13.朝の空気は目に見える(気がする)
先日、久しぶりに朝日を見た。仕事が昼からの出勤に変わってから、朝日とは無縁の生活を送っていた。
その日はたまたま早朝に目が覚めて(というか1時間ごとに目が覚めてしまいほぼ眠れなくて)開けっ放しのカーテンから刺す朝の光に誘われ、ベッドから起き上がった。
そこには黄色と赤を真ん中から横に二つに割ったようなコントラスト高めの朝日が、見事に真っ直ぐこちらを見ていた。直射日光。日焼けする、と思った。
早起きは苦手だが、朝の空気には特別なものを感じる。始発電車の音。鳥のさえずり。鼻を刺す、少し冷たい。「澄んだ空気」と表現するのがしっくりくる気がするが、朝の空気を介した音は、フィルターを一枚重ねた先から聴こえるように思う。
本来「澄む」の意味を調べると、「不純なものを含まず清くなる。水や空気などに濁りがなくなり、透きとおった状態になる。」ように、無色透明のようなイメージだが、わたしが感じる「朝の空気」は少し重く、厚く、そして目に見える気がする。昼や夜よりも明らかに「朝の空気」として、そこに存在する。
昼になり、夜になり、一日が終わる頃には、沢山の不純なものが混ざりに混ざった、重く厚く目に見えるならきっと濁色な空気になっているはずなのに「夜の空気」というものは全く感じられない。まぁ、朝の空気の方が「澄んでいる」ことに変わりはないんだろうけど。なんなんだろ。よくわからん。
規則正しい夜更かしをしているので、次に朝日を拝めるのはいつになるか分からないが、また出会えたら今度は、朝の空気を感じながら散歩をしてみようと思った。そんな、眠れなかった日の話。