不安が先か、現象が先か

人間は恐怖を感じると脈拍が速くなります。
これは現象としての事実なので直感的に理解できるでしょう。

しかし、その逆も真実だとすればどうでしょうか？
つまり、心拍数、脈拍が速くなると不安を感じるとすれば？

バイオエンジニアリングと精神医学、行動科学の教授であり医学博士のカール・ダイセロス氏は、精神科の研修医時代に特定の心臓病が不安障害と相関関係にあることを知り、初めて身体と感情の関係について考えました。

しかし、当時、カール・ダイセロス氏の仮説を誰も理解しようとはしませんでした。

数十年後に彼のチームはマウスを使い、この仮説に対する研究を開始。

2023年3月に『ネイチャー』誌に発表された論文で、心臓がドキドキすると、（危険な状況下で）マウスの不安が増す可能性があることが示されました。

実験内容

スタンフォード大学医学部の研究者たちは、光パルスを使って心拍数を制御し、身体の状態が感情にどのような影響を与えるかという長年の謎を調査しています。