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Seven Questions#7 ライアン・スミス(Qualtrics)

原文はこちら ※原文は2018/7/25のものです。
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ライアン・スミスは、Fortune 500の企業の3分の2を含む8500社に対して顧客、従業員、製品、ブランドのすべてのエクスペリエンスを管理するサービスを提供しているエクスペリエンス管理プラットフォームである「Qualtrics」の共同設立者兼最高経営責任者(CEO)です。10代の頃、彼はゴルフコースで初めて仕事をしました。両親が彼と彼の兄弟(11歳、13歳、15歳、16歳)をユタ州プロボのダウンタウンで降ろし、夏の間仕事が手に入ったら帰ってくるように言ったのです。


Q1. あなたがこれまで学んできたことの中で、日々大事にしていることはなんですか?

私にとっては朝の時間が全てです。朝の5時〜8時に全てが始まります。自分のバッテリーが常に切れかけの状態では、他の人のバッテリーをチャージするのを手伝うことなどできません。私は自分の状態をベストに保つために、日々自分の心と体が何を求めているのかにしっかりと耳を傾けるようにしています。
私たちは常に毎日同じコンディションで目覚めることはできないのに、それでも毎朝同じルーティンをしてしまいがちです。その代わりに、私はその日に合わせた自分流の毎朝のルーティンを持つようにしています。始まりは悪かったのに終わりは良いという1日は滅多にありません。毎日世界へと飛び出す前に、私は何かを感じたいので、常に心と体をオープンな状態に保つようにしています。

ある日はバスケットボールをしたりマウンテンバイクを漕いだり、朝食ミーティングをしたり、1人で外で食べようと1時間くらいブラブラするかもしれません。もしくは子どもたちを学校まで送って行ったり、音楽を聞いたり。ただ寝ているだけの朝もあるかもしれません。歩いて職場に行くかもしれないし、自転車かもしれないし車かもしれません。ボタン付きのシャツを着るかもしれないしTシャツと短パンかもしれません。それらは決して予測できませんが、自分なりのルーティンを持ってどんな感覚が正しいものなのかを知るために重要なことです。


Q2. 起業する人に一つだけアドバイスをするとしたら、どんなアドバイスをしますか?

さっさと始めてしまいなさい。港を出る前のボートのようなもので、多くの人はボートを掃除するのに膨大な時間を費やして実際の航海には少しの時間しか使いません。ようやく漕ぎ出す時には全てが完璧に整えられ、素敵な旗もはためいています。そして1日の終わりに船が港に戻ってきた時には、船は散らかって乗組員は皆バケツの上に座り、誰も服を着ていないのです。とにかく船を出すしかないのです。広大な海にはあらゆる選択肢があり、あなたが決めた行動の先には成功を左右する何かがあるのです。

スタートアップの世界も似たようなものです。スタート地点がゴール地点と同じではないのです。Qualtricsは学術研究者向けにサービスを開始し、そこから発展していった良い例ですが、これは他の多くの会社にも当てはまります。今のあなたの仕事が何であれ、たとえあなたがその仕事にどれだけこだわっていても、1年後には今と違った形になっているでしょう。なぜならイノベーションの賞味期限は短いからです。だからとにかく突き進んで、プロダクトを顧客の元に届けなさい。行動あるのみです。

同時に、想像以上の長旅のためにペース配分に気をつける必要があります。toB領域で会社を立ち上げるのはどんなものであれ10年スパンの取り組みになりますし、そのタイムラインは始まりからよく考え抜かれてなければならず、誰を雇うかからどうスピード感を上げるかまで、あなたが下すあらゆる決断に影響してきます。もしあなたがなるべく速く事業を成り立たせ、スケールさせたいのなら、あなたはより長い距離を、より速い速度でいかなければならなくなるでしょう。


Q3. どんな小さな変化が、あなたの人生に大きな違いを生みましたか?

自分は何でも上手くこなせるわけではなく、別にそれでも良いのだと気づいたことです。Qualtricsを始めた時、私は兄と一緒に働き始めることができとても幸運でした。ある日、2人で座りながら兄が「自分にはとても得意なことがあるが、5つの苦手なことがある」と言ってきました。そして私が苦手なことを知りたがりました。私はほとんどのことが苦手だということに自分で気付いていませんでした。

どこを改善する必要があるかについて認識していることは非常に重要です。私は自分の苦手なことを知り、常に改善しようと努力しています。私にとっての小さな変化は、会社が成長するにつれてより覚悟が固まってきたことです。忍耐力がついたのも、もう一つの小さな、それでいて大きな変化です。それでも私は未だにとても忍耐強いというわけではないですが、そのことを理解できていることが重要なのです。
そしてCEOとして、あなたはしばしば真逆の特性をマスターしなければなりません。すなわち、あなたは謙虚でありかつ自信を持っていなければならず、成長にフォーカスしなければならないと同時にキャッシュフローにも注力する必要があります。社員を愛しつつも時には難しい決断を下さなければなりません。自身の強みと弱みを理解できていれば、それらのバランスを取るのはより簡単になります。


Q4. あなたが知らなかったことで、知っておければ良かったことはなんですか?

