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「せっかちなひとのための葱油餅」
葱の油の餅と書いて「ツォンヨゥピン」と言うそうです。
中華屋台のあれです。
ざっくり、葱入りのピザ生地を油で焼いたみたいな、シンプルな料理です。
と言いましても、発酵させてたり、肉入りだったり、細かったり、おやきみたいだったりと、レシピは数多くあるようです。
ですが、ここで書きたいのは、この料理ならではの特徴を凝縮した姿です。
葱と油と小麦粉生地なんて組み合わせは、どこの国にでもあるんじゃなかろうかと思えるほど、普遍で単純ですよね。
ですが。
僕が紹介したい葱油餅の最大のチャームポイントはというと、やはり生地がデニッシュ生地のように層状になっているというところです。
そこが、ただの小麦粉焼いたやつと一線を画すのです。
デニッシュとかクロワッサンとかパイとかの生地って、こう空間と板状の生地が何層にも積み重なって出来てるじゃないですか。
あれって要は、油、生地、油、生地みたいに、層状にして焼くことで作ってるんですが、生地を伸ばして油を塗って、畳んで伸ばしてまた油を塗っての繰り返しで、けっこう手間暇かかってるんです。
じゃあ、葱油餅も面倒くさいんじゃないの?って思うかもしれません。
ところが、そうでもないんです。
まず生地を発酵させずに作れますし、フライパンで焼けちゃうのでオーブンも要りません。
そう。
食べたいと思ったときに、すぐ作って、すぐ食べれるんです。
家に「葱」と「小麦粉」があれば出来てしまうってすごくないですか?
あと、そう、イメージがわかないひとのために言っておくとですね、「葱油餅」と書いてあるので、どうしても「餅」を意識しがちなんですが、大丈夫です、意外なほどに外側サクサクです。
最短のレシピ
まず、材料ですが、小麦粉(中力粉が使われることが多いですが、なければ強力粉と薄力粉を混ぜたり、なんでもいいです)、葱、油、塩、水、以上です。
小麦粉に好みで塩と油を少し入れて、水を足しながら、こねれるくらいになるまで混ぜます(最初熱湯で後は水or70℃くらいのお湯を使うとなおベスト)。
しっかりこねたら、適当なサイズにちぎって、それをピザみたいに平らにのばします。
伸ばした生地にまんべんなく塩を振り、ピザで言う耳の部分を残して油を塗り、刻んだ葱を散らして、小麦粉を少しまぶします。
端からくるくる巻いて、一本の棒のようにします。
これをねじりながら、引っ張ったりころころしたりして長くしていきます。
両端から中心に向かうように巻いていくと、ちょうど渦巻きが2つできると思います。
片側の渦巻きをもう片方に乗せて、ひとつの円盤状にします。
それを再び平らにのばします、できるだけ薄くなるように。
フライパンにたっぷり油を入れて、できた生地を焼いて蓋をします。
ひっくり返してまた蓋をします。
しっかり両面に焼き目がついたら、ヘラでもなんでもいいので、左右から挟むようにくしゃくしゃと叩いてほぐします(抵抗あるでしょうが、やるのです、生地の各層が開きます)。
出来ました。
焼き立てが一番美味いです。
なんだろう、たったこれだけの材料を少しくるくるするだけで、劇的な食感。
いや、すごいなぁと思いました、この料理。
僕が勝手に最短型に抽出したんですが、葱も最小限におさえた、特に生地を楽しむこのレシピは、台湾のレシピに近いと思います。
どうも台湾では「葱油餅」と「葱抓餅」と名前を使い分けてるようで、このレシピは「葱抓餅」と言われるものにあたるんじゃないかと。
もうひと手間レシピ
最短では、油と葱と小麦粉とをそのまま生地に乗せましたが、僕が好きなのは、葱油バージョンです。
フライパンで油を熱し、刻んだ葱を入れジュワーッとしたら火を消し、それを小鉢に入れた小麦粉にかけて混ぜます。
熱した油を、小鉢に入れた刻んだ葱と小麦粉にジャーッとやってもいいです。
これを伸ばした生地に塩振って塗るんです。
別に葱全部を使わなくても、僕は硬いとことか根元のほうだけ葱油にして、残りは生のまま生地に入れてます。
あとの工程は最短と同じです。
僕が適当に作ったときで、こんな感じです。
もっとうまいこと焼けば、よりくしゃくしゃにできます。
フライパンに玉子落として、そこに重ねても最高です。
(ハム、チーズ、バジル、五香粉、胡麻油なんかのバリエーションも)
ですが僕は、具が最小限なのがいいと思いますね。
ピザも具だくさんよりもシンプルなほうが、チヂミもニラだけのやつとかがキュンときますし。
でもまぁ、やっぱり実際作ってるとこ見ないと、よくわからんですよね。
「葱油餅」ではなく、「葱油饼」で検索すると、焼くところだけでなく、生地作りからやってるわかりやすい動画が見つかりますよ。
この巻き方、一番好き。
納得したら是非、家で作ってみてくださいね。
葱油餅の可能性と即戦力
さて案の定、こっから先は読まなくっていいです。
僕に「一杯奢ろうか」ってひとだけ、よろしくです。
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