森に溶け込む建築、狭山湖畔霊園を見学してきた。
埼玉県狭山市、狭山湖の湖畔に美しい自然と同化するように建っているのが、今回見学させて頂いた狭山湖畔霊園の管理休憩棟と礼拝堂。
NAP建築設計事務所代表の建築家、中村拓志さんの作品だ。
西武狭山線の西武球場前駅から歩いて15分ほどの狭山湖畔霊園は尾崎豊のお墓がある事で有名。
特に事前の連絡もせず伺いましたが、建築を見学したい旨を伝えると快く案内して頂けました。
お忙しい中、本当に有難い話です。
楕円形の傘のようなファサードだ。
深く伸びた低い軒と水盤は狭山湖の美しい緑を切り取っている。
座らないと景色が見えないように設計されており、訪れた人も皆自然と腰掛けて外を眺める。
ついつい設計者の思惑通りに行動してしまうのが面白い!
いい空間だなぁとしみじみ感じます。
透明なペンダントライトも建物に合わせてデザインしたとの事。
内部は中庭に面した高窓と水盤から反射した太陽光で明かりを採っている。
水盤から屋根面に映し出される水面(みなも)が美しい…。
同じ敷地内にある礼拝堂にも案内して頂き、中まで見学させて頂く事もできました。
森に溶け込むようなシルバーの外壁はアルミの鋳物。一枚一枚手造りの職人技。いったい何枚あるのだろう…
柱を互いに立て掛け合ったような特殊な構造は内部から見ても迫力がある。
また、祭壇と奥の森林に自然と意識が行くように、祭壇側に床を傾けてあるという説明を受けて驚きました。
用途に合った仕掛けや工夫で、建物を訪れる人々の行動や気持ちまでコントロールしてしまう中村拓志さんの設計力に感動しました。
とても素敵な建築なので、是非一度は体験してもらいたいです。