うずくまってしまったソクラテス
ソクラテスは言った。
「何も知らないことを知ることが一番大事だ」と。
静まり返る堂内に彼の声だけが反響し続けている。
リフレインを繰り返す。彼の声は音楽へと変わる。
早すぎた季節に取り残されるようになって、
自分がしたいことに気づく人たちがいる。
過ぎた時間を悔やみ、嘆き、惜しみ、それでいて少しだけ
大切にしながらすべきことにきづいていく。
華やかな時間が終わりを告げるけど、誰一人として
自分の持ち場を去ろうとしない。
おびえて何もできない自分から、花開くように生まれ変わる瞬間は
あなたですら私を止めることができない。
ありがとう、悲しみたちよ。
僕の時間を取り戻す時が来たようだ。
草原を駆け出した縞馬のように、
淡い空がいつの日かの夕日を抱いて
流れる時間に月日がうごく。
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