じて集落の孕む謎を明らかにしていく…という内容だ。

筆者がこのゲームを知ったきっかけは、同じく人狼をモチーフとしたゲーム:グノーシアと同時によく名前が挙がっていたことが理由だった。

ボリュームは多く(20-30時間くらい?)、クリア後のおまけも充実しており、オマケのシナリオが複数あるほか クリア後も追加で1周遊べる内容となっている。
会話部分はフルボイスだが演技はやや人を選ぶかもしれない(個別に音声をオフにできるため対応可能)。
選択肢により物語が分岐するタイプのアドベンチャーゲームではあるが、基本的に誤った選択肢を選べばバッド直行で、複雑なフラグはない。負けて情報を得ることで新たな選択肢に至れるようになっており、誘導が露骨でノベルゲームとしての自由度は低い。

テキストは人を選ぶノリもあり、個人的にはややキツかった。それでも物語全体の誘引力が強かったため、当初1日1時間ペースで読んでいくつもりが面白すぎるあまり一気に遊んでしまった。一度宴がはじまったが最後、次へと読み進む手が止まらないのだ。作中人物は切れ者が多く、登場人物の頭の悪さにイライラするようなことはあまりないのも好きな点。

オススメの作品だが、がっかりさせないために明言しておきたいのは「人狼ゲーム要素は期待するな」ということ。
人狼ゲームをコントロールすることがほぼできず、定石の行動が理不尽に不正解にされていたりする。また、ゲームの回数は片手で数える程度なので「あの人物があの役職だったら…」を見たかった!という惜しさを味わう部分もある。実際に役職に恵まれないがゆえに描写が不足している人物もいる。
ゲームを成立させるために罰則による死があるのだが、登場人物がルールを軽んじているため、盤外でバタバタ死んでいく。また追い詰められた狼が道連れで全員殺すことも可能だ。時に滅茶苦茶なデスゲームの様相を呈しており、「人狼ゲームを実際にやろうとするとこうなる」という思考実験的な作品かもしれない。

あくまで人狼をモチーフとしたミステリ、サスペンス作品として楽しむのがいいと思う。

※※※以下ネタバレを含む感想※※※

以下の記事は「既にこのゲームをクリアした人が楽しく読むためのもの」なのでまだプレイしていない方は遊んでから読んでほしい。





↑感想としてはこの方のnoteが読み応えあったので書く必要ないんじゃないか…と思ったが 長い感想文なんてどれだけあっても良いので書きました

【このゲームの良さなど】

ループや並行世界をテーマにした作品への指摘として、「同一性が保証されないので醒めてしまう」というものがある。別選択肢で選んだことやそれによる影響は本筋に寄与しない、ループしている主人公にとっては意味のある事だとしても、捨てルートに存在する他キャラクターの変化に意味のなさを感じてしまうようなものだ。そして結構この意見には共感できる。

レイジングループは大別して3つの並行世界から構成され、殺し合いを行う物語の特性上、特定のルートでのみ登場人物間のわだかまりが解消されたり、意外なメンバーに交流が起きたりする。
しかし物語は「事件が起きず、死人がいない」エンディングを目指すため、「外れルートでは和解できるが、本筋では互いの思いを知る事はない」状態が出来てしまう。

本作ではこの問題に対するケアとして、神を自称する主人公が登場人物一人一人にメッセージを与えるという手法で解決を図っている。並行世界のすべての情報や可能性を伝えることは出来ないし、ループを経験していない人々には並行世界での出来事の記憶はないが、きっと彼らの将来はループの中で起きた変化を踏まえた良いものになるのだろうと予感させてくれるいい手法だと感じた。
(後述する通り)決して善人ではない、冷血な主人公が、その冷静な目線で命のやり取りを通じて住人みんなを細かく分析し、それぞれにメッセージを与えるというシークエンスが、本当にいいのだ。

