小泉進次郎さんの言動に見るリーダーとしての振る舞い
「40’s Biz talk」は法人営業やBtoBマーケティングが専門の40代男性2人、杉本浩一と柳澤大介がお届けするポッドキャスト番組。
音声番組の内容を読みやすく要約してnoteでお届けしています。第48回は「リーダーとしての振る舞いとは?」です。
それでは、本編の内容をお届けします。
失礼な質問に対する小泉進次郎さんの受け答え
柳澤:今回のテーマは「リーダーとしての振る舞い」です。このあいだ小泉進次郎さんが総裁選に出るということで、記者会見をやりました。そこで小泉さんの演説が終わった後の質疑応答の時間に、フリーランスの田中さんという人が質問をしたんですよね。
「小泉さんが首相になって、G7に出席されたら、知的レベルの低さで恥をかくのではないか?」と。
杉本:ひどいこと言うよね。
柳澤:そう、ひどいこと言うんですよね。
杉本:知的レベルの低さって。余計なお世話だよ!って俺だったら思っちゃう。
柳澤:でもそこからの返しがすごかったじゃないですか。
杉本:それがバズったというか、逆に応援している人が増えているきっかけになってますよね。
柳澤:仕込みじゃないかっていうくらい華麗に返したじゃないですか。
杉本:そうですね。でも間違いなく仕込みではないんですよね。
柳澤:そうそう、仕込みではないですよね。
杉本:田中さんの他の発言を見ていると、アンチ小泉さん、アンチ自民党って感じの人。だからたぶん小泉さんが地で答えた返しなんですよ。
柳澤:そう、失礼な田中さんと最後仲良くなれると嬉しいです、みたいな返しをした。その包容力たるやっていう。
杉本:あと、「あなたお名前何でしたっけ?」って聞いたじゃないですか。
柳澤:はいはい、あれ緊張感が走りましたけどね。
杉本:ちゃんと名前を聞いて晒すんだって思って、怖さを感じましたね。そのつもりだったのか、そのつもりじゃないのかわからないです。単純に本当に名前を聞いただけで、田中さんって呼びかけたじゃないですか。
呼びかけたいがためにそう言ったのか、晒してやるぞの気持ちも含めてやったのか。怖いですけど、いや、よく聞きましたよね。
柳澤:環境大臣の時も同じようなことを言われました、と。2年間の任期を終えた後、そのことをおっしゃった記者の方とは花束をいただく関係になりました。田中さんともそういう関係になれれば嬉しいです、みたいなね。
ちょっと前に都知事選の収録もしたじゃないですか、石丸さんの話。石丸さんだったらフルぼっこにしてたんだろうなっていうコントラストもすごいなと思って。
杉本:そうだね。小泉さんって福島に何回も足を運んでるんです。汚染水の風評の話があって、もう問題ないのにそういうデマが飛び交ってる時に、小泉さんは福島の海からサーフィンしながら登場してきて。「いやー、海はいいですね」みたいな、そういうパフォーマンスをしてるんですよ(笑)。
みんな笑っちゃって。体を張ったパフォーマンスもやるじゃないですか。周りから見てても、意図的に演じている部分と天然な部分があって。
でも、あれはすごい喜ばれましたよね。小泉進次郎さんって、進次郎公文みたいな感じでバカにされるところもあるけど。まあバカにされるっていうか、ネタになる、ネットミームになりやすい人だけど、でもネットミームになりやすい人って、実は愛されキャラではありますね。
項羽と劉邦の関係に置き換えると
杉本:仮に小泉さんがフリーランスの田中さんが言ったように知能レベルが低いとするじゃないですか。でも愛嬌はありますみたいな。だけど、こういう人って結果的にはリーダーの資質としては悪くないんじゃないかって。
近寄りやすさと、バカである、抜けているっていうことは、リーダーとしては実は悪くない。
むしろ頭が良くて隙がない人の方がリーダーに向いていない。兵庫県の知事でしたっけ、頭の良い人のほうがパワハラしがちなんじゃないかと思ってて。こういう人って隙がないと思うんですよ。部下を詰めてしまう、結果、ついてこないっていうのがある中で、小泉進次郎さんはいい意味で隙だらけ。
隙だらけなんだけど、人はすごく良くて、志は高いし、育ちもいいし、俺が助けてやらなきゃって思う人が集まってくるみたいな。
この話をするときに僕が思い出すのは、項羽と劉邦っていう本ですよね。項羽は昔の中国の将軍で、頭もいいし戦えば連戦連勝みたいな将軍。一方で劉邦は酒のみで豪放磊落で人が良い。
人が良いからお酒を飲んでると周りにどんどん人が集まってくる。劉邦おじさんが酒飲みに来てるらしいぞって、じゃあ俺も顔出すかみたいな感じで、彼が来るとみんなが集まるから劉邦には店も無料で酒を出すんです。他の人は金払わなきゃいけないっていう、店も非常に上手いなって思うんですけど。
そういう抜けてるけれども人望があるっていう人で。結果的に劉邦の配下には歴史に名を残す名参謀、名軍師、名将軍みたいなのが集まってくるわけなんです。最後、めちゃめちゃ強い項羽は劉邦に負けちゃうんですけど。
昔からのそういう話があるように、最後に勝つのは、人が良くてたくさんの優秀な部下を集められる人だと思ってて。これを見ると、総裁選の候補者は頭の良い人が多いじゃないですか。河野さんとか茂木さんとか、小林さんとか。
