インターンの仕組み勉強会(ほぼ)全文書き起こしvol.2
マネジメント編:日別・月別の業務管理のベース
世一:全社で統一されたバキバキのシステムがあるように思われることが多いのですが、全社統一のルールやシステムは、かなり少ないと言って良いと思います。IT化されているわけでもなく、せいぜいスプレッドシート管理ですね。
和也自身はどんなマネジメントを受けている?または後輩インターンにどんなマネジメントをしている?
飯島:在宅勤務になってからは、始業と終業のタイミングで10分程度の1on1をしています。あとは月とか四半期の単位で上司と目標をすり合わせる時間を設けたり、振り返ったりしています。
世一:基本的には月ごとに目標をたてて、その進捗を追ったり定期的に振り返ったりと、普通の業務管理ですよね。これをインターンとも行うのが通常です。
目標を立てる以上、インターンとはいえ評価も必要です。これはなかなか工数かかるよね。
荒木:そうですね、期末のタイミングにはインターン一人一人の活躍のファクトを評価項目ごとに出して評点を付けて、社員の間で議論をします。そこで昇格と決まったメンバーに関しては、さらに全社でもう一度会議をして確定する、という流れです。
正社員は、インターンとはいえ評価する側に回ることで、「自分の評価にもこんな工数をかけてくれているんだな」と気づくなど、様々な学びを得ることにもなります。
世一:目標設定とか評価は非生産活動ですし、最小限にすべきという意見ももちろんあると思います。
が、荒木が言うようにこれ結構いい効果もありまして、評価軸が社員とインターンで揃っているため、社員側の評価制度理解が飛躍的に高まります。評価制度はクレドで出来ているので、クレドに真剣に向き合うことで、浸透速度も物凄く速くなっています。
荒木:目標・評価はマンスリーのマネジメントサイクルですが、デイリーのサイクルも大事にしています。
弊社では日報をWEBサイトで管理しています。日報サイトは Wordpressで作っていて、ログインすれば誰でも見れるようになっています。社員もインターンも書いています。
世一:日報で大事なのは、まずはもちろん振り返りですね。
・今日これがうまく行ったので明日もこうする
・今日これはうまくいかなかったので明日はこうする
といったKPTを通じて毎日1%の成長を促していくこと。
また、日報サイトは日報ごとにコメントができるようになっているので、コミュニケーションツールとして機能しています。「この前、日報でこんなこと書いてたけど、最近調子どう?」みたいなコミュケーションも生まれますし、日報の様子が最近ちょっと怪しいな、というときにすぐシューティングに入ったりもできます。
※キュービックの日報サイト
この2つが大きいと考えているので、日報を書いたり読んだりするのに多少時間使ってもらっても良いかなと思います。
ちなみに、日報は役職者も、僕自身も書いています。階層が上がると日報の役割は「発信」「考えていることの伝達」に変わっていくようにも思います。
マネジメント編:インターンのモチベーションと「配置」の関係
世一:インターンはどんな仕事をしているの?と聞かれることも多いのですが、ほぼ全部署にインターンがいます。マーケが一番多いのですが、法務や経理にもいますし、今日登壇してくれている豊島・奥本は採用担当人事。育成・制度設計サイドの人事にもインターンがいます。
あとは飯島のようにCEO直下のチームにも数名、それからデザイナー・エンジニアもいます。逆にインターンが1人もいないのは、経営企画、編集、営業部門くらいです。
よく「インターンのモチベーション管理どうしてますか?」というご質問をいただきますが、僕は「配置でほぼ決まる」と思っています。
・少しストレッチした難易度の業務や目標
・業務内容、担当社員、チームとの相性
常にチャレンジングにミッションを渡すというのがうまくいっていれば、モチベーション高くやり続けてくれますし、逆にこの業務アサインがうまくいっていないと、つまらなくなってスーッといなくなってしまうと思います。
「仕事の管理が難しい」「出勤時間が短い子のモチベーション管理が難しい」という声もアンケートでいだたいています。洸平、多少モチベーションの上げ下げはあると思うんだけど、どういうときに上下する?
