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憂い Part1

何だか仕組みで何でも解決しようとしてやいないかい??

唐突な議題だが思うことがあり。
組織に所属していると度々思う。働く時間が限られ、働ける人数が減り続け、それでも、誰でも同じように仕事ができるように仕組みで解決しようとする。新人が、知識のない人が、働き方に制限がある人が、誰でも同じように働けるような仕組みを作るー。聞こえはいいがどうも一辺倒になりすぎてるのでは?と。

とある出来事

私はそこそこ大きな会社のweb制作開発部門に所属している。開発部門の中で、各案件ごとにチームに分けられ仕事をしている。私が所属しているチームは20人弱のチームで、結構大所帯のチームだ。
制作の範囲が幅広く、20人がそれぞれ4~5人単位で更に分けられ、各自担当製品のweb制作業務を行う。

チーム内での私の担当業務はPMとエンジニアで、A製品のPMをしながら、B製品のエンジニアをやっている感じだ。うまく状況が伝わっているかはわからないが、同じ業界にいる人は大変な状況そうだということはなんとなく伝わるだろう。

とにかく人の入れ替わりが激しい業界だ。人が入っては辞めの繰り返し。常に新メンバーの教育が回り続け、だからといって、仕事が減るわけでもない。次第に、経験の長いエンジニアがPMに回されるようになり(私のことだ)、かといってエンジニアも足りず、兼務するような状況が生まれてくる。そうなると、次はエンジニア内で全体を見れるものが減っていき、ここ数ヶ月は配信不備を起こすことが増えてきた。

お客さんも次第に不信感を覚えるようになったので、最近は「なぜ不備が起こり、今後どうやって解決していくつもりなのか?」を求めるようになってきた。当然、向こうはお金を払って依頼しているので、このまま不備ばかり起こされても困る。解決のためにどういうアクションを起こしているのかは気になるところだ。

そして、チーム内の話に戻るが、チームリーダーが出した答えが「失敗しない仕組みを作って、それを完璧にこなすことで不備をなくす」という回答だった。
ちなみにもう一定以上の仕組みは存在している。数年前から運用が続いているこのチームには先人たちが数々の失敗を教訓として生み出した、スーパーエクセルファイル(マクロのせいで重たいが)が存在しており、これさえきちんと使えば不備は中々起こらない。つまり、今起こっている不備は未知の不備でそれらを更なる仕組みで更新していこうというものなのだ。

ほんとにそれでいいのか?

仕組みで解決する意義は存分にある。入れ替わりが激しく、引き継ぎもままならない状況でも仕組みさえ作っておけば、比較的早く即戦力として投入できる。だれが作っても一定の水準以上のものを作れるのだ。

しかし、デメリットもある。仕組みで解決しようとする場合、常に仕組みのアップデートが行われるが、基本足し算で行われる。不備が起こり、次に同じ事象を起こさないように仕組みをアップデートし、新しい仕組みの上でまた作業が進んでいく。つまり、端的に言えばやることが増えるのだ。
この現象は、組織が大きければ大きいほど顕著に現れる。

何かしらの不備が発生し、新しい制約を加えるとき、何かをマイナスすることはかなり稀だ。マイナスして過去に起こした不備が繰り返されるリスクを大きい組織だと取らない選択をする。誰も責任を負えないからー。
私だってそうだ。「もうここまで来たらこのあたりの仕組みは省いてもいいのではないか?」と思う反面、「新しい人が来たら、ここらへんはつまづきそうだな」と感じて仕組みに引き算を加えることは憚れる。そうやって全員が同じ思いで、仕組みが肥大化し、慣れた作業にいつまでも時間がかかり、納期に追われ、仕組みから逸脱するものが出てきて、また不備が起こる。

私達がやるべきこと

仕組みにフルベットするのは危険だ。エンジニアが「この工程さえ守っておけば…」と思うのも盲目的な作業を生みがちである。
仕組みの前に各々が、残りの工数と、納期までを確認し、限られた時間の中でベストを尽くすことが前提にないと仕組みはうまく働かない。

どんなに仕組みを構築しようとも作業をするのは人間だ。人それぞれ自分の生活があり、いろんなことを背負って仕事をしている。そんな人間たちに仕組みで矯正をするのは甚だ無理がある。

人間は機械にはなれない。プログラミングのように決められた命令をそのまま実行することはできない。まずはその特性を理解しないといけない。
AIに仕事を奪われる?そもそもジャンルが違う。機械にしかできないことを機械がやり、人間しかできないことを人間がやるだけだ。現時点で人間しかできないのであれば、console.logのような命令文で誰もが同じ行動を取ることはない。

まぁ完璧な仕組みを作ったうえで、機械で今後運用していきたいのであれば別だが。。

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