上京して4年、旅するエンジニアで家庭持ちがビジネスにもならないのに横浜でシェアハウスをはじめた理由
こんにちは。あれふです。
※某宗教団体とは関与ありません
私はIT系の人々が集まる横浜のシェアハウス『ギークハウス横浜大倉山』を運営しています。
この記事では『シェアハウスはいいぞ!』とシェアハウスを啓蒙するために書いています。特に地方から仕事を探しに上京するエンジニア志望の方へ。『シェアハウスはいいぞ!』
私がシェアハウスに入居したきっかけ
みなさんはシェアハウスに入居した経験はありますか?
私は4年前に上京するまではシェアハウスは未経験でした。
それまでは10年近く拠点を転々としながら一人暮らし、その次は母親を扶養しながら2人で生活していました。
地方で細々とSIerへ派遣されるSESエンジニアで、毎日同じことの繰り返しでした。一年があっという間に過ぎ去っていく感覚。12月に振り返ってみても一回ぐらい旅行したかなあぐらいの思い出しか残っていません。
そんなとき、退職を機に時間ができたので一ヶ月ほど東京で情報収集してみようか、とシェアハウスに入居したのがきっかけです。そのシェアハウスは神奈川県川崎市にある『ギークハウス新丸子』でした。
最初は一ヶ月だけ滞在の予定が、シェアハウスでの生活があまりにも楽しすぎてもう一ヶ月、もう一ヶ月…と気づけば数ヶ月滞在し、そのまま東京で就職をしてしまいました。
下記のインタビューでもさらりと触れられていますのでご興味のあるかたはぜひ。
シェアハウスの魅力
さて、そんな楽しいシェアハウスですが何がそんなに魅力的なのでしょうか?
魅力的な要素は数多くあります。少し紹介させていただきますね。
同居人の魅力
こればかりは当時住んでいた同居人による、という運ゲーなので再現性はありません。ただ、シェアハウス経験が多い方は総じて『経験値が高い』のでどんな話でも面白いです。毎晩毎晩、どんなテーマでも盛り上がります。
シェアハウスによっては住民同士の交流を活発化させるために寝室にこもらないようになるべくリビングなどで過ごすようにしているところもあります。そうすると自然と面白い話が耳に入ってきます。参加するのは気恥ずかしいかもしれませんが、そこは思い切って飛び込んでみましょう。
私は同居人と弾丸ツアーで北海道の積丹半島へウニを食べに行ったり、台湾や中国、インドやベトナムに行ったり、技術やエンジニアの価値観として深夜まで語ったり。いっしょに個人サービスを開発したりと本当に刺激的な日々でした。
家賃/生活費の安さ
家賃の安さもあります。ギークハウス新丸子の家賃は当時45,000円でした。寝室はドミトリーの4人部屋です。
個室でもなく45,000円って実際どうなの、と聞かれることもありますがこの家賃の中には
・電気代
・ガス代
・水道代
・高速インターネット代
・米
が含まれていました。
仮に一人暮らしをした場合ですと
・電気代:約3,500円
・ガス代:約2,000円
・水道代:約1,500円
・高速インターネット代:約6,000円
・米:一月5kgで約2,000円
※光熱費はSUUMO調べ
ぐらいでしょうか。合計すると家賃以外に15,000円ほどかかる見込みです。
インターネット代をマンションタイプにしたとしても10,000円以上はかかります。
調味料なども用意されており自由に使えます。この45,000円に食費だけで東京近辺で生活することができます。ギークハウス新丸子は東急東横線という渋谷・新宿まで乗換なし25分程度で行けるのでアクセスも便利でした。
一人暮らしですと更に設備投資もかかります。
・炊飯器、電子レンジ、食器類
・洗濯機、風呂周りの消耗品
・ベッド、エアコンなど寝室周り
・机、椅子、モニターなど作業部屋周り
これらも全て含まれています。引っ越しすると敷金礼金家賃だけを意識しがちですが、生活するのに必要な設備投資も馬鹿になりません。そして、それらを購入してしまうと別のところへ引っ越すのにフットワークが重くなってしまいます。
質の高い情報が集まるコミュニティ
私がエンジニアということもあり、周りもエンジニアが多く集まっていました。なので誰かが口を開けば最近の技術トレンドやスタートアップ企業の情報が飛び変わっています。
当時はブロックチェーンが最盛期。そもそもブロックチェーンの仕組みを知らなかった私に色々な方が解説してくれました。ビットコインを投機目的で購入するのではなく、マイニングしたり社会インフラとして使えないか夜通し語り合ったりして、あっという間に知識が溜まっていきます。
