ドッグフードの謎 〜フードによって給与量が違うのは何故??〜
皆さんはどんなフードをワンちゃんにあげてますか?市販のドライフードをあげてる人から、毎回手作りする人まで色々だと思います。そんな中でドライフードをあげてる方にとって、フード選びは頭を悩ませる問題ではないでしょうか?色々なフードを購入された経験のある方ならお気づきかもしれませんが、ドッグフードって種類によって1回にあげる量が全然違いますよね?あれって不思議ではないですか?今回はドッグフードの量の違いについて、その理由からそれぞれのメリットデメリットについて解説していきたいと思います!
1.フードの量の違いはタンパク質にあった!
皆さんタンパク質はご存知だと思います。犬は肉食だから人よりも必要とするタンパク質が多い!猫は完全肉食だから犬よりももっと必要だ!!って事は結構有名なのでご存知の方も多いかもしれません。そんなタンパク質の違いがフード量の違いに繋がってきてたのです!!
タンパク質は分解されるとアミノ酸になります。アミノ酸は20種類ありますが、そのうち体内で合成できず食品から摂取しなければいけないものを必須アミノ酸と言います。詳しくは今回は省略させていただきますが、この必須アミノ酸の体内での利用効率によってタンパク質の摂取量が違ってきます。
2.必須アミノ酸はバランスが大切
この必須アミノ酸の体内利用効率についてもう少しだけ解説していきます。犬の必須アミノ酸が10種類ある事は前述しました。この10種類それぞれ摂取した分だけ利用できるかというと、そうではありません。10種類は全て連動していて、最も摂取した量が少ない物に合わせて他の利用率も落ち込んでしまいます。つまり全てがバランスよく含まれている食べ物の方が、アミノ酸をより良く体内で利用できる事になります。
実はこのアミノ酸のバランスが優れているのがお肉になります。鶏肉や牛肉などの動物性食品(動物性タンパク質)のアミノ酸の利用効率を10とすると、小麦やお米などの植物性食品(植物性タンパク質)は4〜6程度しか利用されません。このお肉のように利用効率の高いタンパク質を質の高いタンパク質と言います。この質の高いタンパク質がどれだけ使われているかが大きく関係していきます。
3.質の高いタンパク質のメリット
それでは質の高いタンパク質のメリットをご紹介します。
①質の低いタンパク質に比べて少量で必要量を確保できる
②タンパク質の代謝量が少なく肝臓への負担が減る
③タンパク質に含まれるリンの量が減るため腎臓への負担が減る
以上のように体にとても優しいのが質の高いタンパク質を使ったフードという事になります。逆に植物性タンパク質が多く使われているフードは必要アミノ酸量を満たすためには沢山食べる必要があり、給与量が多くなります。
4.質の高いタンパク質のデメリット
一見メリットしかないように感じる質の高いタンパク質ですが、実はデメリットもあります。それはメリットでも書いた
質の低いタンパク質に比べて少量で必要量を確保できる
ということです。何がデメリットなの?と思われるかもしれませんが、これを人に置き換えて考えてみるとわかりやすいと思います。
例えば栄養満点のサプリメントができて、それだけ食べれば1日の必要栄養素が取れるからそれだけを摂取する事になったとします。そんな生活を想像してみてください。どうですか?お腹すきませんか?
そうです!食べたい盛りの子にとってはお腹がすいてたまらないのです!なので拾い食いなどの危険な行動にも繋がってきます。私はこれが最大のデメリットだと思っています。
5.まとめ
今回はドッグフードの量の違いについて詳しく解説しました。凄く伝わりにくい内容だったかもしれませんが、基本的に質の高いタンパク質はとても大切です。特に幼齢期の子や高齢な子、病気の子のように一度に沢山の食べ物を消化しようとすると負担になるような子には必要な物となります。
逆に食べ盛りで、量が少ないと何でもかんでも食べようとする場合には、質の低いタンパク質が多めのフードを選ぶのも1つの方法です。質の低いタンパク質が体に悪いタンパク質という訳ではありませんからね!
ちなみに我が家では、実際に散歩中でも落ちてるものは何でも食べようとするようになってしまったので、質の高いタンパク質を多く含んだフード(給与量が少ないフード)と、質の低いタンパク質を多く含んだフード(給与量が多いフード)を朝晩で分けて与えるようになりました。お腹が満たされれば落ち着いて今では変なものを食べようとする事はなくなりました。
もし何でも食べようとする子の場合には、フードに目を向けてみるのも1つかもしれませんね。
という事で今後も愛犬のためになる情報を発信していきたいと思いますので、これからも応援よろしくお願いします!