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『ワンダーウーマン1984』 鎧の出番が牙狼並みに少ないぞ!
ヒューマントラストシネマ渋谷で観賞。敷地の広さの割にスクリーン数が多くて驚きましたが、代わりに自分が見た劇場3はスクリーンがかなり小さかった。『ワンダーウーマン1984』は延期を重ねていましたが配信にならずによかったですね。
今作もとにかくガル・ガドットが美しくて惚れ惚れしました。
記事中にネタバレを含みます。ご了承ください。
前作以上に嘘と真実が押し出された作品
ワンダーウーマンの特徴的な武器と言えば「ヘスティアの縄」です。この縄は縛られたものに真実を語らせるという能力があります。
ワンダーウーマンの原作者ウィリアム・モールトン・マーストンは作家であり心理学者で、うそ発見器を発明した人物です。さらに、一緒に住んでいた女性がフェミニストの活動家だったこともあって男性と戦う強い女性というデザインのキャラクターになりました。ワンダーウーマンのキャラクターには原作者の思いが込められているんですね。1作目の『ワンダーウーマン』でも世界の真実を知ることで本当の力を得る、といった展開でした。
今回の作品でも真実と嘘がテーマになっており、キーとなる「願いを叶える石」をめぐってキャラクター達が願い(嘘で実現した力)を求める中でワンダーウーマンの強さの本質にも言及した作品でした
アクションシーンにもテーマを反映していたのか、(前作のアレスとの戦いで剣を失ったというのはありますが)ヘスティアの縄を使って戦うシーンが非常に多かったですね。
アクションに前作以上に力が入っている
前作は馬のアクションや、銃弾が飛び交う中での戦闘が多く平面的でしたが、今回は上下の動きが多くて前作以上に派手でした。
冒頭のアマゾン族オリンピックシーンはわざわざCGを多用したりサーカスのような謎のアスレチックがあったり浜辺を駆ける馬のシーンだったりすべてが大掛かりで驚きました。
兵器や建物も近代化しているので前作にはなかった戦車とのカーチェイスがあったり、アクションの印象が全く違っていたのも面白かったですね。
空を飛べるようになるいきさつ
前作では空を飛ぶシーンはなく、今作も途中までは空を飛行するというよりスパイダーマンのように縄で移動するだけでしたが、スティーブの言葉を受けて空を飛ぶコツを掴む流れはよかったですね。インビジブル・ジェットのドタバタ感は微妙でしたがまさか伏線だったとは。
あと恋人を失うことで元の力を取り戻すこと、そこから走り出して戦いに向かう描写はスーパーヒーローものの王道としてかなり美しかったですね。
ゴールドアーマーの見せ場は?
今回の目玉となるはずの「ゴールドアーマー」ですが、登場シーンが少ないうえに全く活躍していなかったのが残念でした。
なぜか暗闇だったせいで何が起こっているのかわからないうえに黄金の鎧も映えず、ヴィランのチーターとの色の対比もできていなくてなんだかもったいなかった。
鎧の翼を広げた姿はかなりかっこよかったのですが、ゴールドアーマーを装着している状態で空を飛ぶシーンもなかった。
予告映像で見れる、翼部分をキャストオフするところはかっこよかったですが、そこくらいしかなかったからそれしか使えなかった感がありました。決めポーズくらいあってもよかったんじゃないでしょうか...
その他気になったこと
・なぜ別人がスティーブになった???
人体錬成は禁忌に触れるからできなかったんですかね...
・欺瞞の神とは???
「これにもしあの欺瞞の神が関わっているとしたら大変なことに...」みたいなセリフがあったので、前作のこともあって神同士の対決になるのかと思いきや名称すら出てこない始末。次回作への伏線でしょうか...
・1984年から渋谷に「コンタクトのアイシティ」があって笑った。
まとめ
今回はかなりテーマがはっきりしているうえにワンダーウーマンの本質に迫る話でしたが、中盤以降のドタバタ感や細かい説明をすべてそっちのけで物語のスピードが加速していくのは少し疲れました。あと前回ほとんどできなかったからといってスティーブを時代を超えて蘇らせてロマンス要素を入れていたのにはさすがに驚きました。
ヴィランのマックスが、ダイアナ=ワンダーウーマンだと認識していたのが謎だったり、前作よろしく焦るべきタイミングで1984年デートしたり、まだまだ重箱の隅を突きまくれますが、相変わらずガル・ガドットはめちゃくちゃ美しく(特に今回はドレス姿が抜群)エンドロール後のシーンもアツかったので以上にします。
延期続きでようやく公開されたこと、海外ではコロナ禍の影響で映画館に長らく行けていなかったことを考えると映画のヒットも納得だなと思いました。