見出し画像

カーナビのデータ移行(引っ越し)はできないか?

  車を買い替えてカーナビが変わったり、新しい機種に替えた際に、既存のカーナビで使用していたデータを、そのまま新しいカーナビでも利用できないだろうか?検証していきたいと思います。

Ⅰ.概論(結論)→同一メーカー間以外はデータ移行が難しい

カーナビのデータとしては、主に、
地図データ
目的地等の検索(履歴)データ
登録地点データ
 があります。
 この内、地図データについては、著作権もありますので、基本的には当該(既存の)カーナビでしか使用することができません。(認められていない。)
 また、目的地等の検索(履歴)データについても、そもそも同データを外部に出力する機能をもつカーナビがほとんどありませんので、残念ながら、新しいカーナビで利用することは、ほぼできません。
 登録地点データはどうでしょう?
 一定の条件(Ⅱ項を参照)を満たす場合には、データ移行が可能です。但し、実際にはハードルがかなり高く、同一メーカー間、かつ対応している特定の機種間でのみ行えるのが現状です。す。但し、実際にはハードルがかなり高く、同一メーカー間、かつ対応している特定の機種間でのみ行えるのが現状です。

Ⅱ.データ移行できる条件(登録地点データ)

 データ移行できる条件は大きく3点です。
①既存カーナビに、登録地点データの外部出力(書き出し、エクスポート等)機能がある。
②新カーナビで、登録地点データの外部入力(読み込み、インポート等)機能がある。
③ ①既存カーナビ→②新カーナビの外部入出力データの互換性がある。
 或いは、①既存カーナビの外部出力データを②新カーナビで取り込めるデータ形式(フォーマット)に変換することができる。
※①②において、USBメモリやSDカードなどのメディアを使用する場合には、メディア自体についてもフォーマットを含めた互換性が必要となります。

Ⅲ.登録地点データの外部入出力用フォーマット

 登録地点データの外部入出力機能をもつカーナビの機種は多いのですが、残念ながら今のところ、汎用的な(業界)標準フォーマットの様なものは存在しません。
 各カーナビメーカー毎に独自のフォーマットが採用されており、その多くが非公開となっています。
 結果、カーナビメーカーが異なると、ほとんどデータ移行が行えません。

補足.

 自動車のメーカーが同じであっても、メーカー純正やディラーオプションのカーナビが同一メーカーとは限りません。自動車メーカーと複数のカーナビメーカーが共同開発をしていたり、OEM供給を行っていたりします。
 あくまで、カーナビ本体のメーカーが同一というのが、ひとつの条件となります。
 逆に、例えば既存の自動車メーカー純正ナビがパイオニア製のカーナビで、新しいカーナビがカロッツェリア(パイオニアのカーナビブランド)だった場合などで、互換性がありデータ移行が可能なケースもあり得ます。
 データ移行が可能か否かについては、既存と新しいカーナビそれぞれのカーナビ本体メーカーと機種を具体的に調べて確認が必要となります。

Ⅳ.データ移行が行える場合の方法

ケース1. メディア(SDカード等)を介して直接データ移行

 対応している機種間であれば、
STEP1. 既存カーナビでSDカードに登録地点データを書き込み
STEP2. 新カーナビでSDカードから登録地点データを読み込み
 にてデータ移行が行えます。一番シンプルな方法です。

ケース2. 変換ツール(PC用アプリ等)を介してデータ移行

 カーナビメーカーによっては、登録地点データの変換ツールを用意している場合があります。
 カーナビ間では直接データ移行が行えない場合でも、登録地点データ変換ツールが対応している機種間であれば、同変換ツールを介してデータ移行が可能となります。
 一例として、パイオニアの「ナビスタジオ」というツールを紹介します。

 ↓ 対応製品および変換対応一覧 

Ⅴ.「NaviCon(ナビコン)」は救世主か?

 データ移行について調べている過程で、「NaviCon」という便利なアプリがあることを知りました。

 スマートフォン(iPhone,Android)及びPC(パソコン)でも動作し、複数メーカーのカーナビに対応(最新機種では非常に多くの機種が対応)しており、連携できるアプリも多いのですが、カーナビへデータを送り込む(書き込む)ことはできても、カーナビから出力した登録地点データを取り込む機能はありませんでした。
 残念ながら、今回の目的には使用できず、救世主とはなりませんでした。

 技術的には、新旧カーナビ、スマートフォン、PC間で相互にやり取りする仕組みの構築は可能であり、異なるカーナビメーカー間のバラバラなフォーマット問題さえ解決できれば、シームレスなデータ移行も夢ではありません。
 今後のカーナビ業界発展のためにも、カーナビデータの標準化が期待されます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?