2020年12月12日(土)
この日は夜に東葛スポーツ『A-②活動の継続・再開のための公演』を観に、北千住シアター1010に行きました。ここ最近はテアトロコントでのゆうめいや、上野水上公園での明日のアーの公演など、コロナ禍を題材としたようなコント演劇がすこぶる面白くて、今回の東葛スポーツもとても楽しみだったんですけど、まさか東葛に泣かされるとは思わなかったなぁ…。
いつものようなナカゴーの川崎さんがヘラヘラと前説しているのを観て、僕もマスクの下でヘラヘラと笑っていたのですが、そんな部分も今回は序盤で終わり(その序盤部分もミヤシタパークについてがっつりシリアスなラップをしていたので、やはり今回は皮肉に笑う方向じゃなくて怒りと熱が強かった印象)、終始このコロナ禍における演劇やお笑いをやり続けることの矜持について歌ったラップに泣かされました。途中、映画『パラサイト』をモチーフとした日韓問題のシビアな話になる部分ではラブレターズの塚本さんがバチバチに斬り込んでて、それも良かったなぁ。
それにしてもラップが本当に良かった。まず演者の皆さんが全員ラップが上手い。その上で川崎さんとロロの森本さんが完全にネクストレベルのラップの上手さで痺れた!特に森本さんによる「東葛スポーツでラップをすることを矜持」について、ラップの内容や超早口のまくしたて具合が完全にエモーショナルのそれだった。めちゃくちゃ感動しちゃう内容なんだけど、それを作っているのは作・演出の金山さんということも頭に残っているので、「エモいはずなのにメタ」という気持ち良さの中に気持ち悪さが残る絶妙な体験をした。これは実際に劇場に足を運ばないと感じることのできない気持ちだったなと思いました。
ラブレターズによるキングオブコントへの気持ち、テニスコートによる『いとうせいこうフェス』での話とNTT(ナカゴー・東葛・テニスコート)、川崎さんによる危口さんへの哀悼ラップ、そしてラップの中で表明した「今回に限っては誰も削らない」ことの表明もグッと来ちゃった。今回は「らしくない」ことをしなくちゃいけなかったんだなぁ。オマケのラップは今回の公演の照れ隠しなんだろうなと思いました。
この年末に、ゆうめいはコロナ禍での情けなさを、明日のアーは「2020年をなかったことに」と謳い、東葛は怒りと熱を帯びたものをストレートに放出していて、そのそれぞれの在り方どれも刺さりました。さぁ、ラップ書くぞっ!