結果、ブロックチェーン絡みのイベントやハッカソンに参加したりと非常に刺激的な時期を過ごすことになります。
各々が勉強したことを話し合い、毎日情報の質を向上し合う環境は会社や一人暮らしでは成し得ません。
実際、私は同居人の会社に入社したり、同居人といっしょに個人サービスを作成したり、同居人といっしょにスタートアップを創業したりしています。
これからエンジニアを目指す方へ
退職し、これからエンジニアを目指す方が入居し、シェアハウスで影響を受けてエンジニアになった方は数多くいます。
プログラミングを学ぶさいに、個人的には独学でも学べると考えていますが一人では孤独です。なので、挫折する方も多いと聞きます。
それを解消するために、
・イベントに参加したり
・プログラミングスクールに入ったり
・シェアハウスに入居したり
すると、同じような仲間と切磋琢磨でき、かつ刺激を受けることができるのでおすすめです。
ただ、どれも良し悪しはありますので色々な方から客観的な意見をもらって判断するのが良いでしょう。
私の周りでもニートでシェアハウスに入居してからエンジニアになった方は多いです。もちろん、個人の努力次第ではありますが、質の高い情報が集まったり刺激を受けることができる環境というのは自己成長にも繋がると考えています。
下記サイトは私の言いたいことがきれいにまとまっていたので勝手にご紹介させていただきます。
シェアハウスのメリット
シェアハウスのメリットは上述した通りですが、簡単にまとめますと
・家賃に共益費や生活に必要なものが全て含まれているので生活コストを抑えることができる
・敷金/礼金が無いため初期費用を抑えることができる
・家電/家具など設備投資が不要
・一週間や一ヶ月など短期でも住むことができるので引っ越しよりもリスクが低い
・同じ価値観を持った友人を作れる
・悩みや疑問を相談できる環境がある
・一人ではついだらけてしまうが他人がいることで刺激を受けられる
・技術トレンドや様々な情報を得られる
・合わなかったらすぐに引っ越せる
などでしょうか。
一人暮らしは生活費のコストに加え、初期費用や退去など非常に手続きが面倒です。個人的には一人暮らしは非常に贅沢な暮らしだと感じています。
シェアハウスのデメリット
逆にデメリットはなんでしょう。
・常に人が居る状況になるので独りになりたいときは外に出ないといけない
・パートナーができる、結婚、出産などのライフイベント発生時に困る
・ゴミ捨てや掃除などが当番制であったり、有志が対応したり
・あまり清潔な空間でない場所もあり、きれい好きな人は難しいことも
・物が壊れることを考慮するとあまり設備投資できない場所もある
・住民同士でのトラブルが発生する可能性がある
このあたりでしょうか。
特に「自分の時間が持てない」というのが辛いと感じる人が多いかと思います。私は自分の時間を作りたいときは外に出てカフェやビジネスホテルに宿泊したり一人でぷらっと旅行したりしていました。これは家族と同居している方なら同じような対処になるかと思います。
ギークハウス横浜大倉山のメリット
当シェアハウスでは他シェアハウスに比べて以下のメリットが追加されます。
・大倉山駅がファミリー層に人気で治安が良い
・住民がほとんどエンジニアなので技術相談や技術仲間ができる
・オーナーが現役エンジニア兼研修講師のためプログラミング教育を受けられる
・設備投資しているので自炊やテレワークの作業環境が良好
・最寄り駅まで徒歩2分という好アクセス
・オーナー夫妻が同居しており超きれい好きなためシェアハウス全体が非常に清潔できれい
・オーナー夫妻が同居しているため住民同士のトラブルを未然に防ぐ
などなど。オーナーが他シェアハウスで経験したうえで、良かったこと悪かったことをうまく改善して取り入れています。
ギークハウス大倉山のデメリット
では逆に当シェアハウスのデメリットも挙げてみます。
・最寄りの大倉山駅がマイナー
・各駅停車しか停まらない
・シェアハウスにしては4LDKとそこまで大きくないため、入居できる住民が少ない
・家賃は他と比べて少し高め
大倉山駅がマイナーで、当シェアハウスに訪れた人はみなさん口を揃えて『初めて降りた』と言っています。そんな私も物件を見るまでは知りませんでした。
急行が停まらないのもマイナスですね。ただ、各駅停車でも渋谷/横浜間はほとんど差が無く、確実に座れることができるのはメリットかと感じています。
