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嬉しさに生きていこうぜベイビー!

 今日、全国に非常事態宣言が出された。

こんなこと今までにあったか?

…ない。記憶の限りない。

世界中が息をのんで動向を見守ってる…

昨日までのあたりまえや常識の全てが覆された。

「コロナ」なんて言う名前の流行り病だかなんだか

得体の知れない未知のウイルスによって

経済活動が強制停止させられることになった。

生命が先か経済が先か?

いやいやそんな二者択一ではなくて

経済が立ち行かなくなれば自殺者も増えることになり

これまた生命の問題である。

つまりは「コロナ」は生命の問題である。

私は最近「死」のことを忘れて生きてきた。

個人的な出来事でいえば、弟の子どもを育てることになったり、

類焼ではあったが火事で家を失ったり

遺書を書いてひとり旅に出たり…

そんな色々ある人生の中でそれなりに懸命に生きてきた時間の中に

「生命(生と死)」のことも真剣に考えてみたりもしてきたつもりだった。

けれど今回のこのコロナという未知のウイルスが

もたらしたものは、生きてある私たちの在りようそのものを

もっとリアルに問いただすようにいきなり目の前に

見えない巨大な手のひらのごとく屹立してきた。

私たちが築いてきたこの世界は一体何なんだろう…。

毎日、創造してきたこの世界。

物をつくり、売り、人と会って会話して…

あるいは、朝起きて会社に行って働く…

そう「働く」こと。

あるいは人と喧嘩してうんざりしたり…

そんな日常のあれやこれ…。

人として少しでも人さまの役に立ちたいと

あるいはもっと幸せに生きたいというささやかな願い…

もっと自由になりたいという飽くなき欲求。

だけどそうやって作りあげた環境、自由、利便性、

あたりまえに享受してきたあたりまえの豊かさ。

私たちが「豊かさ」だと思ってきたことのことごとくが

一瞬で崩壊した。

一番大きいのは「自由に動けない」ということではないだろうか?

買い物ひとつ気を使う。花見にも行けない。

仕事に通うこともままならない…薄っすらと恐怖がただよう街。

昨日まであんなに親しかった人たちとも距離をはからなければならない…

見えないところでなにかが変わった。

それも大きくシフトした。

好もうが好むまいが有無を言わせず世界は次の時代へとシフトした。

…いままで不満でしかなかったことも

こうなってみると幸せな悩みだったかもしれない。

人は失って初めて失ったものの大きさに気づく生き物である。

産まれてこのかた当たり前にあった「日常」ほど

有り難いものはなかった。

このコロナはエポックであるかもしれない。

「コロナ」は自然の大いなる豊かさを享受しながら

その母なる自然を蹂躙してきた人間への戒めかもしれない。

このままいくと自然破壊(地球温暖化)だけではすまない

「人類の消失」へとなだれ落ちていくことを必死で止めてくれている現象なのかもしれない。皮肉なことに人類が動かなくなるとCO2の排出が抑えられ自然環境は一気に回復してきているそうだ。

…とにかく時代はまるでメリーゴーランドのように加速している。

この稀有な時代の体験者(目)である私たちは

時代に振り落とされないようにすることばかりに必死になるのではなくて

「今」という奇跡の時を幸不幸でもなく良い悪いでもなく

あらゆる困難、四苦八苦も含めて、その全てを抱きしめた上で

生命を喜んで生きることではないだろうか

昨日までの私も、昨日までの常識も、昨日までの幸せも…

すべてあっさり手放してもっと深い喜びを発見していく、

未だ嘗て誰も体験したことのない時代のペースメーカーとして

私たちは今ここにいるのかもしれない。






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