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神戸 元町商店街 裏路地の純喫茶ポエムにて

元町の喫茶ポエムへ

育児と仕事の合間を縫って、今日も僕は元町の喫茶ポエムへと足を運んだ。

喫茶店に入るのは、もはや僕の日課のようなものだ。毎日、必ずどこかしらの喫茶店に入り込んで、一杯のコーヒーを楽しむ。
だが、ポエムだけは特別だ。10年以上も通い続けた、僕の心の避難所とも言える場所である。

ポエムの魅力は、その絶妙さにある。絶妙なメニュー構成、絶妙な距離感、そして絶妙な雰囲気。
喫茶店に求めるものすべてが、この一つの空間に凝縮されているのだ。そう、独身時代には週に6回も通っていた時期すらあった。

ここでは、たくさんのことが起こったような気もするし、何もなかったような気もする。
もしかすると、過去の記憶がこの空間に溶け込み、現実と記憶の世界と境界が曖昧になっているのかもしれない。
そんな風に考えると、ぼくにとってポエムは単なる喫茶店以上の、何か不思議な力を持っているように思えてくる。

今日も僕は、お気に入りのカウンター席に腰を下ろし、プリンとアイスコーヒーを注文する。

この席から見る景色は、いつもと変わらない。それでも、変わらないということが、時には一番の癒しになるものだ。

カウンター越しに流れる時間の中で、僕はただ静かに、そして少しだけぼんやりと、この瞬間を味わった。

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