上手く文章を書く方法を知っておければ良かったと思います。私は読書がとても好きで、多くの偉大な作家に魅せられています。私自身はまともな人間ですが、例外的な存在になるには多くの努力が必要です。しかし、私は「知っておきたかったこと」という意味では実際は特に考えたことはありません。もし何か心から学びたいことがあるのならば、それを見つけるために出来る限りの努力をするつもりです。


Q5. 今あなたの枕元にある本はなんですか?

今読んでいる本の一つは、ミシェル・ルイスの『The Undoing Project』です。この本は行動経済学の研究の第一人者であるイスラエルの2人の心理学者、ダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーについての本で、私はこの分野に魅了されてしまいました。Qualtricsがまだ学術研究に力を入れていた頃、私たちは2人の経済学者をサポートし、ナイキがリブロンに靴をプレゼントしたように、彼らのスポンサーとなりました。彼らに「どんな研究がしたいですか?」と尋ね、Qualtricsのキーを与えました。

キム・スコットの『Radical Candor』もおすすめの一冊です。この本は、大抵の企業が苦労しているコミュニケーションにまつわる文化をどう明確にするかということについて書かれています。私たちは、「どのように会話するか?コミュニケーションにまつわる我々の文化は何か?」「正しいフィードバックの方法とは?ミーテイングでどのように振る舞うべきか?」と言ったことは滅多に言いません。徹底的に率直な文化を作り、それが機能するように全員を従わせようとする決断は天才的なものです。彼女が一つはっきりと述べているのは、あなたが徹底的に率直である前に、人のことを気にかける必要があるということです。さもなければあなたはただのろくでもない人になってしまいます。
例えば、私は兄と働いており、私は彼がどれだけ私のことを気にかけてくれているかを知っています。彼は他の人が言えないようなことを私に言ってくれますが、私はそれがQualtricsが成功できた一つの要因だと思います。あなたが徹底的に率直でいられるなら、試行錯誤を通してそれを貫き通すことで、難しく、辛い問題も解決することができるのです。試行錯誤なくしてイノベーションはあり得ません。極限まで深いところまで追求できることや、チームとして試行錯誤のサイクルをやり抜ける力は間違いなく競合優位性となります。徹底的に率直であることが、その助けになるのです。


Q6. あなたが、自分が何かについて間違っていると気づいたのはいつですか?

私は自分が間違っていることに毎日気がつきます。私たちがローンチしてきたあらゆる主要なプロダクトも、参入してきたあらゆる主要な市場も、私たちがしてきたあらゆることは、その当初は間違っていました。人の採用についても、人の状態を何とかしたり人をエンゲージすることについても間違ってきました。16年間いろいろなパターンを見てきても、いまだにたくさん間違います。私が知っている中で最も優秀な人でさえ、正しい決断をできるのは7割程度のものです。

私は間違えることも、自分が間違っていると気づくことも恐れてはいません。私にとっては、Qualtricsが間違いに寛容であり、その間違いの全てを理解しているわけではないということが重要です。しかし私たちは素早く失敗から学び、決して同じ過ちを繰り返してはいけません。私自身が正しくある必要はないのです。ただアイデアが正しければ良いのです。私たちはアイデアとその実行に最も心血を注ぎます。それが誰によってもたらされたかなどどうでも良いことです。同じ経営チームメンバーの1人が言っていたように、「1人だけの旅に特別な追加点はない」のです。


Q7. あなたにとって最も重要な時間の単位は何ですか?またそれはなぜですか?

答えは簡単です。毎日やってくる9分間、つまり子供が起きる3分間、彼らが学校から帰ってくる3分間、そして彼が眠りにつく3分間が最も重要です。多くは必要ないですし、いつもでもできるというわけではないですが、もし子どもが目覚め、また眠る瞬間に一緒にいられるなら、この世にそれ以上大事なことなどありません。

私はよく旅行に行きます。旅行の日程を調整している時、常に子どもたちのことを考え時間を合わせようとしています。子どもたちが寝る時に電話をしていたら、相手にあとでかけ直すから少し待ってくれるように頼んで、子どもたちにおやすみのキスをして、物語を聞かせてあげ、お祈りをします。何をしている時でも、この瞬間に合わせるようにしています。


Hard-won advice(努力して得た教訓)

1. Just get doing(とにかく行動しろ)
2. Know what you suck at(自分の苦手なことを知れ)
3. Listen to yourself(自分に問いかけろ)

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