町のSEになりたいと思っている
そろそろ転職を考え始めて、ふとやりたいことが浮かんだ。
「町のSEになりたい」と。
県や市にはシステムを開発・管理する、コストも、人も、体制もあって、私たちの生活に還元してくれているが、それが末端まで届いているとは言い難い。
だからこそ、町にSEが必要なのではないかと思う。
背景
私が住んでいる町は、人口が3000人ほどの小さな田舎町である。
高齢者の割合が多く、全体の4割弱が65歳以上の高齢者だ。数年前までは、どんどん人口減少が進み続け、このままでは限界集落になってしまうのかと思っていた。
だが、近年では、農地が宅地にどんどん変わっていって、もともと田んぼだったところに家が建ち、少しずつ若い世帯が流入してきて、人口も増加傾向にある。
農地が宅地に変わってしまうことについてはひとまず置いておいて、自分が生まれ育った町がこれからも残り続ける兆しが見えるのは嬉しいことである。
だが、同時に新しく人が入ってくることによる問題も聞くようになった。
・町内会に参加してくれない
・どこの子どもかわからない
など、要は【昔から住んでいる住民】の今まで通りにいかない不安だ。
そして、【昔から住んでいる住民】の高齢化による孤立化も加速している。町内会議では良く、「孤独死を防ぐには〜」という話を良くしているが、具体的な案は特に出ない。
これらの問題をシステムで解決できないかと思っている。
新しく来た人たちにいきなり「町内会に入ってくれ」と言っても「何か面倒なことやらされるんじゃないか」と思わせるばかりである。
であれば、まずは町内会のLINEでも作って、どんなことをやっているか、何をしてもらいたいのか、しっかり見えるようにしてあげればいい。
確かに、町内会で面倒な仕事もあるのはあるが、全部が全部参加する必要はないのである。『まずは参加できるところから』参加してもらい、地域住民がつながる恩恵を感じてもらわないといけない。
高齢者の孤立化に関しても、情報リテラシーの向上を目的とした取組みを行いたい。
まずは、スマホの操作からでもいい。もう、大手キャリアが高齢者向けにサポートを手厚くしてくれる時代は終わってしまった。スマホを買わされるだけ買わされて、使い方がわからず、サポートも終了した6年以上も前のスマホで「うまく動かない」と困り果ててる人がいるのだ。
SEとは書いたが、【ネットの便利屋】の方が正しいかもしれない。
たかだか3年ほどではあるが、自分が培った技術を、町に還元したいと強く思うようになったのだ。
やろうとしていること
①ネット関連相談所の開設
スマホの操作、ネット予約や申請、Wifi関連の相談など、高齢者向けに「そもそも何からしたらいいかわからない」人向けの相談所を作る。
うまくネットが使えていない、情報にたどり着けない人が最低限たどり着けるような取り組みを行う。
②回覧板のLINE化
紙で回している回覧板をLINEで行いたい。
大事なのは、『紙で回覧板を回すことを失くす』ことがゴールではなくて、あくまで、『いつでも見返せる』状況を作ることがゴールである。
回覧板は忙しい毎日だと、「早く次に回さなきゃ」と思って、中身をあまり見ずに回してしまうことがある。そんなときにLINEで見返せる様になるとありがたいし、そもそも若い世代は連絡ごとはスマホで完結させたほうが良いと思うので、どちらもカバーできる。
③目安箱の設置
年に1回、地域住民にアンケートが配られる。今後の町内会への要望をかけるのだが、年に1回しか書けないのである。意見はたくさんあればあるほど良い(交通整理は大変だが)。いつでもアクセスできるところに目安箱があると良いなと思う次第である。
お金の問題
と、色々書き連ねてきたが、これらを全てボランティアでやるのは骨が折れる。そう、私が目指すのは【町のSE】である。つまり、仕事として報酬をもらいたいのだ。
収益化に関しては、下記の案がある。
①サービスとして、都度お金を個人からもらう。
②町内会費から、活動費を捻出してもらう。
③クラウドファンディングで集める。
④この町が栄えることによって、利益を見込める企業から出資してもらう。
①は、一番現実的だが、理想とする仕事は望めないだろう。若い世代はともかく、高齢者が身銭を切ってまで、スマホの操作だったり、ネットの知識を深めようとするのは考えにくい。
②は、最も理想とするところだが、かなりハードルが高い。何しろ、町内会の活動はボランティアで成り立っている。私が急に金くれと言っても前例がないと言われて即ボツだろう。それなりの実績と成果を上げた後に、交渉の土台に立てるか否か、といった感じ。
③は、楽ではあるが、寄付型になるので、大きな金額は望めない。また、継続的な資金とはなりにくいので、単発型。
④は、一番理想的な形。町が栄えて利益を見込める企業は多々あると感じている。ガス・電気などのインフラや、近隣の飲食店、不動産会社など、町に関わる企業は多々ある。これらの企業が、『町が活性化するように』お金を出資してもらえるのが一番だと考える。
今のところ、ひとりで地道にやっていく予定なので、大きな金額は必要ないが、とにかく継続資金だけは喫緊課題である。
自信はない、だが、必要なことだと思っている…
正直、自分がやろうとしていることが正しいかどうかの自信はない。
というより、こんなこと見てみぬふりしていた方が楽だと思っている。
でも、自分の拙い技術でも、浅い知識でも、人の役に立てそうだなと感じることが増えてきた。
どうやら必要っぽいので、やって見たくなってしまったのだ。
ゆくゆくはネットを通じて、町内会が活性化して、
・困っている人がいたら声を掛け合えるような
・子どもたちを街全体が見守れるような
・災害時にひとつとなって動けるような
そんな町になってほしいと思っている。
そして、それがうまくいくのであれば、県や市で届かない、私が住んでいる町と同じような町でも、「こういう取り組みがあるよ」と伝えていければいいなと思っている。
まだまだ妄想の段階であるが、これを私の目標の仕事にしたいと思う。