閉塞集落を舞台としているため人間関係は予定調和に収まってしまうのが少々残念なところなのだが、「ある世界線の特殊なルートでのみ共通点が芽生えるが本ルートでは会話すらほぼ行っていない」馬宮記者と織部兄の意外な交流が際立って良かった。


このゲームにはクリア後に「暴露モード」という追加のテキストが用意されている。一人称視点で進む本編において、主人公の視界に入っていなかった出来事や、水面下で他の登場人物が考えていたことなどが挿入されるものだ。

ぶっちゃけも面白い

実はケムコのノベルゲームシリーズお馴染みの機能らしいのだが、これが特に「人狼ゲーム」「ミステリ」という本作の特性と噛み合っており読み応えがある。

こういうノリのテキストは好き嫌いが分かれる…というか他のゲームでやられたら筆者も嫌いな方なのだが ここまでこのゲームに付き合っているのでもう楽しくなってしまった。


昨年中旬ごろに購入し、いつかやろうと思っていたゲームだが、手を付けてみたらあまりに先が気になり想定以上の速度で読み進めた。
読み味は筆者が大好きなゲーム「かまいたちの夜」に近い部分もある。特に2の底蟲村篇が似ているのだが、黄泉や暗黒のエンディングはかなり懐かしい味がした。

ただ基本的に3本の大筋がある他は、不正解の選択肢は即バッドルートで話が膨らまないため、一本道な印象は拭えない(おかげで読みやすかった面もあるのだが)。
あと人狼モチーフを上手く閉鎖集落の因習に落とし込んでいるが、やはり人狼的な見せ場が欲しかった。具体的に言うと知るはずのない死体の損壊に言及したり、持っててはならないものを持っている等ミステリ的なミスによる正体バレはある(これにより「超常的な力ではなく人が管理している」証左と推理ができる面はある)。
一方で、そもそも騙りが少なく、破綻などを利用した推理や見せ場は少なく、その点はせっかく人狼をモチーフにしたのにという物足りなさを感じた。


2周目を終えて 声優からのメッセージまである事に気付いた 普段こういうものを聴くことはないのだが聴いてしまった。
参加した人全員分メッセージが収録されているのでは…という勢いで 役に入れ込んでゲームクリアを祝ってくれる人から本職声優じゃない人まで色々なパターンがあって面白い。室さんと能里さんの声優が「をち戻り、ドン」しててとてもよかった。

【この主人公はヤバい】

本作の主人公 房石陽明についてだ。プレイをしていてまず目を引くのは彼の頭の良さ、冷静さだろう。知的好奇心を満たすことへの欲が強く「死に戻りの能力を手に入れた、よし!いろいろ試してこの藤良に眠る謎を全部解き明かすぞ!」という態度はプレイヤーの視点では有難い主人公なのだが、よくよく考えるとこの時点で異常だ。

そしてプレイヤーはだんだんとこいつが「神経と倫理観が麻痺した知識欲モンスター」である事に気づいていく。

機知の終盤で、狼二人が判明したが処刑は1日1匹なのでどうしよう?という議論になる。そこで房石が「死なない程度に手足を捥ごう」「1日後に死に至る毒を処方できないか」等と口走り、休水の住人からドン引きされる…という流れがある。
筆者はプレイ中「ゲームには勝利したが 主人公が人の心を失ってしまったため村から拒絶されバッドエンドになるのかな…」と思っていたが特にそんなことはなく、ドン引きしたものの住人たちは最終的に房石を受け入れており、つまりは彼の異常性を改めて描くパートでしかなかったのだ。

黄泉を経て千枝実を「救わねばならないヒロイン」と認識したのに、他の周回で平然と他の女に踏み込む姿に抵抗があったが、物語の月末に至ればなんてことない、「房石陽明はそういうことをやる男だ」という説得力がある。

嘘を吐く前に「ええと」と言う癖があるの説明の中で自己紹介シーンが出た時には「実は大学院生ではなくミステリ専門家なのか…?」などと思ったが、本名を偽っており、それがラスボスへの決定打となったシーンは、ドン引きする女性陣の様子も含めて爆笑シーンであり、明確に「このゲームには負けた」「この主人公は最高だ」と感じた瞬間だった。

