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フラスタを出すということ
気付けばアニソン現場でフラスタ企画を主催して10年目に突入し、今メインで出している企画も集大成としてどどーん!と出すのでノウハウ出してもいいかも。
と思い立って書いてみた。
過去にまとめたものはこちら。
フラスタとはなんぞやとか、フラスタを出す際の最低限の注意事項等は
このまとめに載っているのでこっちを見てほしい。
今回はこのまとめから少し未来のお話
フラスタを出し始めたきっかけ
昔からアニソンは好きではあったが、2014年頃までは音楽はCD音源で聴くものという域からでないまま。
そんな中、たまたま好きなアニメのCDを予約しにいったところ、
たまたまリリースイベントのチケットがあり、
もらったなら行ってみるかとリリースイベントに行ったことで
アニソンを生歌で聴くという体験の素晴らしさを知った。
そこからSCREEN mode(通称:スクモ)を追いかける日々が始まった。
そして2015年夏、アニソン現場を追い始めると必ずと行っていいほど通過するイベント、アニサマに出会った。
それまでテニミュのような2.5次元には足繁く通っていたが、そういった現場には当時フラスタを贈るという文化がなかった(そもそも主催が受け入れを行っていなかった)
さいたまスーパーアリーナの通路いっぱいに並んだカラフルで趣向が凝らされたフラスタを見て本当に驚いた。
その日出演するたくさんのアーティストにファンが想いを乗せたフラスタが所狭しと並んでいた。
ただ、そこに私が好きなスクモへのフラスタは1つもなかった。
悔しかった。
スクモにはフラスタを出すほど熱意のあるファンはいないんだよと言われているような気がした。
確かにそれまでスクモの現場にはお花を贈る文化がなかったのでしょうがなかったとも言える。
それでも周りはフラスタが出ていて、スクモは出ていなかった。
ただそれだけが事実であった。
そこで決意した。
絶対に次のイベントからはフラスタを出すと。
最初のフラスタは過去にお花を出したことのある友人に教えてもらいながら2015年12月のおれパラで出すことができた。
そこから自分だけで始めるようになり、仲間とも協力しながら
もうやりきった!と思えた2018年3月のかなざわアニメソングフェスまでの約3年間、スクモが出演するお花が出せるイベントは全部お花を出し続けた。
スクモと共にあったフラスタ企画の3年間は手探りで、大変なことも嬉しいこともたくさんあった。
悔しい思いをしたことだってあった。
仲間の手を借りながらとはいえほぼ1人ですべてをやりくりするというのは思った以上に疲弊するもので、
更にスクモはグループカラーが水色、それ以外は曲のイメージに合わせても赤、白、黒。
男性ユニットなのでピンクといったファンシーな色は使いにくい。
この4色のバリエーションでデザインを考え続けることに限界も来ていた。
その当時のわたしは強烈に思った。
可愛いお花が作りたい!!!!!
アニサマやアニソン系のフェスには女性アーティストも多く、ピンクや黄色、紫、オレンジ、本当にカラフルな色が使われた可愛らしいお花がたくさんあった。
正直羨ましかった。
それと同時に2016年にスクモのラジオにゲスト出演したことをきっかけにTRUEさん(以下、おつるさん)も追いかけていたが、
お花を出したいと思ってもスクモのフラスタを出しながらおつるさんにも出す体力がなく諦めていた。
スクモのフラスタ企画の主催を降りたことで余裕ができた。
それならやるしかなかろう。
思い立ったが吉日。
1人で主催をやることは無謀ということは重々学んだので、一緒にやってくれるようなフッ軽な人物、そして可愛いお花を出すなら女子やろ!
という安直さでおつるさんの現場に行っている数少ない女子の友人naoちゃんに声をかけた。
見事に釣れた。
そして出来上がったフラスタがこちら
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LQLPのMVドレス風のピンクのやつ!
もうごってごてに可愛くした。
楽しかった。
合計31人も参加してくれて鶴男・鶴子(おつるさんのファンネーム)のフッ軽さを、実感した。
この時はスクモかこのみん繋がりの人しか私は面識がなく、
正直この企画に参加してくれた主催を除いた29名の内2割もわからなった。
それでもコミュ力おばけ(褒め言葉)のnaoちゃんのおかげでこれだけの人数が集まった。
この時の参加費は手渡しだったが、私はnaoちゃんの横でにこにこしてるだけの人だった。
座敷わらしもびっくりの影の無さだったはず!
