機能とデザイン

明けましておめでとうございます。まだ乗り始めに行けていないおじさんですがサーファーの皆さん乗り始めは済みましたか? 

昨年は大変な一年でしたが今年こそは良い一年にしたいですねと書く間もなく再度緊急事態宣言が出されそうで年初から思いやられますが前向きに行きたいと思います。

私は今から約20年程前の30歳代後半から数年はサーフィンから離れバイクに夢中になっている時期がありました。中古バイクを改造して筑波サーキットを走る事に嵌り、当然の様にレースにも出場しのめり込んでいきました。

サーキット走行にはバイク以外ではヘルメット、レーシングスーツ(革ツナギ)、グローブ、ブーツの装備が必要で趣味の世界の物でもありデザインに拘り選ぶ訳ですが、そこはスピードを伴う危険な世界のため安全性を抜きには語れず安全で尚且つ格好良い物を欲する訳です。

ここで面白いのが各社の安全性(機能)とデザインに対する考え方の違いが真逆と言っても良いほど違うという事です。

国内を代表するヘルメットメーカーにはAraiとSHOEIがあり同じ安全規格をクリアしながらもAraiは自社の安全基準上ヘルメット形状は卵型がベストで空力のための形状は採用しないのが前提ですがSHOEIは空力を考慮した形状をいち早く採用しヘルメット内の空気の籠り解消のための通路もその空力形状を流用したりと先進的な考え方を積極的に取り入れるメーカーとフィロソフィーの違いが商品の違いに如実に表れています。

同様にレーシングスーツにもKUSHITANIとHYODという2大メーカーが存在しこちらもフィロソフィーの違いが商品に反映されています。ロードレースの場合ライディングフォームは基本的には前傾で腕はやや前方、足は折り畳んだ状態から大きく動く事は無いためKUSHITANIは転倒した際の路面との引掛りを懸念しなるべく一枚革を使用し縫製箇所を減らすことで破れ、引裂きに対応する事で安全性を確保するとしているのですが、HYODは逆に車上で動きやすい事が安全なライディングに繋がると考えシャーリングの多様や立体裁断を採用し(縫製箇所の増加へ繋がります)耐衝撃性には樹脂製プロテクターの多用など先進的でKUSHITANIとは真逆に位置すると言っても過言ではないと思います。どちらが良いとかではなく自社の確固たるフィロソフィーの元商品が制作されている両社共ブランディングに成功しているメーカーだと思います。

レース中に転倒し一瞬記憶を失くした事を奥さんに知られてバイクを猛烈に反対された私は地元の仲間がまだサーフィンをしていたこともあり体力増強のためにも良いだろうと40歳半ばにサーフィンに復帰したのですが、その時に驚いたのがウェットスーツの進化でした。私の20歳代の頃はバックジップという背中にウルトラマンの如くジッパーが付いている物しか無かったのがジッパーさえどこにも無い!どうやって着るのこれ?!という物が主流になりつつあったからです。ウエット生地の進化で伸縮性が格段に向上し首回りをビヨーンと伸ばして着脱するという技術の進化に本当に感心しました。

現在ではレーシングスーツもウェットスーツも安全性、運動性、保温性などの機能を前提とした立体裁断の採用は当り前となっており私たち消費者もその開発ストーリーなどが製品選択の一つになってると思います。

しかし一番重要なポイントはやはりデザインでは無いでしょうか?いや違うなデザインが良くても動き辛い、脱ぎ難いウェットは嫌だから機能的で自分好みのデザイン。機能とデザインのバランスが一番大切ですね。各社さんのウェットスーツを見る限りはヘルメットやレーシングスーツ程フィロソフィーが製品に反映されていない、反映し難いのかなと感じますので無難な製品ではなくメーカー臭が強い、キャラが立った製品を望みたいと思います。

ウェットスーツとのカッティングと比較して見ても面白いです。

今年も良い波に当たりますように! Keep on Surfing!



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