進次郎さんも決して頭は悪くないと思うけど、馬鹿っぽくて人の良さが目立つタイプの人。歴史の古事からすると、勝つのはたぶん小泉さん。
どうやら優秀な参謀がいるわけじゃないですか。間違いなく小泉さんが自分でスピーチライトしてないですよ。
柳澤:まあ、もちろんね。
杉本:いつの間に優秀な参謀を集めたんだろうっていうのが気になりますけどね。親の七光りもあるかもしれないけど。
偏差値の高い人たちを「使う」能力
柳澤:最近、学歴問題でも炎上してるんですよ。
杉本:ああ、学歴ね。
柳澤:小泉進次郎さんは関東学院大を卒業してコロンビア大に留学したんですね。だけどコロンビア大って世界でもトップ16位以内の大学なんで、裏口で入ったんじゃないかって。要は関東学院大学の人だと学力的には普通は入れるはずじゃないみたいなことを遠回しに言ってる人がいたんですよ。
だけど、コロンビア大のような名門は、コネクションとか政界に影響を表す人を入れるのは当たり前のことで、勉強で真正面から入る人の方がマイノリティじゃないかみたいな話も出てたりしたんです。
杉本:なるほどね。
柳澤:確かに関東学院卒の人がなんでコロンビア大学に入れたんだ!みたいなのも言ってることはわかるけども、でもさっきの田中さんへの返しって偏差値の高い人が必ずしもできる返しじゃないじゃないですか?
人としての教養の高さっていうか、人間力が反射的に出たんじゃないかな。総裁選の他の候補者はみんな最高峰の大学を卒業してる人たちなんだけど、戦ってる土俵を変えてるなって感じがしましたけどね。
杉本:そうですね。土俵を変えてるし、実際、偏差値って各科目の成績がいいっていうことじゃないですか。
これはビジネスの世界でもそうだと思うんですけど、必要なものってそこじゃないですからね。リーダーに必要なのは人を惹きつける力。偏差値が高い人たちを使う能力のように。
ビジネスマンでも必ずしも東大や慶応の人が上にいってるかというとそうでもないし、逆にそうじゃない人がリーダーっていうか起業家とか代表になってて、その下のCFOとか他の役職のところを有名大学出身の人が支えてるみたいなケースってよくあるし。
僕は政治家を人柄の面で見るんですけど、いわゆる家柄がいい人たちって、性格もいいと思うんですよ。あまり擦れてないじゃないですか。
柳澤:それは感じますね。
杉本:のほほんとした人の良さみたいなところがあって、それが人を安心させるというか、余裕があるというか、小泉さんもそれに近いのかなって思って。
小泉劇場シーズン2は起きるのか
柳澤:前提として、岸田さんはいろんな不祥事があって、このまま選挙戦うと自民党の議席がだいぶなくなるから、降りざるを得なかったみたいな背景があるわけです。次の首相に誰がなるかによって、自民党の議席がどれくらい取れるかが決まってくる。
小泉さんが先週これをかましたんで、自民党の中でも小泉さんが首相になって自分の選挙の時に応援に来てくれたら、だいぶ後押しになるじゃないですか。そう考えるともう勝負あったなって感じもしますけどね。
杉本:なるほど、これ実際どうなんでしょうね。本当にそれで動いちゃうのかな。今回群雄割拠というか、誰が勝つか本当に分からない中で、チャンスの人ってたくさんいた気がするんですけど、それだけの論で動いちゃうものなのかなっていうのが、逆に驚きだったりもするんですけどね。
柳澤:自民党に所属している個人の議員としてのベネフィットはあるじゃないですか。石破さんが応援に来るより、小泉さんが来たほうが絶対に票は入る。
杉本:石破さんよりは入る、確かにな。いろんな人を見ていると、底抜けに明るいのは小泉さんですよね。リーダーには明るさが欠かせないかもね。
石破さんがまさに好対照な例で。悪い人じゃないと思うんですけど、石破さんは応援に来てもらっても暗そうっていう。
柳澤:小泉さんが来るとマスコミもいっぱい来るじゃないですか。また石丸さんの話出しちゃいますけど、いわゆる石丸さんも政治はエンタメだって言ってたんですけど、違った切り口で誰も不幸にしない幸せにするエンタメを提供してくれるわけじゃないですか。エンタメ視点で見ると、自民党が選挙で勝つには小泉さんだと思う。
杉本:まさに小泉劇場シーズン2というか、親子にわたって小泉劇場で自民党を盛り上げていくってすごいことですよね。
柳澤:この前の切り返しを見て、ただの親の七光りだけじゃないんだなっていうのは感じました。
杉本:そうですね。あれ?っていう感じだったというか。え、こういう感じでしたっけっていうか、むしろ僕の中では間違いなく小泉さんだけってよりも、明らかに名参謀が後ろについてて、そんな人がつくだけの素養なんだっていうのがこれでわかったっていう感じですかね。
柳澤:政策もすごく良かったっていう話も出てますしね。
杉本:これだけ人を引きつける力があったのかっていう、これは恐ろしいことというか、すごいことだなと思って注目してますね。
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