4LDKとシェアハウスとしてはあまり大きくなく、住民を詰め込んでいるわけではないので入居可能人数が多くありません。そのかわり、共有場所を快適に過ごせるような設計になっています。
家賃に関しては他のシェアハウスと比較すると高いかもしれません。ただ、設備投資が大きく、管理費用も含めているのでどうしても高くなってしまうことと、お金に困っている方が住民として入居するのではなく、ある程度収入がある方だけが入居できるというフィルタリングにもなっています。
シェアハウスを始めて提供したかったもの
私は地方のSESで消耗しきっていました。自分が勤めている会社が他と比べて良いか悪いかの判断もできませんでした。
しまいには誰も信用することができず、うつ病にかかったこともあります。もし、もっと誰かに相談できていたら防げたかもしれません。酷いときは尊敬する先輩や上司、親ですら敵だと認識していました。味方は一人もいない。家でも、職場でも。それでも退職できません。退職という選択肢が思い浮かばなかったのです。
朝起きると身体が動かない。重りを引きずりながら通勤し、通勤途中に事故に遭わないかなと願っていました。そうすれば会社へ行かなくて済むのにと。
毎晩寝ることもできません。目をつぶればどうやって死のうかと自殺のことばかり考えていました。寝るのが怖かったのです。そしてまた、身体が動かなくなる朝が来ます。
それが毎日訪れ、気づいたら一年が過ぎ去っています。
病院を勧められ、うつ病と診断、休職しました。復職後もそこまで大きな変化はありませんでした。いつもと同じ毎日がやってきます。
思い切って退職し、上京しました。シェアハウスに入居したことで価値観がぶっ壊れました。もっと楽に生きていいんだと。選択肢はもっとあったんだと。
今の会社がおかしいのでは、と悩んだら同居人がばっさり『そんな会社辞めたほうがいいよ』と理由や根拠を元に相談に乗ってくれます。仕事が無いならいっしょに働こうよと言ってくれます。紹介するよと背中を押してくれます。
シェアハウスに入居したことで、一人の人間が救われたのです。
今の私を知る人からすると信じられないかもしれません。今はものすごくポジティブで、明るい印象があると思います。当時はとても保守的で、チャレンジするのに石橋を叩きまくって行動できない人間でした。そんな人間が、環境でこうも大きく変わるものかと我ながら驚いています。
自分の状況を客観的に判断してもらえる場所としてシェアハウスはうってつけです。しかも周りは同じようにエンジニアばかり。参考にならないわけがありません。
私と同じように、苦しんでいるエンジニアもたくさんいると思います。私が経験した内容を共有することで、一人でも救われてほしい。
また、地方や都心でもエンジニアを目指している方にはプログラミングが学べる環境でもありますし、切磋琢磨できる仲間がいます。
私もエンジニアへのロードマップやキャリアパスなんかもお話できると思いますので、質の高い情報を少しでも多くお届けできれば幸いです。
シェアハウスはビジネスとして成り立つのか
結論から申し上げますと、私が運営しているシェアハウスではビジネスとして成り立っておりません。
私は管理会社からこの家を賃貸で契約し、大家さんに許可を得てシェアハウスとして運営しています。家賃そのものも高額ですし、加えて光熱費、通信費、米、パスタなどの消耗品など考えると満室でようやくトントンといった温度感です。とてもではありませんがこれで事業を回していくのは難しい。
大きいシェアハウスや、住民の収容人数を増やすことで利益を増やすことも可能です。物件次第だったり家賃設定だったり、様々な要素があります。
それでも、お金が目的で運営するというよりは色々な方と交流することで住民や、私や、妻が多くの経験を得られる場所を提供できることのほうが重要だと考えています。
もちろん慈善事業ではないので、住民がいなくなってしまったら閉じざるを得ません。ですがそれまではなるべく続けていきたい。
最後に
シェアハウスを運営してみるとわかりますが、入居者を集めるのは大変ですしビジネスに振り切らないと黒字化も難しいです。
それでも、私個人としてはシェアハウスを運営して入居者の方たちと接点を持ちたい。人と人を繋げていきたい。知らなかった世界を知ってほしい。
「ここに住んでてよかった。人生に影響があった」
と言ってもらえれば最高です。
もし興味があれば気軽にDMなどご連絡ください。オンラインでも色々とお話しましょう。