彼でなければこの役は務まらなかったし、彼であるからやれるという美辻の考えに間違えはなかった。演技の単調さはやや気になっていたが、サイコな性格と合わせるとやけにしっくりくる
何度も死に戻りを繰り返し、不可解な謎と向き合い、最後にはこの国の終わりを目の当たりにしてなお挫けず先へ進む姿勢は異質だが、挫折がなくともカタルシスを描くことが出来るのだと感動させられる。
そんな 善人ではない彼が休水の住人を思いやり「信じてください」と告げるラストシーンが本当にいいのだ。

暴露モードが顕著だが、美辻と「赤の他人プレイ」を楽しむところや、本当に馬宮記者のファンであることが発覚する等ちょっとした茶目っ気が見えるのもすごい。

ところで 暴露モードでは「(今思えばこの時点で…)」といったような房石の回想が挿入される場合もある。物語が解決した後に死に戻りして冷静に分析しているとしか思えないテキストが随所に見られ、まあこの主人公ならやるかもな…という納得感もあり… やっぱこいつおかしいよ。

(と思ったら事件を何度も回想していただけだった)

【ストーリーの流れにそった雑感】

言いたいことや読んでた時に感じていた生の感想だけさっぱりと。

【~黄泉】
普通に話す分には利発に見えた千枝実が、宴では人が変わったように、あらゆる意見に反発する存在に成り下がり驚く。彼女が房石の助言を得てまともに議論ができるように成長していく話なのか?と当初考えていたが、全然そんな話じゃなかった。


【機知】
主人公がついに宴に参戦!うおおお頭が良い主人公は最高!!!とはじめこそテンションが上がったものの、コントロールできない選択肢やバッド回避のために人狼ゲームのセオリーに反しなくてはならないという進行にストレスを感じる。

ここで嘘を吐いたら後でどう信用回復するんだ?この人に投票することでどう変わるんだ?というモヤモヤを抱えながらも 露骨なヒントに従って話を進めなければならない。人狼鑑賞ゲームという評がしっくりくる。一方で黄泉と比べてよく喋る泰くんや寛造さん等1周目との流れの違いを見るのは面白かった。

確白泰長ほど頼れる存在はない

極めつけは追い詰められた狼のやけっぱち大暴れによる全滅で「何でそんなもののケアをしなくてはならないのか」とかなり萎えた。


機知の話から少々逸れるが、侵入を起点に三車関係の話が広がると期待していたが、そちらにはあまり切り込まれなかったのが残念。

流れとしては偶然、ストーリーとしては必然的に死ぬ人が選ばれていくわけだが 2周目の暴露モードをやっていて「回末に唆された能里がああなるため」男ばかり生き残らせていたことに気付いた時にはよくできたゲームだな…と感心した。


【暗黒】
羊の前振りから狼をやるのだろうな…と思っていたが案の定。だが一緒に狼陣営になる二人が爆弾持ちなので不安が5割と「こいつ全ての女に手を出す気なんじゃ…」という不安5割。つまり不安しかなかった。

懸念していたよりかおりさん&春ちゃんは制御しやすかったが、暗黒の見どころはこれまで死に戻りで得た情報を活用し狼としての責務をこなす房石の前に立ち塞がる、まさかの人狼巧者だった橋本氏だろう。
悪に振り切った房石の最悪さはまさに最悪で、特に寛造に泰長の悪評を吹き込み若者と老人を分断させる手腕など見応えがある。

機知と違いこちらは「定石から外れると当然負ける」分岐が多く 理不尽度が減って読みやすかった。

かみさまを身に宿す春の存在により、休水の信仰が少し明らかになるが、期待していたほど情報が開かれない…と思ったところにラストの急展開!暗黒でゲームを中断するつもりがここからノンストップで読んでしまった。