奥本:僕の場合は、このイベントのように「自分で全部やっていいよ」と言われて0から100までできるような時は特にやる気が出ます。でも結構飽き性で、ずっと同じ仕事ばかり続くとモチベーションが下がってしまうので、常に複数の仕事を並行してやらせてもらうことでそれを防いでいます。
世一:社員に「モチベーションを上げてもらった」ことはある?
奥本:いきなり上げてもらうというよりは、日ごろから結構ケアしてもらっているなという感覚がありますね。荒木が上司なんですけど、毎日のコミュニケーションで下がるのを防いでもらっている実感があります。
荒木:変なこと言えないですね(笑)日々のコミュニケーションはもちろん意識しています。洸平が飽きっぽいのも知っているので、色々な抽象度の様々なお題をポンポン渡して、やりくりの仕方・期限までの組み立て方は自分で考えてもらう、というスタイルで任せることが多いです。
世一:里香は部署異動して全く雰囲気の違うチームにいったと思うけど、何が一番変わった?
豊島:私は自ら出した希望が通って異動させてもらえることになったのですが、一番変わったのは「社外の人と会う機会」です。以前のチームではこれがほぼ無かったところから、「人と会うのが主な仕事」というチームに来たので、会社の顔として社外の人と会うことに対する責任を持つようになりました。
それに付随して、会社のことを知り尽くすことも自分の仕事だと思うようになったので、前のチームにいたとき以上に人との接点をつくりに行ったり、会社の過去の資料にも目を通したりするようにしました。
世一:モチベーションは「やる気」ではなく「動機」だと思っています。適当な働きかけで「やる気」を上げるのではなく、「動機」をセットするのが上司の仕事です。
学生だけでなく、働く人が楽しいと思えるかどうかには「機会」と「成長実感」が大事なポイントだと思っています。「できるようになってきたね」「次はこれやってみな」を繰り返すこと。
マネジメント編:インターンを子ども扱いしない
「モチベーションが下がってきてるからじっくり1on1」みたいな子ども扱いをしても、マイナスのスパイラルを産むだけです。その時間もお給料は発生していて、そのお給料はお客さんからいただいているお金。お客さんに負担かけてやることではありません。仕事のやりがいは仕事で得てもらう、というのが大事かなと思います。
インターンは「お客様」でもなければ「子ども」「リソース」として取り扱うのもいけない。その中間ぐらいの「仲間」「後輩」として上手に関係を作ることができると、頑張り方が変わりますね。仲間なんだから、仕事が甘かったらしっかりフィードバックする、うまくいったら一緒に喜ぶ、というのが重要かなと。
番外編:インターンの在宅勤務について
世一:在宅勤務についてはまだ十分ナレッジが溜まっていないので、もう少し様子を見てから別途お伝えできればと思っているのですが、現状を簡単にお話しするとこんな感じです。
・全員在宅勤務で働いてくれています
・入社対応、オンボーディングシステムともに全てオンライン化しました
業務管理や生産性についてはインターン生に聞いてみたいと思います。実際のところやりやすいのかやりにくいのか、ちょっと言いにくいことも含めて聞けたら嬉しいです。
飯島:ぼくは正直ちょっと生産性が下がりました。業務の内容的に、M&A先の会社や外部の方とのやり取りが多く発生するので、本当はオフラインで出来た部分をオンライン化したことで、多少制約を受け、工数は増えている感覚です。
でも個人的な集中力は特に変わりません。
豊島:生産性は変わらないですが、飯島が行ってくれたようにどうしてもできること・できないことは発生しますね。
私(採用担当人事)の場合、学生と面談や面接でせっかくの魅力的なオフィスをお見せできないとか。普段はオフィスの広さや綺麗さにビックリしてくれて、それがアトラクトになることも少なくないので、そこはやはり残念です。
