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夢想『分かれ道』
これは
前に見た『夢』の話。
山の中…セピア色…
何故か、葉の色だけは緑色で見え
自分の足音さえも聞こえない 【無音の世界】
私はひとり、一本道を歩いていた。
![](https://assets.st-note.com/img/1732358032-CmHYZXFAhpLvRQU8g4WOxteP.png?width=1200)
歩いていくとT字路の分かれ道に着いた
分かれ道の先は何も見えない。
カーブミラーは
傷だらけなのか何も映らない
ガードレールは
ボロボロな物と、一部新品な物
なんとなく不気味だった。
そして、
分かれ道の真ん中には
ニ階建ての古い建物があった
一階には引き戸の入り口があり開いていて
暖簾が掛かっている
どうやらお店のようだ
分かれ道、どちらに行けばいいのか
お店の人に聞いてみよう…
悩んだ私はお店に入ってみる事にした。
「…ごめんください」
恐る恐る暖簾をくぐると、中は窓も無く薄暗い 商品は薄っすら埃を被り
そしてそこに人の気配は無い
(…うーん、誰もいない…か…)
とりあえず、どっちかの道を進もう。
と、思い店を出ようとした瞬間
今まで吹いていなかった風がお店の入り口から入ってきた
湿気て生温い、嫌な風
リン…
チリン…チリン…
チリンチリンチリン…
今まで無音だった世界に音が響く
ん…?
音…?
う…上から…?
そっと見上げると
お店が薄暗く気が付かなかったが
天井には沢山のガラスの風鈴が吊るされていた
![](https://assets.st-note.com/img/1732357996-y7ToCzwq3Ql9ug21xPdWLer5.png?width=1200)
なんでこんなに沢山の風鈴?
と少し驚いた
不思議なことに
風に吹かれて鳴る風鈴には色があり
光を帯びたように鮮やかに見えた。
吹き込む風がどんどん強くなり
風鈴の音も大きくなっていく
もはや轟音となった風鈴の音が、意味を成さない空気の振動に成り代わり
そして突然入り口から強い光が差して
その光に包まれて
私は目を覚ましました。
…もしも
あの店に入らず、
どちらかの道に行っていたら
私はどうなっていたのか…。
そんな変な夢でした。
おわり。