おつるさんの引力
実を言うとおつるさんのフラスタ企画も当初はおつるさんの誕生日記念でそれっきりの記念企画のつもりではあった。
しかし2024年12月の現在でもフラスタ企画の主催を続けている。
なんなら規模感は意味わからんくらい大きくなった。
なぜ今でも続けているのか。
そこにはおつるさんの引力があった。
この時のLQLPでのフラスタにヴァイオレットが持っているブローチを模したアクセサリーをおつるさんへのプレゼント用にとパネルにつけていた。
スタッフさんにはブローチもプレゼントなので持って帰っていただいて大丈夫だと確かに伝えた。
ツアー4本目!
— TRUE/唐沢美帆 (@miho_karasawa) July 15, 2018
お誕生日サプライズ…号泣してしまった…!あんなの泣くよーーー!!!
私と私の音楽を見つけてくれて本当にありがとう。もっともっと頑張るから、見ていてくれたら嬉しいです。
たくさんのお花もありがとう💐
こんな幸せでいいんだろうか!涙#TRUEさん #唐沢美帆 #LQLP pic.twitter.com/NENsfG4s4Q
おわかりいただけるだろうか。
パネルごとお持ち帰りいただいてしまった。
そんなサプライズかまされたらまた出したくなっちゃうじゃないか。。。
と出したANIMAX MUSIX2019。
【ANIMAX MUSIX 大阪 2019】
— nao✨ (@usa1x1) January 20, 2019
今回もフラスタ企画させて頂きました。ご参加いただいた皆様ありがとうございます!転スラのリムル様をお花で作っていただき、更にバルーンを使い、目を引くポップで可愛らしい応援花になったと思っております☺️#animaxmusix#TRUEさん#唐沢美帆 pic.twitter.com/7EfUezdaSU
ずっとやってみたかったお花でロゴを作るフラスタ。
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リムル様お持ち帰りされました。。。
BIG LOVEになるしかないじゃん、こんなの。
と、ちょろいのでフラスタ企画続けている。
各種手続きのシステム化
フラスタ企画を続けるに当たって大きな問題が1つあった。
それは集金やお金の管理が手渡し・手作業ということ。
入金プラットフォームの導入
ライブの前に30人近くの集金対応するというのはスムーズに行けば、1~2時間弱でこなせるレベルではある。
ただし、急な体調不良で現場にこれなかった人やギリギリで到着する人が1,2人出てくると途端に忙しくなる。
来てない人を洗い出し、DMして返信を待つ。
開演までに連絡がつけばいいが、連絡がつかなかった時はどのように対応するか個々人と相談して決定する等、思った以上に手間がかかる。
それに加え手作業で集金するということ自体、主催が1~2時間同じ場所に固定になってしまう。
都合がつけられなかった場合は簡単に破綻するシステムでもある。
この集金作業をシステム化することが目下の課題であった。
冒頭のまとめ記事の時点ではこの課題は解決できていなかった。
しかしながら初手31人のフラスタ企画を続けていくのであれば、なんとしても解決すべき問題ではあったので色々なフラスタ企画を参考にさせてもらった。
極力事前に、最小限にすることができないかと模索したところで、試験導入したのがPassmarketであった。
決め手は
・手数料が業界最安の3.654%である
・アンケート機能がある
・売上確定日から10営業日(実は大体7日後)に売上振込
・Yahoo!という実績のある会社が運営元である
という4点だった。
これまでの5年で大きなトラブルもなく使えているので、 これからフラスタ企画を最小限の手数料で始めたいというのであればめっちゃおすすめしておく。
もちろんメリットだけではなくデメリットもある。
・海外発行のクレジットカードに対応していない
・チケット購入時のアンケート結果DLがPC版かつZipファイルでDLされる
・手数料が実際に計算すると3.564%にならないので事前の計算がややこしい
算数が苦手なりに試行錯誤してたどり着いたPassmarketの計算式。
(チケット代金×3.24%)+(手数料に対する消費税)
これで計算すれば最終的な売上金と±1円程度になる。
手数料3.564%とは🤔
手数料かかってでも楽にやりたいを優先するのであればミンサカさんがおすすめ。