大詰めということもあり暴露モードのはっちゃけ具合も面白かった。むじなと土蜘蛛の喧嘩とか…。主人公が自分にとっての脅威となる人間を積極的に排除しているので当然だが、もはや目的が大願成就になっている春と李花子、生死にも勝敗にもこだわっていない醸田、むじなムーブ丸出しの意思疎通めー子に囲まれて頑張っている馬宮女史が可哀想すぎるな…と思った。


【神話】
感想としては散々述べたとおりになるが、死に戻りを繰り返し情報を集め、なるべく全員を救おうと考え宴を止めさせるよう動き、黒幕と三車に対処する。そして宴の中で見えた問題の解消のために動く主人公は、噓つきで最低なのに善良で凄い。

コンビニ店員が元カノの美辻=ひつじだった、そもそも名前も肩書も噓だったなど 房石陽明が信用できない語り手として今更本領を発揮してくる。
ここまで主人公のあれこれに反感を覚えていたが、偽名発覚のシーンで「こいつは本物のカスだからこれまでの言動がカスだったのも当然だったのか…」を教え込まされて、ゲームに負けたと思った。

構成上、休水の住民がどうなったのかにあまり視点が向かなかったのは残念だが、オマケのボリュームも合わせて非常にいいゲーム体験だった。

でもこのシーンは机の上に突如小人が登場!すぎる

【各キャラクターへの雑感】

なるべくコンパクトにしたかったため、言いたいことはあるが抑えた部分も多い。

【芹沢千枝実】
好きになれなかったというか、黄泉のエンディングが絶頂でそこから評価を落とし続けたヒロイン。暴露モードで更に印象が悪くなっている。
あまり好きになれない点としては
①人狼ゲームで協力する立場になれない
②シリアルキラーというせっかくの尖った属性がラスボス系ヒロインの存在によって中途半端な属性になっている
上記2点が原因で、①は意図的に彼女を人狼パートのヒロインから外しているのか 単に尺が足りなかったのかは分からないが、後者ならしっかりとヒト陣営同士で手探りで信頼を繋げあうパートが欲しかった(まあ構成的に意図的にやってるのだとは思う)。

機知での振る舞いは、意味のない主張を繰り返し宴の足を引っ張り続ける、ヒトであれば票を揃えるべき場面で反抗するなど狼なのがバレバレだったが、「彼女は宴が苦手なのだろう、仕方ない」と思っていた。まさか誰よりも宴を経験しているのにあの体たらくだったとは。

機知で投げやりになるのは、彼女の境遇を思えば仕方ないし、恋心のせいで方針が揺れるのは可愛げなのかもしれないが、個人的には「真面目にやれ」という怒りの方が大きい。利発な女性なのに宴ではそれが発揮されず(というかさるは名乗り出るべきとかも言われるまで分かってない)精神が常に参ってる印象ばかり残る。
見返すと馬宮に投票したが再投票で彼女が吊られるかもと焦って違う人に投票する動きとか、モッチーから「やる気がないな」と察されているところが最悪だった。

機知は馬宮が可哀想とよく言われるが モッチーにも失礼だろと思う

別に人狼で同じ陣営になれなくても 役職騙ってヒト陣営だと信じ込ませて「ざんね~んオオカミでしたぁ!」でも良かっただろ。捨てゲーして「名探偵のボーヤ!」で大暴れは本当に最悪だった。


【回末李花子】
千枝実とは対照的に、黄泉からどんどん魅力が高まっていったラスボス系ヒロイン。ラスボスとしてのインパクトも、土蜘蛛がそれほどの執念と野望を抱えるに至った長年の恨みも申し分ない。
暴露モードで明らかになる内面が意外と裏表ないのが良かった。ヒントコーナーでの暴露っぷりも良し、土蜘蛛の力を失った後の抜け殻のような姿も良し。まあ負けヒロイン故の潔さもある。