チーム内のコミュニケーション量は、実はむしろ増えているんです。荒木も奥本も私もそれぞれ面談やミーティングがあるので、そもそもデスクに全員揃う時間が普段からほぼないんですね。在宅勤務になってからは意識的に接点を増やすようにしているので、その点で困っていることはほぼありません。
奥本:僕の感覚は「業務内容による」ですが、自分一人で完結できない資料の作成には、やはり通常よりも時間がかかるという感想です。
オフィスに一緒にいれば、フィードバックをもらいながらその場で同時に直してしまったりできるのですが、在宅かつテキストコミュニケーションでのやりとりだとそうもいきません。フィーバックを依頼する時間・フィードバックしてもらっている間の時間・それを見て修正する時間に分かれます。
何回もやりとりが発生するので生産性が少し下がると感じています。
世一:今日喋っているインターン3名は、
・社内でも活躍している方のインターン
・独立して完結させられる業務がそれなりにある
・上長がリモートでも気を使って業務管理できている方
なので、例えばこれが入社間もない・習熟度も高くないインターンでは、そうもいかないかなと思います。
コロナ明けにどんな対応を取って行くかはまだ決まっていないのですが、全面リモート可はさすがに難しいなという所感です。
ちなみに、在宅勤務で通勤時間がなくなったことはかなりインパクトが大きいように思います。
・通勤時間がなくなり業務に当てられる時間が伸びる
・今までは出勤できなかったような隙間時間で仕事ができる
・出勤時間が伸びたことでまとまった仕事を渡しやすくなる
・難易度の高いまとまった仕事を多く受けることで成長速度が上がる
・任される仕事が大きくなり、仕事が面白くなってさらに出勤が増える・成長が早くなる
このループが回り始めて、メキメキ成長している学生が増えています。
〜休憩時間はQ&Aタイムになりました〜
Question:インターンの中からどれくらいが入社するのか?
荒木:延べ在籍数から見ると10%切ります。4年生の最後の時期にはだいたい30人くらいにまで毎年減るんですが、18卒と19卒は8人、20卒は3人でした。
Question:インターンがいない「編集」の部署は何をしているのか?
世一:記事を企画して、ライティングされた文章を編集しているんですが、日本語一字一句まで丁寧にチェックをするので、インターン生ではちょっと厳しいですね。
Question:目標設定と部署の業務内容が合わないときはどうしているのか?
荒木:基本的に合わないということはありません。個人がやりたいこと(Will)とチームで必要なこと(Must)を掛け合わせて目標設定するようにしているので、合わないということは起こりづらいです。
豊島:前提として、その個人のWillと接続しやすい業務ができるチームに配置するようにしているので、自分が全く興味のない仕事だけをやらされる、という状況は基本的にはないですね。担当できる範囲とか興味の中から、優先度なども加味して上司とすり合わせていきます。
Question:インターン生全員と1on1をしているとかなりの工数がかかるが、どのように工夫しているのか?
荒木:確かに工数は多いですね。隔週1回30分、が基本です。今は自宅勤務なのでチームによって頻度を変えていたり、業務のフィードバックをするついでに少し話をしたり、あとはチームの定例ミーティングにも普通にインターン生と一緒に出るので、そこでコミュニケーションとったりしています。
Question:社員1人あたり何人のインターンを見ているのか?
荒木:人によりますが、だいたい4人くらいが平均です。10人とかになってくると大変なので、インターン生の中間管理職的なポジションをつくったりする社員もいます。
Question:インターン生は、やったことのない仕事を渡されたときにどういう感情になるのか?
飯島:誰も全く伴走してくれないということはなくて、どう進めるか一旦自分で考えたうえでフィードバックをもらったりするので、不安よりもワクワクする気持ちが大きいです。
〜vol.2ここまで〜