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邪念走 第1~10回【気まぐれ~駆け出し編】

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40代ライター 吉見マサノヴがランニング中に湧き出てくる邪念と煩悩について語る現在進行形ランニングエッセイ。 走ろうと思い立った日からランニングビギナーになるまでの過程。しかし湧…
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#スポーツ

【邪念走】第2回 大志を抱き退路を確保する。

私は防寒タイツにハーフパンツを履いただけで「なんとなくそれらしさ」を体感することができた。 しかし世の中には「なんとなくそれらしさ」を全力で求める人がいる。打ちっぱなしの段階でゴルフクラブをフルセットを購入したり、初めてのスノボで派手なウェアを揃えてしまう人たちである。 過剰な自意識はこだわりを生み、更にそのこだわりを成就させる資産があり、行動力を伴う退屈が加われば、「なんとなくそれらしさ」から「それらしさ」にレベルアップするのだ。 こだわり×資産+退屈=それらしさクオリ

【邪念走】第1回 なんとなくそれらしく始める。

休日の午後、退屈に埋もれていた。全力でリビングに身を投げ出して脱力し、録画したバラエティ番組を眺めながら眠気に襲われるたびに体勢を変える。雪山ではないが寝るとおしまいだ。寝ると休日が死ぬ。これまでも数えきれないほどの休日を「敗北の午睡」で殺してきた。午後3時。休日の生死を分ける時間だ。眠気がくる、体勢を変える。この休日、ほぼリビングでの体位変換に徹している。今日も敗北が濃厚となってきた。   「なんかいいことないかなあ」と呟く。退屈になると「なんかいいこと」の訪れを望む。寝転