エクストラのグッとくるセリフ

狼陣営で共謀するのもいいが、人狼ゲームのドラマは白同士の信用のコミュニケーションにあるのではないか。李花子も宴で派手に立ち回る方ではないが、機知でささやかな情報から互いの意思を通していくのは非常に気持ちのいいものだった。

クリア後のフォローが徹底しているため一番得をしているヒロインだと感じた。

スチルのスクショを採用するのはなるべく控えようと思っていたのだが、土蜘蛛李花子だけは本当に可愛かったのでポリシーに反して載せる。もし隠しエンドを見てないプレイヤーがいるなら見てほしい。


【巻島春】
春自体はあまり好きではないし、黄泉で裏切られた時は「あの時見殺しにしておけば…」とは思ったが、「悪く生きろ」という暗黒全体での彼女へのメッセージは好き。かみさまがかなり好み。神話ラスト 房石がみんなに信仰を与えるシーンにおいてはかの神への信仰を取り戻させるパートが最も印象深かった。

隠しエンドの勢いが好きだが
スクショ見返してて序盤のギャグが伏線(?)だったことに気付けた

【巻島寛造】
他の人の感想を読んでて、この人の声が気になるというものがあったが筆者はトップクラスに声と喋り方が好き。からすの加護があると露骨に大人しくなるところが、見返すとかなり露骨で面白い。


【山脇多恵】
あまり印象がない。現実の人狼ゲームでこういうプレイヤーがいたらめちゃくちゃ怒られそう(あたしは泰くんの考えに従おうかねえ)。


【織部かおり】
休水のバーサーカー。息子が死んだら暴走する爆弾。(外から嫁いだ人間ということも関わるのか?)信仰よりも家族の絆に重きを置いているのが特異な人物。ヒトなのにトリカブトを料理に混ぜてヒト陣営を殺そうとしたり、オオカミなのにオオカミを殺したりやりたい放題してる一方、決死のダイイングメッセージを残したり等その生き様は強烈。
彼女に罪はないが、母は強しという言葉に陳腐さを感じてしまうので その体現者という立ち位置はどうも好きになれなかった。


【織部泰長】
非常に頭がいいので好きなキャラクターで、機知では彼が確白でテンション上がった。頭がいいだけではダメだと寛造は諭すが それにしても頭が良すぎる
暴露モードにて、暗黒はルール違反でヒトがバンバン死んでいくため オオカミにとっては楽なゲーム進行なのだが、一方で泰長の希望は全く叶えられてない事を描写されたのが印象的だった。


【織部義次】
①自分の母親をババアと呼び、貶す言葉でしか労われない子供を「根はいい子」と評したくない

②武器と気迫とともにからすとして名乗り出た時は好き

③「仮におおかみなら宣言して全員殺す」を筆頭に人狼ゲームとの相性の悪さがすごい

④カップリング至上主義の作品であぶれており、制作側の優先度の低さを感じずにはいられない

書く側は相当気を遣っていることが窺えるが、息子二人とも平等に愛しているという織部家の繋がりに反して 兄と比べて冷遇されている印象が拭えなかった。


【醸田近望】
好きな要素もあるのだが、期待していた方向性に転ばなかったキャラクター。


【室匠】
ヒト陣営ばかりというかへびばかりやってたのでオオカミでの動きが見たかった。バッド確定ルートだが主人公と「「俺がへびだ!」」で名乗りが重なるシーンはトップクラスに好き。
年配組と若手組の間でのバランス取りが求められている人物で、地味に宴の重要人物という印象。


【能里清之介】
こいつを嫌いなプレイヤーはいないでしょ枠。

こいつラキオか?

