見出し画像

33.戯言


わたしは今、32歳
来年2月に、33歳になる

32歳と33歳
一年違うだけなのに、なんだか
急に一気に歳を重ねたような字面だなと感じる

若くはないな、わたしの中の感覚だけれど


__________



32歳と、もうすぐ10ヶ月
それなりに色々なことを考える

周りから見たらわたしは
安定した職場で、好きなことをして、自由奔放に楽し生きているように見えるかもしれない
そう言われることが多いからだ

たしかに
会社が潰れる心配はとりあえずしていないし
絵を描いたりライブに行ったり、自分を楽しませる方法は最低限知っている、けれど
割と考える
今に満足はしていない

最近特に考えている
この先のこと



なるようになるし、なるようにしかならないけれど
まだなれてないうちにそんな
寝転がって頭の後ろで手を組んで遠い目をするには
早いのはでは無いか、とか
もう少し、手足の指に力を入れて、
体を起こしても良いのではないか

本当に「なるようになる、なるようにしかならん」と自分が思っているのか
実はもっと、藻掻いて揉みくちゃにされて
手足の指に力を入れて起き上がって

そんな刺激を求めているのではないか

安定が好きなくせに
冒険を恐れるくせに
手放す勇気がないくせに
「わたし、本気で生きてみたい」
なんて言う奴の本気など、たかが知れてるなと思うけれど


__________



まわりがどんどん家庭を持ち始め
少なからず、焦りはある

子どもはいりません、人と住めません
なんて公言してきたわたしも
その謎の呪縛から少しずつ
解き放たれていきそうな感覚が最近ある

数年前に感じた、性別やイメージの呪縛を抜け
女になりたい、と思ったあの日のような
紐がどんどん緩んでいく
環境が、誰かが、その紐を解く


その感覚を認識するようになってから
この先のことを考えていた


1番悩ましいのは、子ども
子どもを産むには、期限がある
欲しいからと言って授かるものでは決して無い
この先「この人との子どもを産みたい」と思った時に、適齢期が過ぎていたら、どんなに悔しいだろうか
それも運命、と受け入れられるのだろうか
だったらやはり、産むも産まぬも
卵子凍結という選択肢を視野に入れるべきなのだろうか

そんなことを考えるようになってしまった


__________



そんな矛盾を、ずっと抱えている
飛び出したいのか、守りたいのか
わたしの人生の軸はどこへ行ったのだろうか
わたし何のために生きているんだっけ
わたし何をしているんだっけ
唐突にそんな自問をしては、答えは無い

わたしこの先、何がしたいんだろう


__________



40代おひとりさまのSNSを見て、安堵したりする

日本では、30歳目前で
結婚や転職などの選択肢を強いられるが
フランスでは40歳がひとつのポイントになるそう

「30歳になるから、もう30過ぎだから結婚を考える」
ではなく、いくつになっても
「この人と結婚したいから結婚する」
そんな心で選択肢を持ちたい


そんな気持ちはあるけれど、1番はやっぱり自分の親に
わたし、こんな素敵な人ができたんだ
この人とこれから人生を歩んでいこうと思う、だから
安心してよ、わたしはひとりじゃないよって
伝えたい

やっぱりそこなんだよね
親にはなんとか長生きして欲しい
こんなわたしをずっと心配しているから
口では言わなくても、わかるから
人の死はコントロールできないけれど、どうか

どうか

__________


なんかたぶん
羨ましいだけなんだろうな、他人が。
そちら側に行きたいだけなんだろうな、自分が。


こんなこと考えてしまうなんて
今年も冬が来たね。


...

いいなと思ったら応援しよう!