気になるササクレ⑤
「魂を込めて売っています」
広告会社に長年勤めていると様々な業種とぶち当たる。世の中に出回っている色々な商品と遭遇する。
できの悪い社員だったぼくはその度に気持ちが立ち止まり思考が停止していた。
ほとんどのクライアントの社員が自社の商品を褒めちぎり、あたかも自分の分身のようにトークを連発する。
その度にその会話についていけない自分がいて、どのように処理したらよいか腐心していた。
その最大の理由は何故、そこまで商品の利点や性能や社会価値的なものにのめり込めるのか?それほどその商品が命を代えがたいものなのか?
本当に、ひとりのニンゲンとして、魂を注入する商品なのか?
そんな世界は嘘にまみれているとは言わないけれど信じられない世界ですよ。
その人が、仕事を離れ、丸裸になったとき、そのようなものは、めったにお目にかかることがないのでは。
車ディーラーの応援スタッフで立ちんぼをした時、その車に興味をもてず、どうして自分に嘘をついているんだろうと、そればかり思っていた。
当然その役割から外された。表情そのものが異常だったからだ。
本当に凄い商品を売って欲しいです。
そうだったなら力を込めて応援します。
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