医療用大麻を使用しても、車の運転にはほぼ影響しない【調査】
最近実施されたカナダの調査結果によると、医療用大麻を定期的に使用する患者のグループは、大麻を吸入した後でも、運転技能にほぼ差はなかったようです。
この調査は、トロント大学、ヘルスカナダ、精神衛生センターの研究者らによるもので、Journal of Concurrent Disorders(ジャーナル・オブ・コンカレント・ディスオーダーズ)にて先月発表されました。
調査を行うため、研究者は14人の大麻使用ユーザーを集め、運転するパフォーマンスに与える影響を評価しました。
これは、シミュレーションで行われています。
参加者は全員、基礎疾患に対する医療用大麻の使用を医学的に推奨されており、日常的に大麻を使用していると報告していました。
被験者は、研究へ参加する48時間前は大麻の使用を控えるように求められましたが、当日は血液1ミリリットルあたり平均4ナノグラムのTHCが残っていたようです。
研究者たちは、参加者に3つの異なるシナリオをシミュレーションさせています。
速度、横方向へのコントロールを維持する能力、ブレーキなどの運転技能に関するいくつかの指標が、運転シミュレーション中に測定されました。
速度
横方向への対応
ブレーキ
また、参加者へは「大麻を吸入する前」と「使用30分後」に、同じシミュレーションを完了させています。
大麻使用後、被験者は平均して運転する際のスピードを落としていました。
そして、大麻を吸った後でも、『ブレーキへの反応時間』や『横方向のコントロール能力』には影響しなかったようです。
研究者たちは、記事中で以下のように話しています。
大麻と運転に関する他の研究
大麻の使用と運転に関する以前の研究では、ドライバーが車道を行ったり来たりする傾向が強いことを示していました。
しかし研究者は、今回の小規模な調査で対象となったドライバーは、同じ傾向を示さなかったと指摘しています。
大麻の使用が運転能力に悪影響を及ぼす可能性を示す研究もありますが、2012年にドイツ医師会誌で発表された既存の文献では、習慣的な大麻使用者はその障害を回避できる可能性があることを示しています。
レポートには、「カンナビノイドを長期間にわたって一定量摂取している人物は、運動能力への障害に対する耐性を身につけ、安全に自動車を運転できるようになる」と書かれているのです。
今回の調査は非常に小規模なものですが、参考にはなるでしょう。
より大規模な研究へ発展させ、大麻の使用と人間の体に起こる変化を定量的なデータが示されることを切に願います。
参照:hightimes