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白玉つれづれ

むかし、むかし、その昔
私が二十歳そこそこだったころ
彦根の夢京橋通りに

「茶房 京橋」という喫茶店があって
私はそこの白玉パフェが大好きで。

最初は母に連れて行ってもらって
そのうち、
遠方から友達が来たときや
頑張った自分のご褒美に行くようになり

ひとりふらりと白玉パフェ
とかもできるようになって

白玉がほんのりあったかくて
アイスは冷たいのに
冷え冷えぽかーっみたいな

いつも食べながら
これは白玉だけ作りたてなんだろうか
作りにおきした白玉をチンしているんだろうか
なんでこれだけあったかいのかなー?
そんなことを考えて食べてたなぁ

でね

母になってからの白玉は
「よき母の象徴」になった

中秋の名月の頃になると、
近所のスーパーから白玉粉が消えるの
みんなが満月になぞらえて
団子を作るから

私も団子を作ったなぁ
子どもと一緒に丸めてゆでたなぁ
うちの子はゆであがった団子をすくうのが好きでね

季節の行事を味わう家庭でありたいなぁ
季節の行事を提供できるお母さんでありたいなぁ

近年白玉はそんな「なりたいお母さん」の
象徴でありました。

そんな私が、カフェで
白玉パフェ屋さんをさせていただけることになり

せっかくやるなら

私が茶房京橋で感じていた
冷たい中のあたたかい白玉の美味しさやら
白玉が運んでくれるほっこり感やご褒美感を

食べてくれた人に届けたいなぁと思って

ので、レシピも
京橋の白玉パフェに近づくようにしてみたり

まずは茶房よしみののれんを作ってみたり

いやいや、白玉を美味しく手早く作る練習が先やろうとか

器は何にしよーとか

見た目も大事ですよねとか

いやいや、やっぱり味やでとか

いやいや、単価を下げるために、ゼリーも手作りしようとか(笑)

自分のエプロンにのれんとお揃いの刺繍をしたり
メニューのイラスト書いたり
消しゴムハンコ彫ったり

私のやりたいなぁと思い付いたことを
ことごとく白玉パフェならぬ
しら魂パフェに
存分にのっけることができました。

刺繍に気づいてくださったり
選んだ器をほめてくださったり
白玉のぷりぷりを喜んでくださったり

自分が楽しんで準備したところに気づいて
相手も楽しんでくださること

あー嬉しかった♥

あー楽しかった♥

美味しかったよーの言葉の喜び
集う場を楽しむ人の笑顔
しみじみ良い時間でした。

久々におたおたする自分も良かったなっ!!

機会をくださる方が居て
来てくださる方が居て
よばれてくださる方が居て
本当にありがとうございます。


残念ながら
茶房京橋はもうしてはらへんの。
茶房京橋がなくなってからも
自分ご褒美にと大好きな白玉パフェを
あちこちでよばれたけど
あそこの白玉パフェほどのには
いまだ出会えず。


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