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それでも世界は回っている。ずっと。

はろーはろー。
空前のゆで卵ブーム到来。
すきあらばゆで卵を作って食べてしまう毎日。 
自分でもよくわからんこのブーム。謎。

さて。
芝居の稽古も徐々に進んでいて、日々が少しずつ通常運転に戻ってきつつある。
ちょっと前に、大きな出来事が2つあった。

ひとつは、自分の劇団の公演が本番直前で延期になったこと。
日頃、劇団6番シードという劇団でお芝居をやっていまして、その劇団の、
11月17日に始まるはずだった公演が、開演の1週間前に急遽延期になった。
理由は流行り病ではなく、主演である劇団員の怪我。
あらゆる手を尽くして感染症対策を講じ、万全に進んでいたと思っていた。
予想だにしない方向からの打撃をくらい、あっという間に公演はなくなった。
本当であれば今も本番中だったはずで、その公演を観ようと、
チケットを買い、予定を空けて、楽しみに待ってくれていたお客さんが
少なからずいた。本当に本当に申し訳ありません。
救いなのは、キャスト・スタッフ全員が続投で上演する算段がついたこと。
全員揃うってのは、奇跡的な確率です。
キャスト・スタッフ陣の日頃の忙しさを見るに、まず、無理な話だと思う。
奇跡のように全員が集うことができて、奇跡的に同じ劇場が空いていた。
ありがたい。それに向かって、進むことができる。
ありがたい。ありがとうございます。


そしてもうひとつは、役者仲間の訃報でした。
先月一緒に舞台で共演したばかりの仲間が。急逝したとの報。
25歳。
全然理解もできなかったし実感も湧かないし何がなんだかわからなかった。
けど、朝方まで寝られなくて夜どおしずっと涙が止まらなかったから、
多分頭のどっかでは理解してたんだと思う。
言葉にすると事実が全速力でこっちに突進してくる気がした。
いまだにこれについて何かを述べるのはちょっとしんどい。
時間が戻らんだろうかと本気で思った。戻ってその原因を阻止できんだろうかと。
ワタシはこれを受け入れるのが実にヘタクソでありまして。
4年半ほど前に父が急逝した時も、うまく受け止められなかったし、
家族でワタシが一番メソメソして何もできなかった。
圧倒的無力。人の死の前での自分の、圧倒的無力。

ワタシは、彼とは先月の舞台で初めて知り合った。
だから、1ヶ月間くらいしか、彼を知らない。
芝居中で絡むこともなくて、あまりたくさん交流をしたワケではなかった。
彼について知っていることなど、ここに書き出せてしまうぐらいしか、多分ない。
関西出身だってこと。めちゃくちゃイケメンであること。運動神経抜群なこと。
けっこうな天然であること。意外と緊張しいなこと。
面白いと思ったことには迷わずフルスイングすること。
意外と人をよく見ていること。
誠実でアツくていい芝居すること。
これからの成長や活躍がすこぶる楽しみな俳優だったってこと。

Twitterで彼を紹介して「かなりの天然だと思う」と書いた翌日、
「え、亜音さん、何で僕のこと天然だと思ったんですか?え?なんでバレたんですか?おかしいな……けっこう知的でクールなキャラだと思うんですけど…」
と言ってきて、
「イヤ今もう『何でバレたんですか』って言ったじゃん…」
「…あ…!」
「ほら!!!!もう!!総合的に天然じゃん!!!」
ってなったこと

劇中にめちゃくちゃ大事な武器の受け渡し係を担当していて、
いつもクールにやりこなしてるな、すげえな…と思ってたら、
「緊張しすぎていつも倒れそうなんです!あのシーンのちょっと前から!あー!来る!あのシーンが来てしまう!!って!!!!」
と恋愛中の乙女のようなキラキラした瞳で熱弁してきたこと

とある終演後イベントで、
訳あって(笑)ゼブラ柄の全身タイツを着て舞台裏にスタンバイしたワタシを見て、
腹を抱えてひっくり返って爆笑してくれて、最後もう笑いすぎて泣いてたこと

ごめんねずっとメソメソして何も言葉にできていませんでした。
何か最後の滑り込みみたいなタイミングだったけど、あなたに出会えてよかった。
一緒にお芝居できてよかった。ありがとう。
キミは向こうでもさぞ人目をひくだろうね(イケメンすぎて)。いいなぁ。
心からご冥福をお祈りいたします。
遅すぎたけど、やっと言葉にできたよ。
タカハシくん、またね。


世の中にはいろんなことがあって、
それでも、世界は、変わらず回っているんだね。
ずっと。いつも。
だから、そこからも、歩いて行かなくちゃならんのだ。
歩いて行かなくちゃならんし、また、歩いて行っていい、のだ。
他人事のように知らん顔で通常営業してるんだ。世界は。
いつでも戻っておいで、と。こちらは構わんよ、と。
何だよ冷たいなぁ、と思う反面、それにちょっと救われることもある。

それでも世界は回っている。ずっと。

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