働いても年金減らしたくない!!在職老齢年金のしくみ
65歳を超えて老齢年金がもらえるようになっても、まだまだ働くぞ!という人はけっこういると思います。
お給料の額によっては、在職老齢年金のしくみによって年金が減らされてしまう…というのは聞いたことがあるけれど、
一体どのくらい減らされるのかよくわからん!!
という方のために、めちゃくちゃ簡単に解説しますね。
①給料を超えない額までに調整して働く
年金→基本月額(老齢厚生年金の報酬比例部分の月額)
給料→総報酬月額相当額(標準報酬月額+過去1年間の標準賞与額の合計の1/12)
この2つを合計して50万円を超えると、超過した額の1/2が年金から支給停止されます。
「なんのこっちゃ?」ってなると思うので、すごーく簡単にいうと、
年金月額+給料の月額(ボーナス月割含む)が50万円を超えなければOKです。
ここで対象となる年金は「老齢厚生年金の比例報酬部分」のみです。
老齢基礎年金はいくら働いても減額対象にはなりません。
国民年金にしか加入してこなかった人や3号被保険者期間しかない人(扶養されていた人)は、
給料によって年金が減らされることはありません。
減額対象となる「老齢厚生年金の比例報酬部分」というのは、
過去の給料額によって計算される年金のことです。
配偶者(65歳未満)や子(18歳年度末まで)に対する加給年金(扶養手当)は上記の計算式には含みませんので、老齢厚生年金が支給されている限りは全額支給されます。令和6年度は408,100円(年額)です。
ただし、年金が全額停止になると加給年金も支給されません。
(1円でも老齢厚生年金が支給される時は加給年金は全額支給されます)
細かい話でいうと、経過的加算なんかも支給停止にはならないので、給料の額に関係なく支給されます。
文字で見たらよくわからんっていう人は、最後に事例を載せました↓↓
※令和6年度の支給停止となる基準額は50万円ですが、物価の変動により毎年額は上下します。
②個人事業主として働く
年金と合算して年金が支給停止になるのはいわゆる「給料」のみです。
会社員として社会保険(厚生年金保険)に加入しながら働く場合のみなので、事業所得は合算対象になりません。
すなわちフリーランスとして働くのであれば、いくら稼いでも年金に影響はありません。
65歳までにスキルを磨いて起業するというのも選択肢の一つですね。
どうなったら年金が減るのか→具体例で計算してみた
事例:老齢年金15万円/月
老齢基礎年金6万円+老齢厚生年金9万円(比例報酬部分のみ)
毎月の給料40万円
賞与(ボーナス)年間60万円の場合
年金9万円+給料40万円+賞与5万円=54万円
50万円ー54万円=▲4万円 のため、4万円の1/2である2万円が支給停止
年金は老齢基礎6万円+老齢厚生7万円=13万円が支給されます
この事例の場合は給料と賞与の合計が41万円以下なら年金は支給停止になりません。
年収でいうと492万円を超えるまでは大丈夫と思うと、60歳以降給料が減る人が多いことを考えると、わりと高給ではないでしょうか。
また、給料が68万円以上になると老齢厚生年金が全額支給停止になります。
(老齢基礎年金の6万円は支給されます)
社会保険(厚生年金保険)に加入しながら働くと、当然ですが将来の年金額も増えていきますので、それはそれでメリットがありますね。
自分にとって、どの選択肢が一番いいのかは、実際の年金額や給料額によって変わってきます。
今回、わかりやすさを重視しているため、かなり端折った説明になっています。
実際の給料額の計算は複雑なので、個別具体的な計算をするときは社労士さんに依頼してくださいね。