Sakaseruというお花屋さんのマッチングシステムを使うのであればミンサカの手数料は無料で使える。
Sakaseruの金額内訳は以下の内容で使用できる。
・お花本体のお値段
・お花の金額分の消費税(10%)
・配送回収料(地域別1,000~5,600円)
・システム手数料(5%)
結構手数料で持っていかれる。
楽な分取られる分は取られるので、パスマやスプレッドシート等を
使いこなせるのであれば、パスマのようなチケット販売システムと
配送無料のお花屋さんと直接やりとりを組み合わせるのが最適解ではある。
広がる参加者の輪に対応するために
最初は約30人で始まったフラスタ企画も気付けばどんどん規模が大きくなるにつれて別の問題が出てきてしまった。
それはパスマが海外非対応ということだ。
特に2024年はおつるさんの海外案件が爆増したこともあり特に中国からの参加者が増えたが、集金システムが非対応となるとそこに参加の壁ができてしまう。
日本語が達者な人であれば日本人の友人にお願いして支払い代行してもらうということもできるが全員が全員それができるわけではない。
そこでなんとか海外対応の集金システムがないかと探したところであったのがTicketMeだった。
比較的新しいプラットフォームではあるが、決め手となったのは
・東宝やホリプロといった大手企業でも利用実績がある
・中国で55%シェアがあるAlipayに対応している
・海外発行のクレジットカードに対応している
・イベント終了日の翌日に売上確定・振込依頼ができるので最短イベント終了の2日後に売上金が入金される(しかも早期入金手数料とかない)
・主催側の手数料がチケット販売額×5%+振込手数料145円のみとシンプル
とこのあたり。
まだ2回しか使えていないのでブラッシュアップが必要なものの、Alipay対応と売上金の入金の速さは重宝している。
よりギリギリまでよりたくさんの人の参加を募れるのである。
しかも早期入金手数料ないのは神すぎる。
別のプラットフォームの例を上げると
・原則イベント終了日の翌月末に振込
・5営業日以内の早期振込には手数料で1万円
なんて感じになる。
毎回収支報告出しているし、皆様の目には届く情報なのでここで先出しするんだけども、直近で控えているフラスタ企画の売上金は27万円である。
オタク頑張りすぎ()と思いつつ、集まった分だけお花につっこむけれどもサラリーマンの1月分の金額を一時立て替えは正直きつい。
チケミーさんありがとう。
ただ、もちろんデメリットも抱えていて
・一度チケットページを公開すると変更、修正が難しい
・チケット在庫枚数を増やすのもサポートにメール問い合わせが必要
・利用者目線での購入ページのレビューができないので、確認のためにログアウトや別ブラウザからの確認が必要
・多言語対応ではあるが既存のプラットフォーム部分が翻訳対象なので、公演詳細等はGoogle翻訳のお世話になる必要がある
とまだまだ新しいサービスであるが故に熟成されていない点もあるので、先述のPassmarketとどちらがより自分のニーズにあっているか取捨選択してほしい。
入金プラットフォームに合わせた参加者管理のテンプレート化
入金プラットフォームは導入した。
そうなると次はその管理をどうするかになる。
Twiplaで参加者を募っているので名簿化されている。
入金プラットフォームは購入者のエクスポートができる。
それであれば突合できる表を作ってしまえばいいのである。
力技で切り抜けた自覚はある。
今でもどうにかならんかなと思ってる。
最初に作ったベースに手を加え続けている様はさながら秘伝のタレだったり社内の誰かが作ったマクロみたいなものである。
スプシはこんな感じ。
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もし使いたいという人がいれば個別に連絡貰えればスプシの提供はできる。
ただし現在使っている最新版のお渡しになるので複雑怪奇となっている。(サンプル画像のデータのマスキングがめんどくさくてここで心が折れた)
最低限関数がわかる人しか使えない代物になっている。
例外が多いので完全なフォーマット化はかなり厳しい。
例えば
・パスマのTwitterIDの綴りを間違えているor全然違うIDになっている
・IDの@は不要と書いてもつけたままの人がいる
→一律除外しようとすると名前に@が入った人がいる
なんてのがある。
一筋縄では終わってくれない。
主催の情報連携のためにDiscordを導入
