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邪念走 第1~10回【気まぐれ~駆け出し編】

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40代ライター 吉見マサノヴがランニング中に湧き出てくる邪念と煩悩について語る現在進行形ランニングエッセイ。 走ろうと思い立った日からランニングビギナーになるまでの過程。しかし湧…
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#ランニングシューズ

【邪念走】第8回 突き放され方が病みつきになる。

ランニングを始めて約一月。3日に1回程度、夜のランニングが日課になりつつある。ではなく、夜しか走る時間がないということに気付く。 私には妻と3人の娘がいる。私の妻からみると、夫は「常に勝手な行動をしている生き物」だそうで、自分の都合で残業し、自分の都合で会社の飲み会が決まり、自分の都合で家事をする。こういうものは自分の都合というわけではなく、おおむね不可抗力なのだが、それはただの自己正当化だと妻は言う。 なぜなら、妻が仕事の都合で保育園の迎えに行けない日は私が代わりに行く

【邪念走】第7回 迷わずTカードを差し出す。

アウトレット価格で購入した新しいシューズで数回、3キロほど走ってみたが、足首にわずかな痛みを感じる。「シューズ買ったばかりなんだけど、なんか足首に違和感あるんだよね」と、ランニングが趣味の友人に相談したのが失敗であった。彼は私とそんなに年齢は変わらないが、ランニング歴10年以上の玄人ランナーである。 「え、え⁉ それ慣らした⁉」 まずビックリされる。買ったばかりのランニングシューズは全体的に硬くて足にフィットしておらず、更に私がランニング初心者であるため、まずはウォーキン

【邪念走】第6回 惑わずに幸福へ向かう。

ランニングシューズ購入の唯一の判断基準を「ヒールとクッション性が高い」に絞った私は、ランニングシューズコーナーに向かう前に、『サイズが合えばお買い得! 残り1足アウトレットコーナー』に直行。運良く同じサイズのランニングシューズを発見し、そのまま購入。ヒールとクッション性の高さはわからないが3800円であった。ジャストプライスであった。 何がジャストプライスかというと、この商品にこれ以上の値段は出せないという自分の中の物価基準というものがあって、靴下は3足セットで880円、勤

【邪念走】第5回 流通センターで挑戦する。

さて、どこでランニングシューズを買おう。東京に存在する数多の選択肢の中から私が選んだのは、スポーツ店でもランニング専門店でもメーカー直営店でもなく流通センター。そう、良質な靴を紳士靴、婦人靴、子供靴からスニーカーまで、地域に密着した品揃えをリーズナブルな価格で提供する大型靴店、東京靴流通センターである。 事前の適当なリサーチでは、とにかくヒールとクッション性が高いランニングシューズを選べばいいということはわかった。それだけがわかればいい。これ以上の情報が入ってくると購入の意