マガジンのカバー画像

邪念走 第11~20回【仕来り~二の足編】

10
運営しているクリエイター

#有酸素運動

【邪念走】第15回 へりくだってからへりのぼる。

「いいニュースと悪いニュース、どっちから聞きたい?」 こういうタイプの質問をする人を、日本政府は国民10人あたり1名の割合で全国に配置しており、国民のメンタルヘルスを脅かす要因にもなっている。 「えー、何があったんですかー? じゃあいいニュースだけ。ってダメですか(笑)じゃあ・・・・・・悪いニュースから・・・・・・ちょ、ちょっと待って下さい。ちょっと待って下さいね。もしかしてあの件の話? ですか? えーあれダメだったんですか? あー、なんですかそのかおー。その笑いなんなん

【邪念走】第14回 生存に不利なモードで生きる。

ランニングを始めて約半年。走っている最中は相変わらず辛く苦しいのだが、3キロほど走った頃からスッと苦痛が消える時間帯があることに気付く。苦痛が消えるだけでなく、逆にパワーが溢れ、活気がみなぎり気分も高揚、なんだか幸せで気持ち良く、この状態であれば何十キロでも走れそうな気がしてくる。これまで長距離をまともに走ったことがなかったので気づかなかっただけで、実は特異体質、もしくは特殊能力の持ち主だったのかもしれない。 私はこの状態を「極楽浄土モード」と密かに名付けた。 今は数分し

【邪念走】第13回 秘密結社であることを告白する。

ランニングが趣味になったからといって、毎日ランニングしたいかというとそうでもなく、正直なところできるだけ走りたくない。毎回、ランニングに出発する数十分前から頭の片隅でランニングに行かない言い訳を考え始める。いや、「行けない理由」を探している。 そう、「行かない」ではなく「行けない」ことにしたいのだ。 ランニングに「行かない」ということは自分の意志、いわば自己決定となる。しかもその自己決定は、行きたくないことを認める、自分の弱さを認める、決定するということになるので、自分に

【邪念走】第12回 夜空に攻撃呪文を放つ。

「休日はストレス発散のためにランニングしてます」なんて話を聞くと、はいウソー。走って苦しい思いしてストレス発散にはなりませーん。そもそも余暇というものは体を休めるためにあるのであって、そんな貴重な時間にあえて体を動かす、しかも黙々と走り続けるという意味が不明。いみふ。と、ランニングを始める前は思っていました。そんなあたし。みんなもそう思ってると思う。そんなみんな。ランニング始めて一ヶ月あたりで気付きます。まじまんじ。 ああっ! すさまじくストレスが発散されていく! これが

【邪念走】第11回 女子力に振り回される。

最近、走る人のことを「ランナー」ではなくて「ジョガー」っていうの知ってました? 俺は知らなかった。だからムカついている。 そもそもマラソンが趣味の部下に「最近ジョギング始めたんだよ」と言ったら、「ジョギング(笑)ランニングのことですね」と、鼻で笑われて訂正された。この時に受けた屈辱は今でも根に持っていて、ジョギングという言葉を耳にする度に部下の嘲笑がフラッシュバックし、その時に傷ついた自尊心が未だに回復せずに悪夢ばかり見る。 そもそもジョギングとランニングの違いは何なのか