#44 夢精したかったハナシ Part.2
~前回の続き~
そして彼女は、私の上に跨がった。文字通り一つとなった数秒後、ゆっくりと、彼女は動き始めた。まだ、その顔をハッキリと覗うことは出来ない。しかし、彼女の新雪のように美しい肌が淡く紅潮しているのを、私は見逃さなかった。
ああ、なんて幸せなのだろうか。衝動のままに跳ね続ける彼女の流した汗が、シーツをじんわりと濡らしていく。
時折キスをせがまれては、私はそれに応える。その度に、ムンと甘い香りが鼻孔をくすぐり、一層脳みそがとろけていくのがわかる。
あとは、この極上の夢の中で、フィニッシュを迎えるだけだ。そうすれば、ついに私という男は完成し、選ばれし者だけに許された景色を拝むことが叶う。
と、その時。ずっと影がかかっていた彼女の顔を、ハッキリと認識することが出来た。
頬を紅潮させながら、愛でるように微笑む彼女は、
キン○ロー。だった。
そこで目が覚めた。
え、どういうこと?エロい夢どうこうより、なんでAK○48のあっ○ゃんのモノマネでお馴染みのキン○ロー。さんが出てきたの?俺ま○やんの画像を見てから毎晩寝てたんだよ?15分くらい眺めてから、長い日は30分もかけてたんだよ?キン○ロー。さんに関しては、ここ一年くらい目にする機会なかったのに。突然こんなタイミングで出てくるもんじゃないでしょ。なに、カリスマアイドル違いってこと?そりゃ、ま○やんとあっ○ゃんはそれぞれ時代を作ったトップアイドルだけど。だとするなら夢に出てくるのはあっ○ゃんでしょ。キン○ロー。さんはモノマネしている人だから、ニアピンでもなんでもないよ。え、どういうこと?
どうにか自分を落ち着かせた後、念のためおパンツの中を確認してみた。昇天した形跡はない。まあ、そらそうだわ。夢の途中だったし。そもそもオチが衝撃すぎて、それどころじゃないし。
それからは、高みを目指そうと挑戦することはなくなった。初挑戦は失敗に終わり、怖じ気づいたと思っていただいてかまわない。
あの日から数年が経つけれど、なぜあのような夢になったのかは、未だに謎のままだ。
もし、人が見る夢の内容や、心理学に詳しい方がいるのなら、原因はどこにあったのか教えて欲しい。解明でき次第、再び高みを目指す準備に入りたいので。
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