2024年前半までは主催の情報連携はLINEだった。
正直naoちゃんと2人だったのでそれで事足りていたが、やり方の見直しを必要なトラブルが発生した。
それはLINEの引き継ぎ失敗。。。
自分が機種変をした時にQRコードで引き継ぎを選択したところ、そこに罠があった。
LINEをQRコードで引き継ぐと過去14日分のトークしか引き継がれないらしい。
しかも一度引き継ぎをすると旧端末からはトーク履歴は削除されるため、2週間以上前のトークはすべて闇に葬られた。
大体フラスタ企画は遅くても1ヶ月前には始動しているので過去2週間分ではどう考えても足りない。
そこでやりとりをするツールは機種変更等手持ちの端末に依存しないものを使う重要性を強く感じた。
また、同時期に2つ以上の企画が同時進行するとタイムライン形式のLINEは非常に相性が悪く、スレッド形式で分けることができるツールに切り替えることで効率化を目指すことにした。
そこで選択したのはDiscordだった。
SlackやTeamsも検討したが自分が実際に使ったことがほとんどなかったので一旦除外した。
Discordはアモアスをやっていた時に使っていたし、スクモのお花をイツメンだけで出した時に使えるなというのがわかったのでこの10周年のタイミングで導入した。
特にTRUE×FALSE公演は連日開催ということもあり横浜公演は若林さんを、大阪公演は彩雨さんを巻き込んでフラスタを出したのでやり取りに重宝した。
あと2024年の秋の怒涛のライブラッシュはチャンネル分けして進捗確認できたので比較的スムーズに進めることができたので複数人で主催をしている場合はおすすめ。
フラスタ企画を続ける上で大事にしていること
ここまでフラスタ企画の主催を続けて来て大事にしていることが1つある。
それは明朗会計であること。
お金の切れ目は縁の切れ目とも言う。
実際スクモのフラスタ企画を自分が引退した後に起きた金銭に関する不信感を与えるような出来事があった。
概要としてはフラスタ企画の主催を引き継いだ子の内の1人が担当したフラスタが、集めた金額よりも遥かに低予算で出せるクオリティのものを出したということがあった。
しかもその時は収支報告がされなかったのでどこのお花屋さんにいくらのものをお願いしてどれだけかかったのかもわからず、使途不明金となってしまった。
そうなるとその差額はどこへ?となるのは至極当然かと思う。
私がやっていた時はほぼ赤字で主催の持ち出し補填がほとんどだったのでたまたまこういったトラブルは起きなかったが、この時はこれが致命傷になってもう主催をやりたくない・参加したくないという人が増えてしまい、スクモのお花文化はほぼ絶滅した。
慣れない中頑張ってくれていた子もいた中での出来事だったので無念であった。
この苦い思い出を教訓として、つるフラスタ企画では集金額がどれだけあってどこの誰にいくらお支払いしたかの収支をすべて出している。
それだけで得られる信頼もあるのでこれからフラスタ企画を始める人は明朗会計を心がけてほしい。
フラスタを出す意味
何故フラスタを出すのか。出してる人それぞれの想いがあると思う。
演者に感謝を届けたい
参加してくれる人の想いをまとめて演者にプレゼントしたい
中には演者に自分に注目してほしい、なんて人もいるにはいる。
ルールの範囲内でフラスタを出しているのであればどれだって正解なんだとは思う。
私がフラスタを出す理由の一番大部分を占めているのはプロモーターやイベンターといった所謂、運営側の人に私が推している人にはこれだけの熱量をもったファンが付いているんですよ!というアピールである。
もしかしたら意外に思う人もいるかもしれない。
それでもフラスタという会場にくれば誰にでも見える形でアピールできるということは、これだけの人を動員できる演者であれば別のイベントで呼ぼうかなと思ってもらえるきっかけになると信じている。
ライブに行くだけじゃない応援の形の一つだと思う。
なのでフラスタなんて何基出ていてもいいし、あればあるだけいい。
もちろんこちらのフラスタ企画に参加したから別の企画に参加できないという制限もないので、無理のない範囲でみんな好き好きにやればいい。
個人的にも自分が考えていないフラスタを見るのはすごく楽しいのでもっとみんなフラスタ企画やろう!
わからないのであれば大体のことは答えられるので何でも聞いてほしい。
暇になったら次は去年出した駅広告のノウハウあたりを備忘録で残そうと思う。