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ある肖像
THE BOYS&GIRLS
2011年、世の中的には色々大変なことが起こった年であったが、そんな中に誕生した小さなロックバンドがあった。それが THE BOYS&GIRLS (通称: ボイガル) だ。
出会い
当時、私はライブハウスやフェスでミュージシャンのライブを撮影することに重心を置いていた。推しバンドに至っては、全国各地の遠征先にまで足を運んだりしていた。札幌にいる間には、毎週末どこかのライブハウスに行っていた気がする。(当時の記憶を掘り起こすブログがあった…a dreamer meets…) そんな毎日の中で私はワタナベシンゴという少年に出会った。
一番最初に会った時、シンゴは札幌の専門学校の仲間たちと組んだthe パン工場というバンドで活動していて、今では珍しくないハイティーンミュージシャンとして既に人気者だった。ステージでは若さのエネルギーを常に大爆発させていた。ペラペラの白いTシャツにマジックペンで殴り書きしていた言葉はなんだっただろう。滝のように汗をかいて、大きな口を開いてありったけの思いを熱く叫んでいると思ったら、時たま愛くるしい笑顔を見せる。小さなライブハウスに何かを求めてやってきている人々の中で、心を掴まれないオーディエンスはいなかったと言っても過言ではないかもしれない。そんなステージングをするバンドマンであった。
強烈に輝く星が持つパワー
そんな彼が、親しい仲間を誘って新しくTHE BOY&GIRLSを結成し、いわゆるメジャーデビューを狙い、ロックンローラーとして生きていく道を行くという決意を明らかにした。今思うと、その強大なエネルギーは僕にとても影響を与えていたのかもしれない。
この頃の僕は、段々とライブステージ上のバンドマンが湿った髪を振り乱して、玉汗を撒き散らす姿よりも、ステージを降りた時の素の人間模様であったり、彼らがどうしたらサクセスしていくかの方に興味が湧いてきていて、自分がそれにどうコミットしていったらいいだろうと、ずっとモヤモヤしていた時期でもあった。
それ故に、18歳が書いた青春ロックパンクがどのように成長していくのか、彼らがどこまで上り詰めるのか、音楽だけでなく一人の人間としてどこまで大きくなるのかについて夢を見たのかもしれない。誤解を恐れずに言うと、結局、撮影者というのは被写体ありきな部分が多大にあって「もたれた関係」なので、ボイガルが一段
上に行く度に、僕も上へ引き上げてもらっちゃおうという打算的な考えが無かったとは言えない。
撮っておくことの大事さが証明された‼️⁉️
そんなこんなで、僕はシンゴに頼んで雪ふり凍える冬の日の夜に公園に来てもらい、ポートレート撮影をした。そしてそれをプリントしたものに、サインをしてもらった。これがきっとお宝になるに違いない。と期待して。
さて、それから十余年が経ち、世の中色々な変化があった中で、知人が最近面白い投稿をしていた。「娘が推しているボイガルのライブへ同伴してくる」というのだ。ボイガルがまだ活動していることにも驚いたし、娘さんがmust comeだよと父親に勧めてしまうような音楽をシンゴがしているんだということに感動した。
僕は10年以上、毎日のように君の顔を見てきたけど、そっちはどうだい?僕のことを覚えているかい?しばらくぶりに、サンクチュアリへ入れてくれないか?
僕が写真を撮るということの意味について考えてみました。写真というものの至極当然の原理をポエトリーに語っています。15年前「限られたメディア媒体に対して、撮り手が急増するであろう写真業界にどうして挑戦できるのか」と問われた時に、話が噛み合わないなぁと苦い思いをしていたのは、こんな考え方があるからです。
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たとえ、誰にも認められなかったとしても、僕は撮り続けなければならいのです。光り輝く何かがある限り。ロックンローラーが「俺はここにいる!」と叫ぶように。
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![流離のしみお、時々休み。](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/154263795/profile_e31bba37afef1add3269510bea4171b4.jpeg?width=600&crop=1:1,smart)