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いわきFCという「チーム」
スプリントコーチの秋本真吾です。
子供たちからトップアスリートまで人の足を速くすることを仕事にしています。
いわきFCの一員になって2ヶ月が経ちました。
正直、陸上競技という個人で戦うスポーツに長くいた身として、「チーム」として戦うということがこんなにも新鮮で胸が熱くなるものなんだなと日々感じています。
たった1人で競技場を走る。練習も試合も1人。そんな時間を知っている自分としては試合や練習で選手同士の相手を尊重した上でのコミュニケーション、監督スタッフの日々選手を思っての言葉がけなどを聞いていると「チーム」っていいなと思うわけです。
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大倉社長の凄さは常にクラブビジョンを選手に、スタッフに、サポーターに向けて伝えているところです。勝負に勝つ!というところだけでなく、いわきFCというチームとして、会社として、どういった方向に向けて進んでいかなければならないかの指針を常に示している。ついていく身としては安心して目的地を目指しやすくなり、全力でオールを漕ぐことができます。
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ただ、初めてとは思えないほどの存在感があります。トレーニング中の村主さんを見ていると、選手の一挙手一投足までしっかり見ている感じがします。普段はとても温厚で優しい。ただスイッチが入るとただならぬオーラがあります。
僕が村主さんの選手に伝えるメッセージで好きな言葉があります。
「俺たちのやるべきことは変わらない」
いわきFCは今年から初めてJリーグにチャレンジします。
J3 18チーム中18番目。相手は全て自分たちよりも格上。そう聞くと何か特別なことをしないといけないと構えてしまいます。下剋上という言葉を意識しすぎてしまい選手自身も肩に力が入ってしまいがちです。ただ、いわきFCのサッカー、村主さんが考えるサッカーを日々作り上げて、それを確実にやれば勝負に勝つという答えが結果見えてくる。明日の開幕までに積み上げてきたトレーニングがいよいよJリーグという舞台で披露されようとしています。
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いつも冷静で選手へのトレーニングメニューの説明も簡潔で分かりやすく、選手に対する声かけは常にポジティブ。デスクでもピッチでも淡々と周りを見ながら行動しています。そこまでするの?という業務も気づいたらやられているので、「やりますやります!」とこちらがダッシュ。現役時代は絶対にポジションはボランチだと予想して、俊さんに聞いて「そうです」と言われた時にやっぱりとニヤけました(笑)
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すごく嬉しかったのが、僕の走りのトレーニングの際にキーパーの選手も必ず受けてくれたいたことです。
ある時、「今日の練習はキーパーの動きにも確実に生きるしいいね!」と言ってくれました。僕のトレーニング中も「この動きあるぞ」とキーパーの選手に声かけをしてくれていました。僕の中ではもちろんキーパーの選手にも生きるトレーニングだとは思っていますが、それをトレーニングを近くで見て感じてくれていたことが嬉しかったです。
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ある時、心身ともに求められるような走る練習がありました。選手自身も士気を高めるべく声を上げます。そんな中、1番を声を出してくれているのは匠さんでした。選手が「匠さんの声に助けられてる」と言って天を仰いでいる姿を見て「声」の重要性を感じました。
僕のトレーニングの時も頻繁にメモを取っては、質問をしてきたり、自分の中で取り入れようとする姿勢に感動しました。僕自身も自分が考えたトレーニングの狙いがあっているかを匠さんにこまめに相談しアドバイスを求めるようにしています。監督や選手の温度感を悟っては1番気合いが入っているのは匠さんだというのを僕は知っています。
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僕がスプリントコーチとして就任が決まった数日後に、電話で話したいと連絡があり、実際に新しい取り組みに対しての僕がどんなトレーニングをしていくのか、どういう考えを持っているのかを真っ直ぐに疑問質問をしてくれました。その時間はこの2ヶ月のスプリントトレーニングのベストの形に繋がったと思っています。
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僕がいわきFC内にある写真の中で1番好きな写真があります。まさにクラブの歴史と想いが積み重なった1枚だなと。
このいわきFCというクラブをここまでのクラブにしたのは間違いなく、大倉社長と田村さんあってのことだと思っています。
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実は平松さんがFC東京でプレーをしていた時に僕の走りのトレーニングを何度か受けたことがありました。僕がまだ現役を引退して間もないタイミングで僕のコーチングの仕方も拙かったと思います。成長した姿を平松さんにも見せたいという思いもありました。こういった形でまた関わることができて嬉しく思います。
トレーニング中も選手の大学時代のエピソードだったり、どういう想いで選手を獲得したか、あの選手が速くなったら面白いなど、そういった背景を平松さんから知れることで、僕自身のコーチングのプラスにもなります。
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穂苅さんとはフィジカルのトレーニングでも関わることが多く、これまでのいわきFCが積み上げてきたトレーニングの礎を生かしながらも、レベルアップするためのトレーニングの提案も議論しながらも作り上げてきました。
僕のトレーニングはこれまでにない箇所へ負荷がかかったり、選手への疲労感も懸念しながら進めてきました。故障だけは避けたい。でも、ここだけはトレーニングを積んでほしい。そんな中で穂苅さんの「もし選手が故障してしまったとしても、僕が治すんで」という言葉は本当に心強かったです。
ハードな業務が終わった後も一般の方のトレーニングまで見ている。思わず「ちゃんと休んでますか?」と聞いてしまいました。
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選手の「リハビリ」の深さを学ばさせてもらっています。選手の怪我に合わせての強度の調整、トレーニングの内容をグランドで復帰に向けてのリハビリメニューを見て、サッカー選手はこういうトレーニングをするんだとか発見が多かったです。復帰間近で強度が上げられてきている選手にはうまく僕自身も連携し自爆系の怪我の再発を少しでもなくせるようにアシストしたいです。
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「アナリスト」という職業。こんなにもサッカーを研究し、分解し、分析をしていることに驚きました。細かなデータを元に監督コーチ、選手へのフィードバック、相手チームの分析と対策。僕自身も選手のトレーニング中の走行距離や最高速度などを知れるのは非常に大きいです。試合トレーニングそれぞれ村上さんとの連携もしっかり深めていきたいです。
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なんと御歳73歳。トレーニングが始動してからしばらくはほぼ何も言わず選手を眺めていました。あれ?このまま何も言わない感じ…?と思っていた時、ある日僕のトレーニングが終わって比佐さんに話しかけられました。
「ここの選手たちは力発揮がみんな長いよね?」
その時、ああこの人は全て分かってたんだなと思いました。そこから僕自身もスペシャリストの比佐さんにウエイトトレーニングのことについて鬼の質問攻め。そこで比佐さんからもらえた答えは本当に価値のあるものでした。僕が選手にやる体幹トレーニングも「見学していい?」と言って見てはうんうん頷く。トレーニングとは何かを分かっている。なのに自身も学ぼうとする。経験してきているレベルが違いすぎる。本当に偉大な方です。
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僕自身もこの2ヶ月でたくさんのことを学ばさせていただきました。スプリントコーチになって9年目になります。これまで多くのサッカー選手に「速く」「初速」「効率よく」「方向転換」「ストップ」を僕なりの経験で伝えてきました。いわきFCのチームの一員になって2ヶ月。その9年よりも濃い時間を過ごさせていただきました。
明日いよいよJ3が開幕します。
今日鹿児島に向かう選手をバスから見送った時、こんな気持ちになるんだと初めての感覚でした。
明日ここまで沢山のいわきFC関係者が築き上げてきた成果を出すべく。選手だけでなく、関わるスタッフ全員で初の「J」の舞台に挑みます。