こいつを嫌いなプレイヤーいないでしょ、というか「第一印象は嫌味な男だけど最後まで物語を読むといい奴じゃん!」になる系のキャラクター と見せかけて別に最初からそんなに嫌な奴じゃないというか…。休水の住人からは嫌われてるんだろうが、主人公からすると余所者を邪険に扱う他の人たちもそんな変わらないから最初から特別こいつが嫌味で嫌な奴という印象は受けない(他も酷いから…)。

ルールの掌握とまではいかないが、初日に自らを調べろと名乗り出る、房石がへびであることに初手から気付くなど実はかなり頭が回るところが好き。
医学の専門知識に留まらず博学なところも好き(貉の判例の話など)。
能里の地下資料を漁るパートはミステリの解決パートとして非常に面白いし(何なら正解の半分はここにあるのだ)、服毒を薦めるラストシーンもいい。

泰長の次に頭が回る奴であるため ボンクラ扱いに納得がいかない。仮にも医者をそんな…能里家の落ちこぼれという意味合いは分かるが、休水の住民が陰口を叩いてるのを見ると そんな悪口言ってる場合じゃねーだろ…になる。

能里の思いが恋慕か敬意か掴めていないが、どうも恋愛感情があるらしいと知ってからは李花子と結ばれて欲しいと感じていた。本性を現した李花子を前に筆者は「これはダメそうだな…」と感じたが能里は諦めておらず本当いい奴だな…と思った。仏舎利ロックって何???


【狼じじい】
とぼけた演技がツボ。そりゃ人狼でこれがいれば毎回吊られるし寛造からインターセプトされまくってるのも好き。
上藤良からのスパイだというのは薄々感じており、「彼」に会いに行くの先もこの人だと確信していたが、上藤良の大量殺人の主犯とは恐れ入った。…今の生活はそんなにいいものだろうか?


【めー子】
狼じじいと合わせて意思疎通できないカードが2枚あるのはキツかったし、その上で面白さに貢献できていなかった。もっと李花子がめー子を悪用していたりすれば面白かったかもしれない。


【馬宮久子】

機知に突入し、その湧き出る泉のような民族学知識を聞いた時から好きだった。いや告白しよう、そもそも容姿がめちゃくちゃ好みだ
千枝実の事を嫌いなのは彼女を好きだからという理由も大きい。

理知的で度胸がある、常識を持つイカれていない女性。橋本さんの死に際してまず証拠を捉えにいく胆力、むじなのめー子に向かって先に「おおかみ」と偽る姿(これは橋本さんの入れ知恵だが)、各々の部屋の見分…からの証拠発見など あらゆる動きに「最高の女だ…」と感じ入っていた。

橋本さんの代わりに私が生き残る価値なんて…いや、価値は自分で作ってみせる!という胆力がいい。

馬宮久子最高!

神話にて、上藤良からの追っ手を阻む千枝実(シリアルキラー)と橋本さん(格闘のいける巨漢)に対してまあ一般女性である彼女は叫ぶしかできないよな…と思いきや追加でバッグを振り回し戦うスチルが出た。言うまでもなく馬宮久子最高である。このスチルは好きすぎて日記アプリの背景になった。

馬宮久子最高!
馬宮久子最高!

感想を書くためにスクショを見返していて あまりに意味のない「馬宮久子最高!」スクショが多くて笑った。

エクストラも きさらぎ駅にヨモツヘグイにクトゥルフともうやりたい放題でと見るからにライターの筆が乗りまくっていたので良かった。


【橋本雄大】
過去に黄泉忌みの宴の経験とかあります??

余所者でありながら集落に馴染み、前提知識が不足しているというディスアドバンテージを持ちながら房石陽明という悪魔と対等に渡り合うバケモノ。コミュニティに属さないというのは弁慶の泣き所を持たないという強みでもある。余所者を分断する流れに持ち込めればいいが、それだと房石も立場が危うくなり…というかさるだし。

暗黒では罠を張られたり執拗に疑われたりボコボコにやられたわけだが嫌な感じはしなかった。
死後のケアもバッチリで隙がない。房石と橋本のヒトコンビの手で宴が蹂躙されて三車が「なんじゃこりゃ…」となる周回が見たい。


【羊の美辻】
あの房石晴明と2年間交際していたのはすごい。

しかもバカップルだったっぽい


そんな感じ。いいゲームでした。


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